私たちのチャレンジ

子どもと女性の力を高める活動を
したいと考えています
CAP西大和 代表
松林惠美子さん
(斑鳩町在住)

-活動を始められるまでは専業主婦だったそうですが、女性センターで学ぼうとされたきっかけは?

ちょうど夫の両親と同居して2~3年経った頃でした。いい関係ではあったのですが、私が「良い嫁」を意識しすぎてストレスから体調を崩してしまったのです。そこで、気分転換になるし、もやもやと感じていることの答えが見つかるかなと女性センターの講座を受講することにしました。

-自分の時間を持ち、社会との接点を持つことで気持を切り替えようと考えたのですね?

ストレスの原因は私の育った家庭の影響もあったかもしれません。育った家は常に父を中心にまわっていて、母も「何も言わずに尽くすのが女の美徳」という考えの人でした。自然と私も父の顔色を伺い、父の意のままに振舞うようになっていて、けっこうしんどかったのです。そのため「女は男に従うもの」という考えの人とだけは絶対に結婚したくないと思っていました。そのことを理解してくれる人にめぐり合って、夫とは互いに尊重しあう関係を作れたと思っています。
ところが夫の両親と暮らすようになって、私の中に実家で培った習慣がよみがえったようでした。夫の両親に対して過剰な気遣いをするようになってしまい、そのことがストレスになったんだと思います。女性センターで学んだり、同じような気持の友人を得たことで気分が晴れたのを覚えています。

-CAPの活動を始められた動機は?また、どんな活動をされているのですか?

私は女性センターで出会った人達と話をしたり、奈良県「女性NGOフォーラム北京’95」派遣団員として世界の女性達と交流して、国境を越えて女性達が同じような問題を抱えていることを実感しました。
北京から帰国して間もなく、子どもへの暴力を防止する「CAP」のことを知り「子どもの頃から、暴力から自分を守る力は必要」と活動を始めました。CAPプログラムは米国オハイオ州の「レイプ救援センター」が作ったのですが、子どもや女性が性暴力などさまざまな暴力にあうのは、その立場の弱さに大きな要因があると言っています。子どもや女性が持っている力を充分発揮できることが暴力防止には欠かせないというわけです。
活動を始めて10年たちますが、現在は毎日のように県内各地の小学校・幼稚園・保育所などから依頼を受けて、子ども、教職員、保護者、地域の方たちにCAPプログラムを届けています。
女性や子ども、そして全ての人が等しく尊重される社会づくりに少しでも役立てればと思っています。

-「自己表現」や「コミュニケーション」に関する講師活動にも力を入れているそうですね。

私自身、行動していく中で気づくことがとても大きかったと感じています。特に人間関係で重要なのは「対等な関係を築くこと」と気づいてから、対等で率直な自己表現のスキルである「アサーティブネス」の研修を受け、生活の中でも実践し、夫の両親との関係も変えていくことができました。
自分の思いを察してもらうことを期待するのではなく、きちんと言葉にすることで、相手にもより伝わりますし、自分自身を客観的に見つめることができます。また「話す人が自身を取り戻し、考える力を回復できるような聴き方」も広めたいと思っています。「話す、聴く」練習をするサークルがいろんな所でできたらいいと思っています。


松林さんから女性へのチャレンジメッセージ
 
誰でも自分のなかに力を秘めています。きっかけがあれば、その力を発揮することが出来るはず。私の場合は女性センターに来たことが、まず最初のきっかけになりました。 
モヤモヤとした思いを抱えたり、悶々とした時こそがチャンスだと思います。そのとき一歩を踏み出してみると、きっと何かが見えてくる! 


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