特集

 



 奈良県の経済構造は、所得の源泉を県外に依存している割合が高く、県内での経済循環が十分でなく、自立性が低いと言えます。


 こうした経済構造を改革するため、県の産業・雇用の振興に大きな効果をもたらすと考えられる生活関連製造業など3つの分野をリーディング産業、宿泊産業など6つの分野をチャレンジ産業と位置づけ、分野ごとに販路拡大やブランド力の強化といった産業おこしにつながる取り組みを進めていきます。


昨年12月25日に行われた、第6回経済産業雇用振興会議のようす

産業おこし
 県では、産業おこしのポイントを、①生産から販売までの一貫した産業構造の構築、②県外への販路拡大、③良いモノの選定によるブランド力の向上、の3つと考え、それぞれ取り組みを行っています。

①生産から販売までの一貫した産業構造の構築を支援

 今後、取り組みを進めていく、林業・木材産業の事例を紹介します。
 奈良県の林業・木材産業を活性化するため、現在の需要ニーズに対応し、「高級材を選んで搬出する林業」から「木の根元部分から先端部分まで全てを搬出して利用する林業」への転換を図ります。また、その受け皿として、建築用材、集成材用材、合板用材、チップ用材としての流通先を確保するとともに、販路拡大の取り組みを推進していきます。

建築用材の販路拡大

 奈良県産材は、年輪幅が狭く均一で幹が通直*1・完満*2であり、色つやが良く強度性能が高いのが魅力です。これらの魅力を今後も継続してPRし、県内をはじめ首都圏等での販路開拓を進めます。
*1…幹がまっすぐなこと  
*2…幹の形は一般に長い円錐形ですが、
   下から上への細りの少ないこと


昨年11月、吉野材見学ツアーのようす。首都圏で活躍する
建築デザイナー・建築関係者など約50人が奈良を訪れました。


集成材・合板としての活用

 節の多い木材や細い木材、小曲材(こまがりざい)なども有効に活用し、集成材用ラミナ材(板材)として県内集成材工場への供給拡大を進めていきます。また、合板工場への供給量も拡大していきます。


県内工場で製造される集成材。現在は90%以上を外国産材に依存しています。

チップ用材としての活用

 これまであまり利用されてこなかった曲材(まがりざい)や木の先端部分も、木質バイオマス発電の燃料用チップとして活用していきます。


山に放置された間伐材等から作ったウッドチップ

ウッドチップの加工に取り組む川上村森林組合でお話を伺いました
 将来、木質バイオマス発電所が稼働し始めると、その燃料として多くのウッドチップが必要となります。多様な販路が確立されると、放置されていた山でも間伐や植林をしようという意欲につながり、人手が必要となり、村に雇用が生まれると思います。
 また、川上村の基幹産業である林業・木材産業の再生を目指し、「持続可能な川上産吉野材の一貫供給体制と情報拠点の構築」のため、村内の林業4団体と村が「川上村林業再生準備室」を立ち上げ、村を挙げて産業の発展に取り組んでいます。

川上村森林組合
業務課長の大西利実さん

1月5日、川上村木材会館内に準備室が立ち上がり、
林業再生に向けた取り組みを協議していきます。

問 県奈良の木ブランド課 TEL 0742-27-7470

 

②県外への販路拡大を支援

 首都圏での販路拡大の取り組み事例を紹介します。

大和野菜等の魅力を首都圏へアピールしています。

 県では、東京の百貨店、食品スーパー、青果市場等で大和野菜等のPRを行っています。今後も、農産物直行便の運行や食材紹介等を行い、首都圏での県産農産物の認知向上や消費拡大に取り組みます。


(上)昨年10月、大田市場(東京都)、
(下)昨年7月、スーパー「プレッセプレミアム」(東京都)でのPRのようす。


中小企業の首都圏販路拡大を支援

 東京国際ギフトショーへの出展支援や、百貨店等のバイヤーが設けたブースに新規取引を希望する企業が自社商品を売り込む逆見本市形式の商談会の実施など、中小企業の首都圏での販路拡大を支援し、新たな受注獲得のための機会を提供しています。


昨年2月、奈良県ブースを出展した東京国際ギフトショーのようす。


問 県マーケティング課 TEL 0742-27-5427

③ブランド力の向上を支援

 農業と観光産業の取り組み事例を紹介します。

県産農産物の品質によるブランド認証に向けて。

 奈良県は近畿では第1位の生産量を誇るイチゴ産地で、県育成のアスカルビーや古(こ)都(と)華(か)等を生産しています。
 県では、イチゴをリーディング品目に選定し、品質向上によるブランド化を図るとともに、県内や首都圏での販売促進に力を入れています。また、県では、品質に着目したブランド認証により付加価値を高める取り組みを検討しています。外見だけでなく、味の良いイチゴ作りを一層推進していきます。


アスカルビー


「(仮称)外国人観光客交流館」の開設

 猿沢池周辺を外国人をはじめ観光客で賑わうエリアとなるよう、観光案内・交流・宿泊機能等を備えた拠点施設「(仮称)外国人観光客交流館」の観光案内・交流エリアを平成27年夏以降に開設する予定です。


観光案内・交流エリアのイメージ

問 県観光プロモーション課  TEL 0742-27-8553
問 県農業水産振興課  TEL 0742-27-7431


企業の県内立地を目指して

 企業立地を促進し、投資、消費、雇用を県内で好循環させ、自立した地域経済を構築することを目指します。

企業立地の現状
 平成19年から25年までの7年間で、170件の県内での企業立地を達成しました。平成17年以前は年間数件程度の時期もありましたが、最近では年間20件台の企業立地を維持しています。


企業立地の事例

積水ホームテクノ(株)(大和郡山市)平城宮跡南側の事業所
と岡山県の拠点を集約移転しました。(平成26年開設)


日本梱包運輸倉庫(株)(大和郡山市)全国に拠点を持つ物流企業。
積水ホームテクノの移転を機に奈良県初進出。(平成25年開設)

今後の企業立地
 工場用地の不足を解消し、中南和地域の振興と労働の場を確保するため、御所インターチェンジ周辺において産業集積地を整備します。

現在の御所インターチェンジ周辺のようす

問 県企業立地推進課  TEL 0742-27-8872

若者・女性の就労を応援します

若者の県内就職を促進!
 県では、「奈良県雇用対策協定」に基づきハローワークと連携して開拓した県内企業の求人情報を県内外大学に提供したり、学生に対して県内企業のPRを行うこと等により県内就職を促進しています。

就職活動準備セミナー「業界研究会」


女性の起業・就労を支援!
 知識と技能を活かした起業支援セミナーや翻訳者養成塾、キャリア形成セミナーを実施しています。
 また、子育て女性の再就職支援や育児休業を支援した事業所への補助も行っています。

女性のためのキャリアアップセミナー

●正規雇用等を目指す若者の就職をサポート(相談・セミナー等)
問 ならジョブカフェ  TEL 0742-23-5730

●働くことに悩みを抱える若者の就職をサポート
問 北和「なら若者サポートステーション」  TEL 0742-22-5006
問 中南和「若者サポートステーションやまと」  TEL 0744-44-2055

●働きたい、働き続けたい女性をサポート
問 子育て女性就職相談窓口  TEL 0742-24-1150(予約制)

●若者の就労支援に関して
問 県雇用労政課  TEL 0742-27-8812

●女性の就労支援に関して
問 県女性支援課  TEL 0742-27-8679




問 県産業政策課  TEL 0742-27-7005  FAX 0742-27-4473
※「県民だより奈良」は県内の各家庭にお届けしています。
 市町村窓口、県の施設などにも配置しています。
※点字と声による「県民だより奈良」も発行していますので、必要な方は県広報広聴課へご連絡ください。
 県では、経費削減のために、「県民だより奈良」の裏表紙に有料広告を掲載しています。
 広告の申込・お問い合わせは、株式会社キョウエイアドインターナショナル大阪支社(TEL:06-4797-8251)まで

お問い合わせ

広報広聴課
〒 630-8501 奈良市登大路町30
報道係 TEL : 0742-27-8325
広報紙係 TEL : 0742-27-8326 / 
FAX : 0742-22-6904
デジタル広報制作係 TEL : 0742-27-8056
県民相談広聴係 TEL : 0742-27-8327
相談ならダイヤル TEL : 0742-27-1100

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