奈良県で栽培されているお米の品種といえば、平坦部の「ヒノヒカリ」や中山間部の「ひとめぼれ」、「コシヒカリ」、「あきたこまち」や「キヌヒカリ」が知られていますが、「露葉風」という品種をご存じでしょうか?
 「露葉風」は、お米といっても「ヒノヒカリ」などの主食用のお米の品種とはちがい、酒造好適米、いわゆる酒米の品種です。酒米の品種としては、兵庫県をはじめ西日本で多く栽培されている「山田錦」や北陸地方を中心に栽培されている「五百万石」が有名ですが、「露葉風」は、現在、全国で奈良県のみが奨励品種として採用し、栽培されています。
  さて、主食用に適したお米と酒米ではその特性にどのようなちがいがあるのでしょうか。
まず、主食用のお米は、ごはんとして白く艶があり、ほどほどの粘りや冷えても硬くならず香りがよいものが好まれ、アミロースやタンパク質などの成分が適度に低いものが良いとされています。一方、酒米は日本酒の原料であり、酒造りに適したものとして、玄米が大粒であることや玄米の内部に心白とよばれる白色不透明な部分が生じやすいこと、タンパク質含量が低いことなどがあげられます。粒が大きいと、タンパク質含量が低くなり、搗精(玄米をついて白くすること)歩留まりが良くなります。心白は、玄米内部のデンプン粒間にすき間があることから生じますが、そのために、吸水が速く麹の菌糸も入りやすくなります。タンパク質が多いと吸水が悪く雑味が生じてしまいます。
  「露葉風」は、大粒で心白粒の発現が良い品種であり、山添村のほか県内で約10数ヘクタールで栽培されており、それを使用した日本酒も造られています。奈良県は日本酒発祥の地といわれており、地元の米や水にこだわったお酒を飲み比べたり、自分の好みを見つけたりと、(お酒は二十歳になってからですが...)楽しんでみてはいかがでしょうか。

酒米
露葉風(左)とヒノヒカリ  露葉風は大粒で、心白が生じている。

idea豆知識「酒米の精米歩合」

 玄米表面の糠(ぬか)や胚芽(はいが)を取り除いた白米の、その玄米に対する重量の割合を精米歩合といいますが、主食用のお米として食べている白米の精米歩合は約90%であるのに対し、日本酒造りの原料となるお米は、
 ○本醸造酒・・・精米歩合70%以下
 ○吟醸酒・・・・・精米歩合60%以下
 ○大吟醸酒・・・精米歩合50%以下
 と、さらに磨かれた米が用いられています。

掲載日2013年4月7日