ナスは、トマトやジャガイモと同じナス科の野菜で、原産地はインドの東部と言われています。わが国には、中国から渡来し、約1200年前の奈良時代にはすでに栽培されていました。当時の「正倉院方書」に、ナスを献上したという記録があります。「ナス」という呼び名は宮中の女房言葉からきたもので、初めは「奈須比(なすび)」とよばれていました。
 ナスは在来品種も数多くあり、長卵形ナス、長ナス、丸ナス、米ナス、小ナスなど大きさや形や色もさまざまです。特に光沢のいい独特の紫色の肌が特徴的で、これは、アントシアニンの一種のナスニンという色素によるものです。ナスニンは強力な抗酸化作用があり、活性酸素を抑えたり、コレステロールの吸収を抑える作用があるといわれています。
 ナスは奈良県の主要野菜の一つで、広陵町、田原本町などを中心に100ヘクタール以上の栽培面積があります。主に栽培されているのは長卵形の「千両2号」という品種です。奈良県では夏から秋に出荷される露地栽培を主体にハウス栽培もされており、ほぼ1年中出荷されています。また、最近は消費者の食生活の多様化により、生食できる野菜へのニーズが高まっていることもあり、調理せずサラダ感覚で生でも食べられる「サラダナス」も栽培されています。 このように、県内では様々なナスがほぼ1年中手に入れることができます。皆さんも新鮮な県内産のナスを味わってみてはいかがでしょうか。

奈良県農業総合センター 
普及技術課 
野菜指導係 主査 安藤 正明

掲載日:2008年2月23日