奈良の町家×アート!みんなでつくる芸術祭

あなたは、「奈良・町家の芸術祭 はならぁと」というアートプロジェクトをご存知でしょうか?
2016年も、10月に奈良県内の高取町、橿原市、吉野町などのエリアで開催することが決まりました。

この「はならぁと」を開催することにより、地元まちづくり団体とアーティストと行政がつながります。
人々がつながり活動することによって、奈良県内の空き町家の利活用がすすんだり、まちづくりの活動が活発化するなどの効果が生まれています。

今回のせんとくんマガジンは、このプロジェクトをおこなっている「奈良・町家の芸術祭 HANARART 実行委員会」事務局の飯村有加さんにインタビューをおこないながら、改めて「はならぁと」の取り組みをおこなっている人々を紹介したいと思います。


 

2011年にはじまり、これまで15地域で開催、延べ約30万人の方に会場にお越しいただきました

「奈良・町家の芸術祭 HANARART 実行委員会」の飯村有加さん

「奈良・町家の芸術祭 HANARART 実行委員会」事務局の飯村有加さん


はならぁとについて、改めて教えていただきたいんですが
飯村:『奈良・町家の芸術祭 はならぁと』は、アートによる地域価値の発掘作業を通して、奈良県の豊かな文化や暮らしを過去から未来に繋ぐ、今ここから発信するアートプロジェクトです。

2011年にはじまり、これまで15地域で開催、延べ約30万人の方に会場にお越しいただきました。

また、これまで会場として利用された空き町家が「はならぁと」をきっかけにおよそ30件、カフェやコミュニティスペースとして活用されました。



空き町家利活用数






ビフォー・アフター事例 宇陀松山エリアの「旧石井家住宅」

ビフォー 外観

 

ビフォー 内観

アフター

「はならぁと」の会期後にカフェに [カフェ equbo*]の外観


アフター

[カフェ equbo*]の内観



飯村:今年の「はならぁと」は、キュレーター(展覧会全体を企画するプロデューサー)が統括する「はならぁと こあ」を高取土佐町並みエリアで、公募作家10組による展覧会「はならぁと ぷらす」を今井町で、年間を通じたまちづくり型アートプロジェクトを八木札の辻エリアと吉野町国栖エリアで開催します。








歴史的な町に誇りを持ち、住民が主体となって地域力を向上させることにより、多くの人が集う魅力的な町へつなげていきたい


2011年 初開催した「ならまちエリア」の会場


「はならぁと」はなぜ始まったんでしょうか? きっかけや目標を教えていただけますか?
飯村:奈良県には魅力がある歴史的な町家・町並みが多く存在しています。しかし、空き家の増加と老朽化の進行により、良好な景観が失われ地区の活性化・安全性が阻害されるという問題に直面しています。

また少子高齢化や人口減少が進むと同時に、住民の問題意識・当事者意識が希薄となりコミュニティが崩壊しつつあります。この歴史的な町に誇りを持ち、住民が主体となって地域力を向上させることにより、多くの人が集う魅力的な町へつなげていきたいとの想いから、2011年初めて「奈良・町家の芸術祭HANARART」を開催しました。

先人達の知恵が残る「歴史的な町並み・町家」に斬新な発想の「現代アート」を組み合わせることで、町が今までと違う表情や機能を持ち、その可能性が広がると考えています。 





「自分と違う考え方もあるんだ」と理解しあっていくことができれば一人一人自分らしくいられたり、楽しくなっていくと思うんです


2011年 初開催した「ならまちエリア」の会場



なぜ「現代アート」を組み合わせようと思われたんですか?
飯村:アートは自由かつ答えがない分野だと私は思っています。なので、なぜ現代アートなのかという理由については、個人ごとに違いがあると思います。私が個人的に思う理由としては、普段生活をしていると物の見方や考え方で「こうじゃなきゃダメ」「こうするべき」というふうになりがちです。そうなると地域、日本が息苦しくなっていきますよね。

「現代アート」は「絶対的にこう!」という答えがなくて、作品をどう見ても良いし、どう感じても良いんです。もちろん、それが苦手な人もいると思うんですが、「自分と違う考え方もあるんだ」と理解しあっていくことができれば一人一人自分らしくいられたり、楽しくなっていくと思うんですね。あと、若い人が活躍できる場所になればということで、町家と「現代アート」を組み合わせたイベントをおこなうことにしたんです。






これまでの手ごたえといいますか、地域の人々の感想や変化などを教えてください
飯村:「はならぁと」の会場として使用した空き町家がお店になり、そのお店のオーナーさんが中心となって新たなイベントを地元主体で企画したり、「はならぁと」を開催しなくても町のファンを惹きつける魅力的なイベントを開催できるクリエイティブな地域が増えてきたように思います。

まちづくりの若い担い手が増えてきており、その中には「はならぁと」でのボランティア活動をきっかけに、まちづくり団体に参入したり、移住したスタッフもいます。




2011年「八木札の辻エリア」のボランティア


 
飯村:5年間継続して活動していることで、アーティストと地域に良好な関係性が生まれ、地域内に事務所を構えたアーティストや、「はならぁと」の枠を超えて、地域とプロジェクトを始めるアーティストも増えてきました。

「今年は『はならぁと』しないの?という声を地元からいただく地域も少しずつ増えています。
これからも、奈良の土壌をアートによって耕し、アーティストや何か楽しいことを始めたい人を受け入れることのできる地域をどんどんと増やしていきたいと思っています。






「はならぁと」を通じて、町に住むみなさんが自主的に、前向きに楽しく活動されていって、「自分たちのまちの魅力」に誇りをもって発信していけるようになれば良いと感じます。

今までに苦労された点などあれば。運営で困っている点はありますか?
飯村:アーティストが作品の制作中に「こうしたい!」と望むことと、地域の制約が噛み合わないときは調整が必要になります。

特に展示の作業をおこなう際は、お互いの考えを理解し合うきっかけになります。すりあわせが大変な時もありますが、そういった異なる考えを持った人同士のコミュニケーションが、作品にパワーを与える場合もあると思っています。


「はならぁと」は色々なきっかけをもたらす可能性のあるイベントです。
ただし、その分先ほどのようなコミュニケーションが大変なことも多いですし、地域にとっては諸刃の剣なのかもしれません。
「はならぁと」を通じて、町に住むみなさんが自主的に、前向きに楽しく活動されていって、「自分たちのまちの魅力」に誇りをもって発信していけるようになれば良いと感じます。
そして、アーティストがまちや人に関わり、新しい表現を実験できる土壌が育っていけば、より一層豊かな生活を送ることができるようになるかと思います。





スタッフ数や、資金面等の課題はどうでしょうか?
飯村:イベント開催当日のボランティアが不足しています。

あと、ありがたいことに協賛企業は増えていますが、資金面はまだまだ課題です。


協賛企業数グラフ



飯村:また、展覧会会期中、作品の見守りやお客さんの誘導、グッズ販売などをしていただくボランティア「当日サポーター」を募集中です。
興味がある方は、下のリンク先の記事をご覧ください。



「当日サポーター」募集ページ
http://hanarart.jp/2016/day_supporter






地域の方々が主役となって「来場者に楽しんでもらうにはどうしたらいいか」を多様な意見を出し合って考えている


右:県庁担当課「地域デザイン推進課」の片木主事


活動されていて行政に求めることは?

飯村:地域を元気にするため、「はならぁと」のPRを一緒に取り組んでいただければありがたいです。「地域が何かやっている」という印象ではなくて、県庁や市町村役場と一緒になって取り組んでいることで信頼度が増します。それで応援してくれる人や企業が増えるかもしれないですから。


片木:行政だけでイベントを行うのではなく、地域の方々が主役となって「来場者に楽しんでもらうにはどうしたらいいか」を多様な意見を出し合って考えてもらえるととてもにぎやかでおもしろい内容になります。展示だけでみるのではなく、その準備やプロセスに人々の努力があります。その温かさも一緒に感じてもらいたいです。








今年の展覧会タイトルは「人の集い」

2016年の目玉といいますか、どのように開催される予定ですか?

飯村:「はならぁと こあ」初開催となる高取土佐町並みエリアでは、地元まちづくり団体が主催する「第八回 町家のかかし巡り」と同時開催となります。



高取土佐の町並み


飯村:展覧会タイトルは「人の集い」です。

担当キュレーターに遠藤水城氏(HAPS代表/インディペンデント・キュレーター)、出展作家に雨宮 庸介、石垣 克子、島崎 ろでぃー、捩子 ぴじん、本山 ゆかりを迎え、地元のみなさんが作り上げたかかし達と、現代芸術のコラボレーションによる新しい芸術体験に挑戦します。






アーティスト:雨宮庸介
photo: Tamara Kuselman




アーティスト:石垣克子



アーティスト:本山ゆかり
撮影:飯山征明



アーティスト:島崎ろでぃー



アーティスト:捻子ぴじん
photo:bozzo






イベント開催が楽しみですね! 長時間取材にご対応いただきありがとうございました。最後にこの記事をご覧になっている方にメッセージをどうぞ!


今年の「はならぁと こあ」は10月1日から10月31日と1ヶ月間の開催です!
是非、秋の高取土佐と共にアートとかかしのコラボレーションをお楽しみください!

10月22日から10月31日は今井町エリアが開催となりますので、高取土佐と合わせて楽しみたい方は、後半にお越しいただくことをオススメいたします。





「はならぁと2016」開催概要

はならぁと こあ(高取土佐町並みエリア) 

会期

2016年10月1日(土曜日)から10月31日(月曜日)
会期中は無休


開場時間

10時から16時







キュレーター 遠藤水城(みずき)氏



2004年、九州大学比較社会文化研究学府博士後期課程満期退学。
art space tetra(2004/ 福岡 )、Future Prospects Art Space(2005/ マニラ )、 遊戯室 (2007/ 水戸 )などのアートスペースの設立に携わる。2004-05年、日本財団APIフェローとしてフィリピンおよびインドネシアに滞在。05年、若手キュレーターに贈られる国際賞「Lorenzo Bonaldi Art Prize」を受賞。「Singapore Biennale 2006」ネットワーキング・キュレーター。2007年、Asian Cultural Councilフェローとして米国に滞在。同年より2010年までARCUS Projectディレクターを務める。

2009年、「福岡アジア美術トリエンナーレ」協力キュレーター。「ヨコハマ国際映像祭2009」キュレーター。2011年、「曽根裕展:Perfect Moment」(東京オペラシティアートギャラリー)ゲストキュレーター。現在、「東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス」エグゼクティブ・ディレクター。





はならぁと ぷらす(今井町エリア)

会期

2016年10月22日(土曜日)から10月31日(月曜日)
会期中は無休

開場時間

10時から16時






 

はならぁと あらうんど(八木札の辻エリア、吉野町国栖エリア)

会期はエリアによって異なります(詳細は公式webを御覧ください)

八木札の辻エリア
11月1日(火曜日)から6日(日曜日)







吉野町国栖エリア
10月9日(日曜日)










奈良・町家の芸術祭 HANARART 実行委員会

歴史的な町に誇りを持ち、住民が主体となって地域力を向上させることにより、多くの人が集う魅力的な町につなげていきたいとの思いから、2011年設立。
現在の会員数は17名。
月に1度の実行委員会会議で「はならぁと」全体の企画について話し合いながら、地域を元気にするために活動している。


ホームページアドレス
http://hanarart.jp/2016/




(記事投稿者)
奈良県庁広報広聴課
放送制作係 辻本
電話番号 0742-27-8056

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