せんとくんマガジン:vol.28

奈良をつくった偉人 叡尊(えいそん)

 

あなたが普段飲んでいる「お茶」

この「お茶」を飲む文化がどんなふうに広まったんだろう??と思いませんか??

今回の記事は、奈良だけでなく日本中でみんなから愛されている「お茶」にゆかりのある人物、叡尊(えいそん)に迫ります。





叡尊がどういった人物だったのか西大寺の主事 中野さんに伺ってきました。

西大寺の主事 中野さん

叡尊さんについて教えていただけますか?
中野:鎌倉時代の人で、実はこの西大寺を鎌倉時代に復興した人なんです。





西大寺は、平城京に都があった奈良時代、「東の東大寺」に対して「西の西大寺」と称されたほどの大寺院で、当時は百を越える堂舎(どうしゃ)が軒(のき)を連ね、南都七大寺(なんとしちだいじ)に数えられていたと伝わっています。

西大寺


伽藍配置

しかし、平安時代には、火災や台風などで多くのお堂や塔が失われるなど衰退。

現在も残る西大寺は、鎌倉時代に叡尊が生涯をかけて復興したものです。





叡尊坐像
叡尊坐像(えいそんざぞう)
優しさの中にも厳しさがある、そんな目力があります。



叡尊坐像



叡尊さんはどうして僧侶になったんでしょうか?
中野:この叡尊さんについて書かれている書物『感身学正記(かんしんがくしょうき)』というものがあるんですが、それを見ますと、叡尊さんが出家したのは母を幼い時に亡くしたことが大きな理由です。




どんな人物だったんでしょうか?
中野:西大寺だけではなくて、この近くでいうと般若寺(はんにゃじ)、不退寺(ふたいじ)、海龍王寺(かいりゅうおうじ)を含めてお寺の復興をおこなったんです。

般若寺

不退寺

海龍王寺

中野:建てたお寺、修理したお寺は、何100カ寺。おそろしいほどの数にのぼりました。

また、今でいう福祉事業に一生涯つくした人です。





なぜ救済活動をされたんでしょうか??
 中野:母親を亡くしているという大きなきっかけもあったんですけども、あともう1つには文殊信仰(もんじゅしんこう)にあると思うんです。


文殊菩薩像

文殊というのは、姿を変えてその信仰者の前に現れます。

その姿は「貧窮(ひんきゅう)」、「孤独」、「苦悩」です。
こういう人となって現れるので、そういう人を見たならば文殊の化身と思い供養しなさいと書いてあります。

叡尊さんは、そういう人たちにことごとく救済の手を差し伸べました。


布施屋(ふせや)という、今で言うと療養所のようなものを多く建てて、怪我人や病人をそこに連れて行って薬を与えたり、風呂に入れたりしました。



今でも、般若寺の近くに「北山十八間戸(きたやまじゅうまちけんこ)」という建物が残っていますが、鎌倉時代に叡尊やその弟子の忍性(にんしょう)などがそういう建物をたくさん建てて、生活困窮者の救済に努力されました。

北山十八間戸
北山十八間戸(きたやまじゅうまちけんこ)


中野:今ならデイサービスというものがありますけども、その発祥のようなものです。





それってすごく大変なことですよね。
中野:すごく大変です。

実は叡尊は晩年に「私が生まれ変わることができるなら、極楽浄土(ごくらくじょうど)というところに生まれたくはありません。五濁悪世(ごじょくあくせ)に生まれたい。」と言っています。

叡尊の晩年の願い


中野:この五濁悪世(ごじょくあくせ)というのは、最低最悪の悪い世界だと思ってもらったらいいです。

そして、「そこで苦しむ人たちを一人でも多く救いたい」というのが彼の願いなんです。



叡尊の晩年の願い







叡尊と大茶盛の関係について

西大寺で有名な「大茶盛」が叡尊さんに由来すると聞いたんですが?

中野:叡尊がこの寺でお正月の修正会をとりおこなって、無事に終わったあと西大寺内の鎮守八幡宮(ちんじゅはちまんぐう)というお寺にお礼参りにいったんですね。

そこで供えたのが当時の超貴重品、「お茶」だったんです
そして、そのお茶を参拝された人々に振舞ったことが、「大茶盛」の始まりとされています。
800年近く伝承されています。



大茶盛絵図(おおちゃもりえず)
大茶盛絵図(おおちゃもりえず)







実際に大茶盛の行事で使う大きな茶碗を見せてもらいました。

実際に大茶盛の行事で使う大きな茶碗


なんでこんなに大きいんですか?

中野:大茶盛は、隣に知らない人が座っていても仲良くないと飲めないお茶なんです。



中野:一味和合(いちみわごう)という叡尊の基本的な戒律(かいりつ)の精神があるということです。






叡尊さんとお茶には何か関係があるんですか?
中野:叡尊の時代になってくると、「茶畑」ができてくるんですね。

お茶を栽培するということを奨励したんです。





 

今の日本人がお茶を楽しめているのも、叡尊さんのおかげなんですね。
中野:奈良は長く茶を愛用してきた場所でもあるんですね。

抹茶や茶の湯というのができて、だんだん日本の文化として定着していくわけなんですね。

奈良1300年の歴史の中、奈良の茶文化や寺の再建など、今の景色をつくったのが叡尊だと思います。












叡尊ゆかりの古いお寺なども紹介されていましたが、「ぼさつの寺めぐり」というのを西大寺や叡尊ゆかりの寺などで行われています。



こうした場所を巡礼し最近はやっている御朱印(ごしゅいん)集めをするのもいいかもしれません。

また、各お寺で500円を納めれば、各寺オリジナルの仏像のイラスト入り御朱印紙がもらえるそうです。

あなたも叡尊ゆかりのお寺や、秋の奈良を楽しんでみませんか?






(記事投稿者)
奈良県庁広報広聴課
放送制作係 辻本
電話番号 0742-27-8056

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