奈良の川にすむ魚たち-オイカワ-

代表的な魚たちの横顔

オイカワ
Zacco platypus  コイ目 コイ科


オイカワ
全長 10cm
■ 分布
北陸・関東地方以西の本州、四国の瀬戸内海側、九州に分布する。近年、アユの放流にともなって各地に移植されている。

■ 生態的特性
一生を淡水中で生活する純淡水魚。河川の中流域~下流域、湖沼などに生息する。同属のカワムツが水際の淵を好むのとは対照的に、浅く開けた瀬を好む。成長にともなって河川を上下流に移動する。

表 オイカワの生活史と利用場所
成長段階 利用場所 時期
成魚(生息場所) 浅く開けた瀬を好む。夜は水深10cm程度の岸に群がって休む。アユが遡上する時期になると付着藻類の多い開けた川の中央をアユに奪われ、河岸に移動する。冬は淵に入る。
〃 (産卵場所) 水深5~10cm程度の流れのゆるやかな平瀬で産卵する。卵は砂礫中に埋め込む。 5月下旬~8月
仔・稚魚 産卵床から出た後期仔魚は、浅く開けた流れの遅い(10cm/sec以下)淵の内側や平瀬の砂礫底部の表層に生息する。やや成長した稚魚は、中流域~下流域の間の河川形態をもった場所に流下し、未成魚期には再び川を遡上する。 春~夏

 食性は、植物食中心の雑食性で、河川ではおもに付着藻類を摂食するほか、流下・落下昆虫、底生昆虫も利用する。この点も同属のカワムツが動物食性に偏っているのと対照的である。湖沼では、ユスリカ、半底生の動物プランクトン、動物プランクトン、付着藻類などを摂食する。後期仔魚は流下物を、稚魚は動きまわりながら、底生藻類や水生昆虫を摂食する。
オイカワとカワムツの餌生物

オイカワとカワムツの餌生物 (水野,1965より)
※太い線はおもに利用する餌を示す

■ 県内の現状
 紀ノ川、大和川水系ともに上流~下流部の広い範囲に分布している。かなり汚濁の激しい水域でも生息量が多く、紀ノ川水系、大和川水系においてもっとも一般的な魚類のひとつである。
オイカワの出現状況図

◆奈良の川で見つかった魚◆

オイカワ カワムツ メダカ ドジョウ ブラックバス
オイカワ カワムツ メダカ ドジョウ ブラックバス

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