私たちのチャレンジ

好きで好きで仕方がないことを形にしてきました。
一つのことを思い続けることの大切さを感じます。
自己表現トレーナー
女性センター等で講師として活躍する
舟橋正枝さん
(大和郡山市在住)

―舟橋さんは女性センターの受講生だったそうですね?

子育てのために家庭に入ったあと、社会とのつながりをしゃ断されたようでずいぶん落ち込みました。子育てが一段落すれば復職できると考えていた日本語講師も、奈良では仕事になりそうもないとわかり、そのショックもありました。
そんなとき、たまたま通りかかった女性センターで講座案内を見て・・・。子どもが2歳の誕生日を迎えるのを待ちかねて受講しました。
講師の話を聞くうち、私が抱えていた焦りやいらだち、自信喪失は、私や夫のせいではなく、女性問題つまり社会の問題なのだと気づかされました。社会問題なのだから解決していくしかないと、抜け出す道を探し始めました。

―講師になろうと思ったきっかけはあったのですか?

もともと日本語学校で教えていたので、人前で話すことや教えることにはなれていました。当時私には「45歳までには何らかの仕事をしていたい」という思いがあって、講座を受講していても、「聞くだけでは終わらせない」という意気込みがありました。質疑応答の際は必ず質問しましたし、これは、と思った講師の方には積極的に思いを伝えました。
講座終了後はグループも結成し、当時の女性センター担当者に「アメリカの女性解放運動では、学んだ人達が今度は伝える側になってどんどんすそ野を広げていった。私たちもそのような活動をしたい」と熱く語ったりしていました。
そんな精一杯のアピールが認められたのか、ほどなくグループ代表として講師デビューのお話しがあったのです。やってみるとこれが楽しくて仕方ありません。「私」再発見でした。

―その最初の講師デビューは「ディベート(特定のテーマに付いて、肯定・否定の2組に分かれて行う討論)入門」でした。その後自己表現関連の講座や非暴力ワークショップなど活動の幅を拡げていらっしゃいますね。

講師をするのが楽しくて、そのための自己投資は惜しみませんでした。ディベートを学ぼうと思えばセミナーを受講し、自己表現や自己尊重を講座で伝えたいと思えばアメリカで伝えられているスキルを日々、生活の中で練習しました。またドメスティック・バイオレンスに関心をもち、非暴力ファシリテーターという資格も取りました。
興味を持ったことにはとことん凝って、色々工夫したり独自のものを創ることが好きなんです。今も講師のお仕事をいただくたびにプログラムを練るのが楽しくて。

―今後の活動のビジョンを聞かせていただけますか。

ここ数年のテーマは「凝る」ことです。好きなことに凝っていくと、その人の能力・強みとなり、自尊感情が高まり、生きる力となるからです。「凝る」ためには、日常生活の中でいかに工夫するとか、何を大切に生きたいとかが問われ、自分自身への探求につながります。好きなことをやりながら自分を好きになり、自信や生き方を創っていけるのですから、こんな楽しい循環はありませんよ。どんどん肯定的になれますし、他の人との肯定的エネルギーの循環っていいですね。
ただ「凝る」ことのできない人もいますから、「凝りかた」のスキルを紹介していきたい。子どもにだって「集中してしっかりやりなさい」なんて言うより、「凝りかた」を紹介してあげる方が効果的。親子で一緒に凝れたら、楽しみも力も倍です。


舟橋さんからチャレンジしたいという女性へのメッセージ
 
家に入って「子育て専業主婦」を続けるうち、心にぽっかり穴が開いたようになってしまいました。「これは私の生き方ではない」と感じたのです。
自ら選んだと思っていた専業主婦も、結局選択肢がそれ以外なかったことにも気づきました。
もし私と同じように感じる人がいたら、まず「焦らないで」といってあげたい。私は今でも「焦らない、焦らない」と自分に言い聞かせています。そして「自分を変えたいと思ったら、絶対に変われるよ」と伝えたい。私自身そうやってきましたから。
焦りに負けないで、自分を信じて、まず一歩を踏み出してください。



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