第1回臨時会議(平成29年10月3日開催)

開催概要

議決事項

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 県立高等学校の適正配置に関する検討について(pdf 1543KB)  <教育振興大綱推進課>

平成29年度第1回(臨時)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>
平成29年10月3日
16時00分

<閉会>
平成29年10月3日
17時05分

 
<会議場所>
教育委員室


<委員出欠>
花山院弘匡(出席)
佐藤進(出席)
森本哲次(出席)
高本恭子(出席)
上野周真(出席)

 

議案及び議事内容

議決事項1
 県立高等学校の適正配置に関する検討について(可決) 

<議事内容>

○吉田教育長「ただ今から、平成29年度第1回臨時教育委員会を開催いたします。本日は委員全員出席で、委員会は成立しております。
 まず第1回の臨時会の開催にあたり、ご挨拶させていただきます。本会の開催については、前回の定例会で議決をいただいたところです。いよいよ本日から県立高等学校の適正配置について議論を行うこととなりました。県立高等学校については、平成16年度から平成20年度にかけて43校を33校にする大規模な再編を実施いたしました。その後も、一部学校で学科改編やコース設置などの見直しを行ってきたところです。しかし今後、人工知能の進展などにより社会環境が大きく変化すると予測されています。また、人口減少が進む中で、地域を支える人材の育成が社会から求めれられています。いよいよ教育内容、教育環境について大きく見直す必要があると思っています。
 この適正配置検討のための臨時会は、県教育委員会で初めて開催するものですが、学習指導要領改訂も踏まえ、概ね10年毎に臨時会を開催しながら、高校の教育内容、特別支援学校の在り方等々について検討していただきたいと思っています。今日は、臨時会の第1回目ですので、今後の検討スケジュールや会議の進め方等について、議論をしていただき、議決をいただきたいと思います。
 よろしくお願いします。」

○吉田教育長「それでは、『県立高等学校の適正配置に関する検討』について、ご説明をお願いします。」
○前田教育振興大綱推進課長「本日は県内視察に引き続き、お忙しい中臨時会を開催していただき、ありがとうございます。
 それでは、資料にそってご説明いたします。まずA4の『県立高等学校の適正配置に関する検討について(案)』と、引き続きA3の資料2枚について、ご説明いたします。
 いよいよ本日から、高校の適正配置について、教育委員会会議でご議論いただくこととなっておりますが、本県の高等学校教育の根幹となる重要なご議論となります。担当課としても精いっぱい、資料等ご準備させていただきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
 それでは『県立高等学校の適正配置に関する検討について(案)』の資料をご覧ください。本日のご提案させていただく事項は3点ございます。
 1枚目の『県立高等学校の適正配置について』をご覧ください。適正配置とは、資料にもありますとおり『教育内容や教育環境の充実を図るための学校・学科の配置の適正化』と定義づけをさせていただいています。具体的に申し上げますと、1つ目として今後、県立高等学校の教育内容としてどのようなことが求められているのか、2つ目としてその教育内容を実現するためには、どのような教育環境を整備しなければならないのか、3つ目としてどのような配置をすれば、今後あるべき教育内容や教育環境を広く提供できるか、といったことを指すととらえていただければと思います。
 なお、前回の再編終了から来年度でちょうど10年が経過することになります。前回の高校再編計画はいつまでの期間か、ということが具体に示されていませんでした。より先まで意識して計画を策定していただいたのではないかと想像しています。先ほど教育長から学習指導要領の改訂が、10年ごとに行われているという話もありましたが、10年を経過しますと教育内容をどうすべきかという議論が必要になります。そこで、概ね10年という検討間隔をここでお認めいただければ、生徒減少の問題だけでなく教育内容の在り方も含めて、今後の検討を適時・適切に行えるのではないかと考えています。
 2枚目の検討スケジュール(予定)をご覧ください。10月のところに『臨時会で検討方針について審議』とあります。これが本日の内容となります。計画策定までの中間目標として、2月を目標として、適正配置に関する基本方針(案)を定めたいと考えております。そして、その案を県議会文教くらし委員会で説明させていただくとともに、パブリックコメントにより広く意見を求めたいと考えております。この基本方針は、奈良県の県立学校がどのような方向性を目指すのか、そして、各地域ごとにはどのような高校が必要なのかについて整理したものにしたいと考えております。
 3枚目の資料をご覧ください。議論の進め方として左側にある地域別の協議会を開催したいと考えています。奈良県の各地域を、北部、中西部、南部東部の3ブロックに分けて、地域ごとに中学校の校長先生、小中の保護者の方から意見を聴取する会をもちたいと考えております。この11月には第1回目を開催して、基本方針のアウトラインができあがる来年1月に第2回目を開催したいと考えております。それぞれ開催後に、聴取した意見についてこの臨時会においてお伝えさせていただき、議論の参考にしていただけばと思っています。
 また、右側にある高等学校の関係者からは、各学科の代表の方、また保護者の代表の方にも加わっていただき、ヒアリングも実施したいと考えております。このヒアリングについては、10月の第2回目、11月の第3回目の臨時会において実施する予定です。
 中間目標である基本方針案策定後は、平成30年度に入りますが、パブリックコメントの結果を受けて、基本方針を確定いただき、その方針をもとに具体案を盛り込んだ、適正配置計画案の検討を進めていただくことになります。スケジュールとしましては、来年4月、5月がその検討時期と考えています。
 以上が、今後概ね10年ごとに適正配置の検討を行うということ、そして、今回の検討については来年6月を目途として適正配置計画を策定するということをご提案させていただきました。1枚目の資料が本日ご審議いただく内容、2枚目はその補助資料、3枚目は今後地域別協議会の開催やヒアリングの実施について、本日のご意見をもとに、事務局で再調整させていただきたい資料としてご覧いただければと思います。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。」

○吉田教育長「それではまず、県立高等学校の適正配置に関する検討について、先ほど申し上げましたように、様々な時代の変化、それから学習指導要領の教育内容の変化等に対応するために、10年ごとに臨時会を設置して、高等学校や特別支援学校の今後の在り方を絶えず見直しをしていくという方針について、ご意見はいかがでしょうか。」
○花山院委員「まず何故、適正配置の検討をしなくてはならないかを明らかにしたい。奈良県が目指していくこと等、10年に一度の検討で、特にどのようなことを問題としていくのか。今日の資料にあるとおり、一つは生徒数の減少への対応。奈良県人口の地域的な偏差性や、それぞれの学校が設置されている地域の問題もあります。そのことと、奈良県が普通科の比率が他府県よりも高い。こういった、教育内容に関すること。これからの教育の多様化の中で、奈良県では子どもたちにどのような力つけていくのか。そのような二つの面から、10年に一度見直そうという議論になっていくのかと思うがどうでしょうか。」
○前田教育振興大綱推進課長「本日は、検討を始めることについてご了解をいただきたいと思っています。次の第2回、第3回でヒアリングを実施したいと申し上げましたが、高等学校がどうあるべきかというような教育内容であったり、また人口減少の中で高校がどのように適正に配置されていくかの議論を深めていただくため実施したいと考えています。」
○花山院委員「何故(検討を)するのか、その理由を説明してほしい。」
○前田教育振興大綱推進課長「時代の進展によって求められる教育内容を見直し、より魅力ある、特色のある高校をつくっていきたいということ、それと人口の減少とともに、どの場所にどのような学校を配置していくか、教育環境を整えていくことを具体に考えるべき時期にきたと考えています。具体にどのような形がいいのか結論はでていませんので、これからの議論の中で深めていきたいと考えています。」
○吉田教育長「他の委員のご意見はいかがでしょうか。」
○佐藤委員「生徒数の件に関して、団塊の世代に人口、生徒数が大きく増え、その時に新設校が増えました。その次に、10年前に見直され、統廃合されました。そのようなことからすると、10年ごとに見直していくことは、高齢化や人口減少のこともあり、10年毎というのは良い時期だと。生徒数の減少、大学進学の推移がどうなっているのか、今後の学校教育の方向性、進学が中心なのか、すぐ仕事ができる人間作りが必要なのか、そのようなことも考えると見直す時期かなと思います。また、大学も存続をかけて、学生の確保に非常に苦労しているといったことも聞きます。どのように見直すかは今後の議論だと思います。」
○森本委員「10年ごとの見直しについて、タイミング的には、生徒数の減少に加え、社会的な環境としては実学を重視して、生徒が将来に向けて方向付けていく環境が高まったと思っていますので、見直しの時期としては良いと思います。また、教育振興大綱にそって進める絶好のチャンスとも思います。(適正化については)高等学校と特別支援学校のことになっていますが、県の小、中、幼児教育にも関わってきます。しっかりとしたまとめ方をしないといけないと感じています。」
○高本委員「10年を一つの節目として変革をしていくことは、良いことと思います。今年生まれた子どもが10年後は小学4年生になります。その頃になると、その子どもたちが何を求めるかがわかってくると思います。その時に高校教育で必要なものがわかるので、そのことも社会的現象の一つとしてとらえて変えていく機会にできたら良いと思っています。」
○上野委員「私も同じような意見です。適正配置ということは学校を統合することで、今後ヒアリング等をされていくということですが、各地域の中学校校長、PTAの方と十分に話をしていただき、後悔の無いように議論を重ねていくことが重要であると思います。」
○吉田教育長「ありがとうございました。10年ごとに、このような臨時会を開催するということは、賛同を得られたと思いますが、何故、何のために見直していくのかということを、奈良県教育委員会として確実なものとしていく必要があります。
 今日は、御所実業高等学校に視察に行ってきました。そこでは、県の英語弁論大会で優勝したというお話もありました。英語学習についてもより実践的な学習が御所実業高等学校で行われていたという実績の現れであったと思いました。私の考えは、時代が右肩上がりの中で、普通科志向で大学進学を求めていって、皆が大学へ行ったら良い時代から、(これからは)いよいよ変わっていく。そこに人工知能の進化もあって、子どもたちがどのような職業につくかということについて、今ある職業が将来を奪われる可能性があります。そのような時に、これからの学校はしっかり職業観を身に付けたり、自分の好きなことをみつけたり、就職、進学という単純な色分けをするのではなく、同じ進学するにしても、商業を学んだ生徒が商学部に行くのと、普通科高校から商学部へ行くのと、二通りあっても良いのではないかと。どちらがより子どもたちにとって良い学びになるのかというと、私は専門的・実学的な商業を勉強しながら、より深く学びたいために大学へ進学したり、就職してから必要に感じれば大学へ行く、自分の人生は自分で自ら歩んで行けるような高等学校にしていくべきかなと思いを、今日の視察で感じたところです。様々な地域でこれから意見を聞く際に、普通科志向から実学への転換といったことが、どのように受け止められるのか、これは保護者に対してですが。保護者は普通科に行って大学へ行くという、そのような志向が圧倒的に多いとは思いますが、それに対して我々がどう発信できるかを含めて、地域別協議会で意見を聞いていただきたいと思っています。
 それではこの適正化配置に関する案は、この形で進めることで決定させていただきます。それからスケジュールについては、臨時会を月1回程度開催していきながら、基本方針をとりまとめして、配置計画に結び付けていくということですが、これに関してご意見はございますか。地域別協議会について、地域のくくり方も含め、ご意見ご要望はありますか。」
○森本委員「具体的には、協議会の中でPTAの代表等に集まってもらって意見を拝聴するということですが、最も大事なところですので、齟齬をきたさないようにしていただきたいと思います。」
○吉田教育長「臨時会の開催は毎月1回程度ということですが、よろしいでしょうか。」
○高本委員「丁寧にされたら良いと思います。」
○吉田教育長「それでは、検討スケジュールについてはこの予定で進めていただくことで、よろしくお願いします。
 続いて、奈良県立高等学校の地域別協議会設置についての案と、教育委員会ヒアリングの実施についての案について、ご意見を伺いたいと思います。協議会に入っていただくのは、各郡市の中学校長、奈良県PTA協議会の代表ですか。例えば具体的には、北部で奈良市・大和郡山市・天理市・生駒市・生駒郡を一つのブロックにすれば、中学校の校長は奈良市の代表ですか。」
○前田教育振興大綱推進課長「各郡市の方と考えています。」
○吉田教育長「PTA協議会はどのようになりますか。」
○前田教育振興大綱推進課長「いくつかのブロックに分かれていると思いますので、その代表の方と考えています。基本的には、校長と同じく、郡市の代表と考えています。」
○吉田教育長「2回開催ですか。」
○前田教育振興大綱推進課長「はい。」
○吉田教育長「それぞれの開催案はありますか。」
○前田教育振興大綱推進課長「1回目は各地域ごとの課題や、今後どのような高校の配置が望ましいか、ご意見を伺うことになると思います。2回目は、ある程度こちらで今後の在り方や基本方針を定めていくことになりますので、そのことについてのご意見を伺いたいと考えています。具体にどういった項目でといったことについては、本日のご意見を踏まえ検討したいと思います。」
○吉田教育長「例えば奈良市代表の、ある中学校の校長が出てくると。その時に高等学校の在り方ということに対して、代表の校長の個人の意見を伺うのか、奈良市としての意見を伺うのか。事前に郡市の校長会とか開催されるので、何か全員に対して意見をきけるようにして、代表にそれをまとめてもってきていただくということで進めれば良い。どのような意見を伺いたいかをまとめておく必要があると思います。」
○前田教育振興大綱推進課長「11月の実施まで1か月の準備期間がありますので、個人の意見ではなく地域ごとの意見を集約したいと考えています。」
○吉田教育長「県立高等学校の学科についてはどう思っているかを、地域の校長先生にアンケートをとって集約してもらうようなことになるのでしょうか。」
○前田教育振興大綱推進課長「アンケートというところまでは考えていませんが、必要ということであれば改めて検討します。」
○花山院委員「丁寧にという発言もあったが、(地域別協議会を)勝手にやってると思われるのは良くないと思います。ある程度の人が意見を聞かれたり、そのことが知られていて誰に意見を言えばよいかということがわかるような環境は重要。具体的にどのようにやるのが良いかはわかりませんが、賛否両論がすごく多いと思うので、意見を多く聞く機会が必要だと思います。」
○森本委員「(多くの意見は聞かなければならないが、)10年を一つの区切りとして、生徒数の減に対して、また、社会の変化に対しての対応策を教育委員会として作らないといけない。(意見を聞く前に)予めある程度方向性を教育委員会の中で作らないといけないと思う。」
○花山院委員「地域によって、人口や学校数の多少がある。多い地域のほうが人口比率も多いが、(学校数が少ない地域の意見を)どうフォローするかということも考える必要がある。」
○高本委員「私もそう思います。一つの中学校の校長先生の意見を聞いたら、全てを網羅できる地域もあります。(一方で、)奈良市のように、たくさん中学校がある場合には、校長会である程度詰めて、市としてお答えいただいた方が良いと思います。アンケート実施などの方法は、校長会に任せてはいかがでしょうか。」
○吉田教育長「中学校の校長が高等学校教育に何を求めているのか、それがある意味新しい高等学校づくりのベースになるのかなと思ったりします。それを代表の人に聞くことができるのかと思う。代表の方に聞くこと以外に、全中学校長に新しい高校づくりに何を求めるのかということも、伺う必要があると思いました。大変であっても、丁寧にする必要があるのなら、多くの方の意見を聞かないといけないのではないかと思う。中学校長全員に聞くべきことと、代表者に聞くことについて整理してください。」
○前田教育振興大綱推進課長「わかりました。」
○吉田教育長「地域別協議会は、中学校の校長と保護者関係者で、高校を受けようとするサイドから議論をきかせていただくもので、教育委員会がヒアリングを行うのは高等学校関係者。ヒアリングの目的は何ですか。」
○前田教育振興大綱推進課長「主には実学に関わる学科の代表の校長から、全国と比べて奈良県の現状等がどうか、今後そのような教育がどのように求められるのかといった、高等学校教育の内容についての現状と課題、今後の在り方をヒアリングをさせていただけたらと考えています。それに加えて、その学科だけでなく全体を見ていただいている会長先生、PTA代表の方に保護者の立場から見た高校教育の在り方についてご意見をいただけたらと考えています。」
○吉田教育長「再編時に学科の配置を行ったことも含めて、高等学校の教育の内容を今後どうしていくのか、何が必要なのか。これまでの内部での検討も踏まえて、いよいよ教育委員会でのオープンにした議論をし、外の声をいろいろ聞いて取りまとめをしていこうとしているが、これまでの内部での検討で、教育内容や学科の在り方について、具体的にどのようなことが課題として挙がっているのでしょうか。」
○前田教育振興大綱推進課長「今までに実学教育に関わる検討会議を開催し、校長先生に集まっていただいて取組についての情報交換を行ったり、定時制・通信制教育に関わる学校の先生方に集まっていただく検討会等も進めてきました。この3月には全日制、定時制、通信制含めて県立高校の在り方の論点整理をしておりますが、具体に、どういった教育内容をより充実させていくのかについては、この場でもう少し議論を深めていただきたいと思います。」
○吉田教育長「資料によると、全国に比べて総合学科の設置が少ない。総合学科の在り方も含めて、設置も含めて検討していくことになるのでしょうか。総合学科とはどのような学科でしょうか。」
○前田教育振興大綱推進課長「学科構成の全国比較をご覧ください。教育内容の検討ということは学科の構成にも関係するため添付したものです。総合学科は右端で、奈良県では1校で比率は1.5%と、かなり低い状況です。一方、音楽、美術、デザイン、スポーツサイエンス、歴史文化、総合英語や国際系の学科などのその他の学科は、奈良県では全国的に高い9.9%となっています。
 これらの専門学科では、専門の教科・科目を3年間で25単位以上を学ばないといけないにのに対し、総合学科になると、専門的なものだけでなく、もう少し広い意味で履修できる科目を25単位学ぶということになります。学科の設置について、総合学科がいいのか、農業、工業、家庭、情報、福祉といったような専門学科を増やすことが良いのか、そのようなことも議論していただきたいと考えています。」
○吉田教育長「例えば福祉科を設置するためには、厚生労働省の設置基準を満たし許可を得るには、文部科学省が示す学習内容以上に厚生労働省の資格取得のための学習時間が要る。今、榛生昇陽高等学校に1クラスありますが、拡大が難しい状況にある。施設設備の拡充・維持するためのハードルが高く、また、子どもたちのニーズがあまりないのかもしれません。総合学科に福祉系列を設置して、専門学科ではないので25単位以上としなくても良いが、ある一定の実習を組み込んだりするように、専門学科と色を分けた総合学科の設置が全国的に進んでいる。奈良県としてこれに取り組む方向性も一つの考え方かもわかりません。」
○花山院委員「普通に世間の人から考えたら、昔だと良い学校に入って、大企業に就職して、会社が社員教育をしていました。現在は企業は即戦力を求めているし、昔と違って情報関係の会社が多く存在する等、経済的な地図が変わってきていることもあります。『商業高校から大学へ進学するのも良いし、普通科からも進学するのも良い』という先ほど教育長の話と同じで、情報を習っているからといって、必ずしもその系統の大学に進学するのではなくて、基礎教育として情報のことを学ぶことで、奈良県の子どもたちの力がつくのではないかと思います。社会に出たら、今以上に情報使い勝手が手足のよう使いこなす必要があるという割には(情報に関する学科が)少ないと、世間の人は感じるのではないでしょうか。実際にカリキュラムを組むとなれば難しいとは思いますが。」
○吉田教育長「情報系の学習は、もちろん普通科でもしていますが、情報科のほか、商業科の中に情報を学ぶ教育課程を入れている学校もあります。この情報科と商業科を独立して存在させるのが良いのかどうか、これも一つの課題だと私は認識しています。そのようなことも含めて、総合学科と、それぞれの専門学科の在り方をもう一度見直していくということになるでしょう。」
○吉田教育長「ヒアリング対象者については、高等学校関係者から教育内容についてヒアリングを行うということでよろしいでしょうか。」
○佐藤委員「ヒアリングは1回ですか。」
○前田教育振興大綱推進課長「今月末と11月の2回でお願いします。」
○森本委員「ヒアリングでは、現場の現状の思い、考え方、方向性について聞かせていただくということですね。」
○前田教育振興大綱推進課長「今後の課題も聞かせていただきたいと考えています。」
○佐藤委員「これまで校長先生から聞いてこられたのでしょうか。」
○前田教育振興大綱推進課長「ヒアリングという形では、実施できておりません。実学教育を進めていくためにはどうされているのか、焦点を絞って、それぞれの校長先生から聞かせていただいています。今回は例えば農業教育や工業教育等、教育内容に絞って行いたいと考えています。」
○吉田教育長「ヒアリングの実施については、要旨を固める必要があると思います。聞く内容は決まっていますか。商業科の学校長には商業科の設置、収容定員の在り方、それとも商業科の学習内容まで踏み込むのでしょうか。」
○前田教育振興大綱推進課長「今のところは案の段階ですが、本県における学科の設置状況を踏まえ、募集の状況、生徒の進路の状況、全国と比較した奈良県の特徴、課題としては学科の配置、募集人員の課題、カリキュラム実施上の課題、環境、今後望ましい学科や人員の配置をすべきか、また展開したいカリキュラム・コースの設置はどうなるべきか等について考えています。大きくは現状と課題、今後の在り方になります。それぞれの研究会の会長や代表の方に考えていますので、それぞれの学校のことではなくて、県の教育全体を見ての内容を聞かせていただきたいと思っています。」
○吉田教育長「それでは協議会の設置とヒアリングの実施については、可決します。」
○吉田教育長「補足事項はありますか。」
○前田教育振興大綱推進課長「既に議論の中でご覧いただきましたが、資料2枚について再度説明させていただきます。『中学校卒業者数等の推移』でございます。こちらについては、学校数の変化、中学校卒業者数、高校の収容人員、高校生の進学の状況、就職の状況等、様々な要素を盛り込んでいます。これについては、冒頭にもありましたように、平成元年の中学校卒業者数が23,876人でピークでしたが、平成29年3月はピーク時の56.3%、平成42年はピーク時の42.7%と人員が減っていくと予測されている状況です。規模が半分に縮小される中で、高校教育をどのようにデザインしていくか、またここに現れないような社会の変化もありますので、この資料も今後の参考にしていただけたらと思います。最後に学科の比率についても、高校の教育内容を今後どうするかという議論をしていただくのに、参考にしていただける資料になるかと思います。ありがとうございました。」
○吉田教育長「全国のニート・フリーター率はわかりますか。」
○前田教育振興大綱推進課長「準備しておきます。」
○吉田教育長「全体的なご意見、ご質問はございますか。」

○吉田教育長「ご意見、ご質問がないようですので、第1回臨時会をこれで終了します。」