平成30年2月20日(火)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。
 それでは、ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、ムジークフェストの概要に関する1件の発表案件がございます。
 知事から発表していただきますので、よろしくお願いいたします。


ムジークフェストなら2018について
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 今日の発表案件は、ムジークフェストなら2018でございます。昨日、実行委員会をいたしまして、その様子もご紹介申し上げたいと思います。

 お手元の資料ですが、日程が5月7日から6月3日ということで実行委員会で決めていただきました。この時期、期間ですけれども、6月の梅雨時で開催しておりましたのが5月に前倒しするということと、28日間に延長したということが大きな違いです。

 内容につきましては、一つの特色は、ラ・フォル・ジュルネで監督をされていますルネ・マルタンさんの有料公演を、このムジークフェストの中に持ってくるというのが大きな特徴です。期間が長くなったことを背景に、中南部東部Weekを設定しました。それから、ムジークプラッツは継続いたします。沖縄・ブラスバンド・ファミリーコンサートですが、ファミリーコンサートを最終のフィナーレに持ってくるということです。それから、評判の良かったアウトリーチを増やすということです。

 多少追加いたしますと、馬見丘陵公園でもムジーク・プラッツを新規にいたしますということと、ルネ・マルタンさんが来る中で、キッズコンサートを5月13日、中ほどのルネ・マルタンさんの最終日になりますが、開催しますということです。それから、ツアーバスの運行ですが、実行委員会では社寺の開催が増えていますので、バスの便をどうするかということを工夫するようにという意見が出ました。特徴的なことは、オープニングは例年どおり東大寺の奉納コンサート、それから有料コンサート、ルネ・マルタンさんは、奈良の世界遺産社寺が多い中では割と相性がいいのかなと思いますが、独特の考えでの有料コンサートが入ります。それから、吉野スギのバイオリンをつくって東京藝大に貸与申し出いたしましたが、そのお返しで学長みずからが公演されるといったようなことです。それから、無料コンサートは例年どおり100コンサート程度予定しております。

 次のページですが、この事業計画の広報についてです。3月、資料に書いてあるような広報をいたしますのと、右のような公式ガイドブックを出しますが、できるだけ早く出すように意見がありました。それから、右下で、ジャポニスム2018、パリを中心にありますけれども、ルネ・マルタンさんが来ることを踏まえて、ムジークフェストをドイツの名前ですけれども広報することも検討しようということです。それから、オクトーバーフェストも例年どおり来ていただきます。

 その次のページが、28日に増えました、そのコンサートの事業の日程です。連携コンサートの中で右下、26、27のところでありますけれども、「ならピ♪」というMBSが森精機さんと共同してやっていただくのが、この中の連携プロジェクトに入ってまいります。それから、NHKさんのベストオブクラシックもこの連携プロジェクトに入ってくるという内容になっております。

 それから、その次のページ、ルネ・マルタンさんのラ・フォル・ジュルネは奈良では初登場ですが、そのコンセプトが出てまいりました。「VIA AETERNA Nara(ヴィア・エテルナ奈良)」というようなコンセプトですが、「永遠の道」といったような意味だと思いますが、モンサンミッシェルという寺院があるところでルネ・マルタンさんが演出をされましたが、その教会の中でやる音楽のようなものを、社寺で展開しようという感じがいたします。教会音楽と社寺音楽といったコンセプトで、抱き合わせて、祈りや天などの概念であらわされているように思います。そういう意味で社寺がたくさんある奈良とルネ・マルタンさんは相性がいいのではないかなと感じております。内容は、このようにいろいろな社寺を使うということで、珍しい展開になっております。

 最終のページは、ルネ・マルタンさんの呼んでこられる演奏家を書いております。大変多彩な演奏家を連れてきていただくといったような印象です。

 私からの紹介は、以上です。

司会:
 ありがとうございました。
 それでは、発表案件に関するご質問をよろしくお願いいたします。

知事:
 今、スギバイオリンについて、東京藝大へ貸与したといいましたが、貸与の申し出はいたしましたが、まだ最終的には決まっておりません。そのほかの方法もあるんじゃないか。貸与については、澤さん、気持ちよく弾いてもらうよ、藝大の生徒に弾いてもらうよということを快く受けていただいたと聞いております。できるだけレベルの高い人にバイオリンは弾いてもらわないと音質が上がらないということなので、ぜひ弾いてくださいということを申し出たんですけれども、それについては快く受けていただいたと聞いております。その所有の形態・貸与の形態については、まだ最終的な調整をしていると今メモが入りました。失礼いたしました。以上です。

司会:
 では、ご質問をよろしくお願いいたします。

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質疑応答

ムジークフェストなら2018について

共同通信:
 ルネ・マルタンさんによる有料の14公演について、大体料金は幾らぐらいから幾らぐらいを想定されていますか。

担当課:
 検討中ですが、3,500円前後を予定しております。

NHK:
 知事は、このルネ・マルタンさんの何か公演を聞かれたことはあるんですか。どんなご印象でしょうか。

知事:
 いえ、ルネ・マルタンさんの公演は全然聞いたことはありません。「ラ・フォル・ジュルネ」は当初(ムジークフェスト実施以前)、奈良に持ってこようかと思ったんです。

 それは金沢市へ個人の旅行で連休に行ったときに、駅前ですごく盛大に「ラ・フォル・ジュルネ」をやっていました。「ラ・フォル・ジュルネ」は東京や新潟でやったり、金沢でやっているということです。

 金沢では文字どおり「ラ・フォル・ジュルネ」を駅前の県の音楽堂で朝から晩まで、例えば1時間やって30分休んで1時間やるというのを一日、同じホールで5、6公演を行っていました。それが「ラ・フォル・ジュルネ」の特徴だと思いました。そのときは1時間ごとの公演で500円ぐらいの料金でした。好きなのを順番に聞いていくといった音楽漬けという意味で、同じホールで、駅前の便利なところでありましたが、そのような「ラ・フォル・ジュルネ」、音楽・文化イベントを奈良で展開しようということは考えておりました。

 その直後にドイツの大統領のヴルフさんという人が関西へ来られて、シュタンツェルというドイツの大使と仲が良かったから、あなたちょっと話しに来なさいということで、日本人5人ぐらいで会談をしました。社会保障とか国のあり方、立派なことを言っておられたので、その場でドイツの名前にしようと決めて、「ラ・フォル・ジュルネ」はいろいろ出てきているので、三番煎じ、四番煎じになるということもありました。

 日本人にとってはフランスの音楽よりドイツ音楽のほうが量的にも多いしというので、ドイツの名前にしようとなりました。それでいろいろ考えて「ムジークフェスト」にしたという経緯があります。「ラ・フォル・ジュルネ」は一応遠ざけたというか、やめたら、また戻ってきたというような印象があります。

NHK:
 この方に強い思い入れを持って、知事肝いりみたいな位置ではありませんか。

知事:
 「ラ・フォル・ジュルネ」はご存じのようにナントで、フランスの首相もした市長さんが、ナントを活性化するのに音楽の、それこそ「ラ・フォル・ジュルネ」をしたという経緯で、それを日本人に向けて日本で導入されてきたわけです。

 近畿では滋賀県が導入し、滋賀がやっていればまあいいやという感じもありました。しかし、滋賀がやめてしまい、どこかないかと探されている中で、この「ムジークフェスト」が当たりました。

 時期を前倒ししたというのも、ルネ・マルタンさんが東京でもされて、引き続き関西でもするといったら連休明けになってしまうので、じゃあそれを入れてしようかという理由からです。

 ぶっちゃけた経緯を言うと、時期の移動も、このルネ・マルタンさんを包摂しようというようなこともあります。それと6月の音楽祭、雨季の観光振興にはいいと旅館・ホテルは言っておられますが、いつも雨を心配しています。幸い今まではセーフでしたが、少し雨の心配が低くなる連休明け、連休は観光客が多いですが、連休明けは多少落ちますので、そのような配慮でこの期間をずらしました。

 そういたしますと、前半はフランスと、後半はオクトーバーのドイツとなり、全体はドイツの音楽祭となるような感じがいたします。だからドイツとフランスの両方の国旗をどこか飾ろうかという話も出ています。

奈良テレビ:
 期間前倒しについて追加でお伺いします。もともとのムジークフェストの開催の狙いは、梅雨の時期の観光対策だったと思います。こうなってくると梅雨の時期、また新たな対策をするご予定があるのかということと、時期を前倒しした理由、ルネ・マルタンさん以外の理由があれば教えていただけますか。

知事:
 ルネ・マルタンさんが連休明けに登場できるということが1つの理由であります。それと繰り返しになりますが、6月はやはり雨の心配があり、野外のコンサート中心でしたので、しんどいかなというのも理由です。

 金沢みたいに屋内の音楽堂がすごく充実していて、幾つかのところで、もうずっとその音楽堂で朝から晩までもう数日続くという「ラ・フォル・ジュルネ」のウィークじゃなしに、ジュルネだからそういう意味ですけど、奈良はできるだけ長くしようということだから、野外も当然入ってきます。

 すると、野外の中で、例えば薬師寺の食堂(じきどう)の前でいたしますと、雨が降りました。日野皓正さんが一昨年に唐招提寺に来たときもちょっと心配だったということで、夜間の社寺の境内というのは多少春に近いほうがまだ温度もいいのかなという、コンディションのことを考えてというのが全体の判断であります。

 6月はちょっと寂しくなるのではということについては、野外の音楽というテーマでぶつけましたが、6月行事については、花や、そういうなのも梅雨というふうなのと相性も考えないといけません。花とかほかのこともイベント的には考えたいなと思いますが、まだノーアイデアであります。

 6月に発生いたしましたムジークフェストは今後は、今日もご紹介申し上げましたように、大分発展的な形で前倒しというふうに思っております。

 この中で、オクトーバーフェストなど、その都度テントなどを立てていますが、本場ドイツのオクトーバーフェストでは5,000人以上入るホールを木造で組み立てて、それを壊してまた次年度組み立てるというような技術があるんだそうです。

 日本ではそのようなのはありませんし、5,000人のホールというふうなことほどの大きなものは考えておりません。しかし、社寺の境内でのホール、200人、300人入る木造の組み立てホールということも念頭に置いて、その設計の委託調査費の予算を来年つけております。そのようなのも、このムジークフェストの会場設営との関係がございます。

日経新聞:
 ルネ・マルタンの「ラ・フォル・ジュルネ」は、東京では大成功しているのですが、滋賀の例を言われたように、新潟でもたしか去年、来年から中止すると発表されていたと思います。地方ではちょっとうまくいってない例があるので、あの方のプロデュースがクラシック偏重になりがちではないかという心配があるんですが、これはいかがですか。

知事:
 そうですね、東京はやっぱりクラシック好きの人が多いですから、鈴木幸一さんがやっている春祭がこの3月から4月に東京であります。

「ラ・フォル・ジュルネ」のようなものも、先ほどの集中音楽祭だと、東京は人口が多いですから、新潟でもされましたけど、やはり来てもらうときの費用とそのお客さんの収入との関係があろうかと思います。

 奈良は地方での成功になるかどうかというので、新潟、金沢だと、社寺を使うというのはなく、ホールをずっと貸し切っておりました。奈良の社寺に展開するというのは、新潟も社寺はあまりなかったため、ルネ・マルタンさんでも日本で新しいことかなという感じがいたします。

 ところが、ナントでもモンサンミッシェルでも、むしろ教会をフルに使って、そこで登場されるというようなことがあります。今回、ミクロコスモスという合唱団がいたり、エマニュエル・バルドン、カンティクム・ノーヴムというような人は、ビデオで実行委員会で紹介されましたが、随分カテドラルですね、大きな屋根の高い教会を、このような人たちがわあっと入ってきてね、その中で歌うというようなのがモンサンミッシェルでありました。

 薬師寺の演奏などがどういうふうになるでしょうね。多分、そういう教会音楽の延長のような感じがしますし、それから持ってこられるのはシルクロードの中央アジアの音楽のような、奈良というのを特徴づけるような音楽であります。そのコンセプトは奈良と相性がいいのかなと、この演出の仕方を見て多少思います。

日経新聞:
 社寺を舞台にしたり、シルクロードを導入しているというところがほかと違うということですか。

知事:
 というのが、奈良は売りかなと思っています。本来の都市型ラ・フォル・ジュルネとちょっと違う、歴史型、宗教型ラ・フォル・ジュルネのようにされているのかなという感じがいたします。そういうなのが割と、東京とまたちょっと違う面があろうか思います。東京は何でも来いですから、こういうなのも成功すると思います。

朝日新聞:
 奈良での企画ですので、スギバイオリンが結構全面的に出てくるかと思ったら、1日だけですか。ほかには県民の人がせっかくの奈良のバイオリンを触れる機会はないんですか。

担当課:
 別途ですけれども、今度3月11日に県立ジュニアオーケストラの定期公演会というのがございます。そこでスギバイオリンを県立ジュニアの、日本で第3位になった優秀な子供がソロで演出するという機会を設けております。ですので、ぜひともジュニアオーケストラの定期公演会をごらんいただけたらと思います。

知事:
 定期演奏会でスギバイオリンが、梅沢さんが育てた、全国レベルでだんだん育ってきている人がスギバイオリンを弾くという演出が始まります。スギバイオリンは藝大の人になるべく弾きならしてもらって、音質を高めるというのをまず数年間したいというふうに思っています。

 飾っておくだけでなく本当に弾いてもらわないといけないというのが一つです。それを時々こうして機会があり、お披露目をするということになりました。ムジークフェストでも、そういうストーリーからいたしますとこのように澤さん、藝大が来ていただいて披露していただくのは大変意味のあることだと思っています。

 またほかの機会もスギバイオリンについてはあると思います。また吉野で弾くとかね、いろんな演出は出てくると思います。

 なお、スギバイオリンの2台目、吉野スギチェロ製作費を予算で計上しております。

読売新聞:
 せっかくの機会ですので、県民の方あるいはお客さんに向けてのメッセージをお願いします。

知事:
 ムジークフェストの最初の年、私が行きましたら、隣でおじいさん、おばあさんがいて、スケジュールをね、全部線引っ張っていらっしゃるんです。きょうはこれ行こう、あしたはこれ行こうとご夫妻でお出かけスケジュールをつくっておられました。とても楽しんでいただいて、これはいいなと思いました。

 それが社寺になりますと、車でなかなか行けないので、足の便が悪いのでバス便を用意しようとなりました。バス便を用意し始めましたが、さらに外からも来られる人がふえて、観光の旅行商品をつくることになりました。宿泊された人に、こういうのをやっているらしいなと、ちょっときょうは一日回れるかいと言われたときに、鑑賞ツアーバスのようなものが出ないかということになりました。

 それは宿泊所、ホテルから、霊山寺とか、一日こういうコースで回られると便利ですよ、ここで聞いて、次に聞いてというのを、3カ所、4カ所、夜も含めて4カ所回れますよというようなことは、これは市民の方にもバス代は出してもらわないけないかもしれないですが、無料公演も多いですので、そのような便も図ってというようなことで、これは実は文化活動、健康増進が大きな目的になっております。

 観光は外からイベントを見に来てもらおうというのが目的です。来た人をたまたまオクトーバーフェストに出くわしたと、これはもうけもんになったなと感じていただきたいです。

 ヨーロッパの観光地はみんなたまたま行ったところで、もうしょっちゅう音楽聞けるというようなことを演出されております。奈良もそのような芸術というか、文化活動がしょっちゅうあるというような、来たら楽しいなという観光にしたいと考えております。奈良に住んでおられる方は、できるだけ出かけようよと。出かけるには雨の心配ないほうがお出かけにはいいかということもありますので、これは大きなチャンスというように思います。

 いろんな、100公演もしますので、近くでもスケジュールでどこに行こうといってご夫妻で相談されるようなのは、大変いい傾向だというふうに思います。今回もその中でちょっとおもしろいのは、入場料を張り込んで1回か2回は行こうよと言っていただくのもいいかなと感じております。

読売新聞:
 140公演ありますから、そのお好きなやつを来てくださいということですか。

知事:
 そうですね、全部は絶対行けないからですね。その中でだんだん耳が肥えてくるのが通常ですので、だんだん耳が肥えて、楽しいなというふうに、県民の方に思っていただければと思います。

司会:
 そうしましたら、その他の質問も含めましてよろしくお願いいたします。

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税制改正について

時事通信:
 東京都が来年度の税制改正に向けて、都民の税金が国に奪われていると、いわゆる反論する、例えば来年度の法人税の見直しもありますけれども、反論するような都民向けのパンフレット、冊子をつくられました。奈良県も地方と都市部との税収格差の是正を言ってきていて無関係ではないと思うんですけれども、ご所見はいかがでしょうか。

知事:
 もちろん無関係ではありませんけども、東京都の馬力に対抗するような力は持ってませんので、東京都さん頑張ってくださいと、奪われるのは困るとおっしゃるのは気持ちはわかりますが、気持ちはわかるけども理屈はないような気がいたします。税金は理屈だなというふうには内心思っておりますけれども。奪われるというのは正確かどうかちょっとわからないような気もいたします。

時事通信:
 理屈がないとおっしゃったところを、もうちょっと詳しく教えてください。

知事:
 地方消費税は理屈が、清算基準で理屈が今までなかったのが理屈が出てきたと思いますが、法人事業税の理屈が、今の制度が緩いのでちょっと直さないといけないというのはちょっとよくわかりません。

 地方消費税は独自税だから、課税要件がはっきりしていないといけない。地方の消費というのを、どれで把握するのかということがはっきりしてなかったというのはひどいじゃないかというのが私の意見だったですけども、それが地方の消費をじかに捉える手法はないので、販売で捉えていたため、乖離が激し過ぎるというような意見だったのですが、それを人口で代替すると、消費の代替指標として、よりいいんじゃないかというのが地方消費税の配分の話。

 法人事業税の配分というのは、ちょっと違うような気がします。法人事業税なのか、地方法人特別税というか、地方法人譲与税なのかということになると、譲与税はむしろ国の、国税の譲与税だから、国税に入ってそれを譲与するような税制ですので、理屈は多少薄くても譲与の公正な理屈があればいいだけで、税収、課税の理屈というのとはちょっと違うような気がします。ちょっとあまり勉強しておりませんけれど、昔の法人譲与税という観点であれば、これは交付税ほどじゃありませんけれども、標準化されてませんけれども、再配分の譲与というのはもう少し弾力的な感じがいたします。

 それは国税にすれば、地方法人税と国税の法人税と、これで随分分かれてしまいます。地方の独自の法人税というのはどういう論拠で地方の法人税にしてるのかということが、まず明確になってない。

 国税の部分、国税に分けた上の国税の部分は譲与税にしようよというのが一つの理屈だと。地方法人特別税の清算基準というのは、法人事業税の清算基準というのはありませんので、多分地方消費税とちょっと違うのかなという感じはいたします。

 奈良県は、法人事業税の法人二税の人口当たり再配分は全国最下位ですので、最下位の立場からいたしますと、譲与税なり地方法人特別税ですか、どういう手段でも人口当たり最低の県としては配分されるのはうれしいことですということに尽きるように思います。地方消費税は多少理屈がないのにということでちょっと気張りましたけれども、今度はもう棚ぼた姿勢であります。

時事通信:
 棚ぼたとおっしゃりつつ、昨年は台風の目となったわけですけれども。

知事:
 いえいえ、去年も棚ぼただった。

時事通信:
 ちょうど本日午後から奈良県の税制調査会が開催されると思いますけれども、その辺でも話し合われるかなと思うんですけれども、この法人税の話も含めて、来年度の税制改正に何か奈良県として物申していくおつもりはあるんでしょうか。

知事:
 奈良県の税制調査会の議論、大変レベルの高い議論をしていただいていますので、そこで教えていただきたいと思います。県として何か頑張る要素が出てくれば、またちょっと刺激されるかもしれませんけれども。税制調査会は公開でしたか。

担当課:
 公開でやっております。

知事:
 公開であります。どうぞお越しください。お忙しいと思いますけれども。東京都の話も出るのかもしれませんね。

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民泊条例について

奈良新聞:
 民泊条例の件で、制定に向けて相当進んでいると聞いてますが、初年度、奈良県、奈良市を除く全市町村で一律の条例となります。今後、例えば京都府のように北部地域、南部地域、宇治のあたりと、3パターンでやるみたいですが、奈良においても何かそういった考えがあるのかと、条例制定に向けてコメントをいただけたらと思います。

知事:
 民泊条例について、ポイントとして思い浮かびますのは、インバウンドの需要が大変増えてきて、大都市中心、特に大阪、京都中心にホテル需要がすごく不足してきた。いっときの波かもしれませんが、春節のようなときはわっとあふれる。それをカバーしていたのが民泊という、旅館の許可を得られない、事実上泊める。これは規制の対象になっていませんでしたので、それを供給力として認定しようという法律、インバウンドに対する供給不足に対して、ある程度そのような住宅を利用した供給力をつけようというのが1つ大きなことだと思います。

 もう一つは、法律でその調整を図ったと、環境劣化をしないようにというレベルの調整を図った。それを条例である程度の弾力性を持って決めるというようなことが基本だと思います。

 そのような中で、奈良県での受け取り方ということになりますが、その供給力、大都市で不足している供給力というのは、大都市にどんどん人が集まっているが、奈良のホテルの客室数は全国最下位レベルです。徳島がホテルとしては最下位。あそこは旅館が多いので、旅館・ホテルを合わせると奈良よりもかなり多い。旅館・ホテルと合わせると奈良は文字どおり最下位。これはそのようなインバウンドの需要をとても吸収できない。ホテル客室数のレベルが大変低い。京都などは桁が違う。2万室かな、そのようなホテルというレベルでは。なので、民泊はその供給力としては数はいかないが、奈良に泊まりたいという色々な個人客を吸収する余地があるので、基本的に良い民泊といいますか、ちゃんとした民泊が出てくるのは歓迎というような政策上の姿勢はあります。ですから、良い民泊を育てたいという気持ちはあります。

 奈良では、検討委員会で旅館・ホテルの組合の人が来られても、それほど激しい意見ではなかった。旅館・ホテルの業態とまた少し違うところもありますし、そもそも参入の量的規制はしないというところから始まっています。

 届け出ということなので、その業態が一番問題だと。遠くから来られる民家宿泊というのは、ある面、人気の高い面もあるので、質の悪いものを押しつけて帰らすことにはならないようにというのは、地域の評判にかかわる。それにはとても気を使いたいと思っています。保健所のある奈良市とその他の地域に分かれていますので、届け出受理主体がそのように分かれていますので、あまり届け出の要件が異なっていると困るなということはあったのですが、それほど困るほどの違いはないというふうに認識をしています。

 遺漏ないように進むのではないかというような感じがありますが、実際上どのように困るか、やってみて多少の、びっくりするような困り方だとその出だしが悪かったということですが、そのような感じはまだしないので、いずれにしても新しい制度を慎重に滑り出す必要があるが、民泊をする実態がやはり現実にあるわけなので、届け出をして営業しようかというふうに思っておられる方が実際おられると思います。京都のことはあまり意識していませんが、奈良市では京都の木津川とか加茂とか、あのあたりと隣接している。あそこにもお寺がありますので、そういうところへ行かれる方の民泊が出たら、京都府の届けになるということで、それとの違いというのは現実にあるのかどうかというのはありますけども、そんなに影響するようなことでは今のところないように思っております。

奈良新聞:
 各市町村によって、例えば奈良の場合は北和の事情と南和の事情は相当違うと思うのですが。

知事:
 それほど奈良の観光地の宿泊キャパシティーが進んでいるわけじゃないという意味でも、先ほどホテルの数がこんなに少ないんですよというふうに申し上げたんですけれども、南和、中南和のほうはまださらに少ないわけでありますので、民泊が入ってどうこうというレベルの話では全くない。

 奈良の場合は、観光地と標榜していますがホテルがこんなに少ない県だったとみんなびっくりします。こんなにホテルがないのかといって皆びっくりするのです。それほど少ない。それのほうが先決である。民泊で、ホテルが少ないことを補うという気はさらさらないと申し上げてもいいぐらいです。ホテルは本当に少ない。どんどん増えていますけれど、本当に少ない。

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イコモスの提言について

朝日新聞:
 先日、イコモスの国内委員会が提言を出されましたが、それはごらんになられましたか。それについて知事からの受けとめをいただければ。

知事:
 イコモスの提言部分をよく言われるが、イコモスの所見というのはあまり報道されないなという印象です。実際に、聞いてきたのですけれど、それを申し上げますと、奈良県の「本事業の計画は、歴史的な地割り、各屋敷構えの継承、風致景観を構成する歴史的建築物の外観、土塀等の境界要素及び重要な樹木の保存が計画されていること、新築の計画建築物が歴史的風致景観との調和に努めていること等から、名勝指定地における文化財保護法の現状変更許可は概ね理解できるものであり、加えて世界遺産条約のオペレーション・ガイドラインの緩衝地帯に関する記述に照らしても、大きな齟齬はないものと判断」していただいているということを、重くというか、当然に受けとめておりますということに尽きます。あまり報道されてないような気もしますが、強要するわけではないのですけれども。

朝日新聞:
 ただ、文の構成として、その次に、「しかし」というのが逆説としてある。それ以下については。

知事:
 あります。それを受けて、こういうことに努められたらどうですかということでありますので、それは当然のことに今までしてることもありますし、これからも続けたいと思いますということぐらいです。


読売新聞:
 今までしていることというのは、「しかし」の後に続く部分の、市民、県民からの意見をよく聞いてくださいと、そういうようなことがありますけども、それについてということですか。

知事:
 そうは書いてないのではないですか。市民、県民の意見をよく聞くって。

読売新聞:
 寄り添う意見をみたいなくだりが多分あったはずですが。

知事:
 全体の価値がこれからも高まるように、事業を慎重に努めてくださいよとかね、そういうようなことが書いてあるように理解をしています。

読売新聞:
 「しかし」の直後に、何かよりさらに意見を聞くように努めてくださいみたいなくだりがあったはずですけど、それは。

知事:
 それは、事実は、これまで自治連合会の91自治会に対して説明会を3回行っております。(近隣の)19自治会に対しても個別に説明し、16の自治会が賛成、2つの自治会がどちらでもないという回答、おおむね賛同は得ているが、唯一反対している自治会にも理解を得られるよう継続的に説明を行っているところ、これはイコモスもよく理解されています。1つの自治会が反対しているのを、よく説明しなさいよという、まあまあ今まで何回もしてますよということを継続しているので、不十分なとは言っていない。

 これまでやって来てますからというふうに理解されているように現地に行ってイコモスと接触した担当者は言っておりますので、そのことも踏まえて、状況も踏まえてやっているかやってないかということを皆様方にもご理解していただくことを希望します。

読売新聞:
 それも含めて今までしていることを続けたいということですね。

知事:
 そういうことですね。このような状況になっているわけです。イコモスはそういう状況をよく知っています。

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鹿の捕獲について

毎日新聞:
 奈良の鹿の捕獲ですが、時期を前倒しする、捕獲の方法を変える等、許可された中でもっと捕獲していこうという姿勢なのかなと受けとめていますが、知事のお考えはいかがでしょうか。

知事:
 捕獲について、この前も申し上げましたが、捕獲して焼いて食べようという目的ではありませんので、農作物の被害との関係を調査してもらうように言っていますが、今日の時点でまだその調査がどうなるか、鹿が恐れ入っているのかどうか、報告はありません。

 だから農作物の被害が、捕獲しないでもおさまればいいのにと、非常に楽観的で、そうはいかないと思いますけれども、もう少し田舎になると、鹿、猿、イノシシは殺傷しないと追いつかないといって悲鳴が上がっている状況でありますが、奈良の鹿はこのあたりで餌を食べて愛嬌のある人気動物ですので、近隣で殺傷ということも殺伐たることじゃないかと。捕獲をして農産物の被害を減らそうというのが目的であったんですけれども、だから、たくさんの鹿だからこのぐらい捕獲しなければいけない上限は設定したんですけれども、それまで至らないという状況だと思います。

 さて、それでどうするかということになりますが、1つは、農産物の被害の調査、まだまだこんな捕獲では追いつかないということならもっとしなければいけないということで、多分そうじゃないかなと想像しますが、なかなか鹿が恐れ入ったと言ってくれないだろうなという気はします。

 それならばもっと農産物の被害を減らすために捕獲をしたり、カバーをしたりということをあわせてしなければいけないと思います。その捕獲の方法がまずい、うまくいかないということは、少し技術的なことでまだ私はよく分かっておりませんけれども、基本的に捕獲自身が目的ではなく、農産物の被害を減らすことがこの奈良公園近隣での目的だから、その農産物がどこで被害があって、それを防ぐにはどのようにすればいいか。普通やっているのは防御ということになりますが、防御は大変だから捕獲しようということに展開して、奈良市東部の一部で踏み切ったということが一つの大きなことであったわけでありますけれども、だからそのやり出したことを評価しながら進めないといけないと思っております。

 慎重になるということではなく、効果はどのようなところにあるのかということを、担当に下問している状況です。質問のほうが早く出て、答弁が追いつかなくてすみませんが、まだどんな状況か、農産物被害の状況というのは、この前の定例記者会見での答弁からまだ上がってきておりません。引き続き調査をさせたいと思います。

毎日新聞:
 今年度は、上限120頭ですが、この基準を上にするか、あるいは下げるか、いかがですか。

知事:
 今からすれば、社会実験をよくしていたから、頭数をあまり言わないで社会実験的に捕獲を始めました、その効果を見る、というように目指すのも世間的にはよかったかなと思いますが、どんどん捕獲するといって鹿をおどろかすようなことを言ったんですが、鹿は驚いてないかもしれないので、現実には社会実験的な結果になってきているような感じがいたしますが、その社会実験のようなものの効果検証が必要かなと思います。

 それを受けて、手段、捕獲の方法を変えるというようなことは、いろんなメニューが考えられますが、それは効果検証しないと、捕獲数が少ないということだけではすぐに動き出せないと感じています。

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民泊条例について

読売新聞:
 民泊条例ですが、和歌山県が日数の制限をかけない代わりに隣近所の同意を得なさいとか、制限はないが、ハードルがかなり高めなものを作っているが、一方で奈良県のほうは基本的にはそれはやらない。ただ、前にもおっしゃっていましたが、いかに質の悪い民泊を排除するかというところで監督を厳しくしたいということをおっしゃっていました。逆に、質のいいものを例えば認定するとか、そういったようなお考えというのは今後どうでしょうか。

知事:
 そうですね、質のいい民泊もある。質のいい民泊は、旅館業の許可をもらったり、もう既にされているようなところもあります。もう堂々と店を張るぞといったようなところがあります。紀寺のほうで民家を改装して1棟貸しされていて、1棟で朝食つき4万円で貸されている、これは人気が出ている。やはりレベルの高い民泊というのは、サイトでもよく発信されているし出てくると思いますが、もう少し限界供給的に、それほど改装したりサービスはできないが、住宅地をベッドもちゃんときれいにして泊まっていいよというタイプの民泊も存在するし、出てくると思います。

 質の悪いという認定が、消防とか、その宿泊施設自身が安全性が確保できないなどということが、想像ですが、これは一番届け出上も排除しなくてはいけない。それと、駆けつけ義務など、何かあったとき放置してはいけないよというのは最低の規制としてある。安全・安心に泊まっていただくというのは最低限の民泊の要件だと思います。

 その上で、立地がいいし、まちの中だしというようなことであれば、そういうようなものを奨励したいなと思います。奨励するやり方はいろいろあると思いますが、現実にこのように良い民泊がありますよ、あるいは民泊旅館がありますよということを言いますと、だんだんその評判が広がる。奈良にもだんだん広がってきているように思います。そのように奨励はしたいと思いますが、制度的なことはすぐにはまだ思いつきません。

 普通は表彰するとか、認証するとかというのは当然あるが、気分的には認証したいような民泊もあるなという情報をいただいていますので、そういう民泊と、これは旅館業の許可をもらっておられるようだったのですが、本当の奨励するような民泊というようなのが今後出るかどうかというのは、届け出の中で評判のいいかどうかという情報は今どんどん入るようになりますので、県としてもそういうウオッチャーの役目をしたいと思います。

 旅館の業界も、そういう評判がいい悪いと、悪いのも含めて口コミサイトというのは世界を飛び回りますので、口コミサイトのいい悪いというのはものすごく大事だなと思っています。具体的にここはどうかというふうに出ますので、それがよくするきっかけになる大きな手段だと。行政が介入する大きな手段だというふうにも思っていますので、口コミサイトの情報収集をその業態を改善するのに利用できないかなというふうには思っています。その顕彰も一つですが、業態改善にいろいろ届け出という手段が、コネクションが発生しましたので、届け出された民泊についての業態改善というのは、そんな口コミサイトを利用して業態改善のやり方ができないかということは、ちょっと検討課題のように内心思っています。

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日本とインドの今後の関係について

日経新聞:
 明日、インドのビハール州の首相が来ると思いますが、東大寺の北河原長老が去年、インドの日本寺の竺主になられまして、それで来られるのでしょうか。それとも何か別の内容で来られるのでしょうか。それと、奈良とインドの関係は今後どのように発展することを期待されていますか。

知事:
 ビハール州と、以前、一時ウッタル・プラデーシュという大きな州の首相が奈良へ来られるという情報が内々あったのですが、インドの州の、州も1億人を超えますので、しかも州の首相というのは日本の知事に当たりますが、大きな選挙があって、もう若手政治家の登竜門みたいになっているようなので、奈良にそういう人たちが注目していただくのはうれしいことであります。奈良の縁は、やっぱり菩提僊那だと思いますのと、仏教のもと、お釈迦様がインドにおられたということが大きいと思います。

 今、仏教とインドとの関係ですが、昨日、読売新聞に出ていたかな、佐々木閑さんという仏教学者が「ごまかさない仏教」という本を書かれて、その人と去年の暮れ、対談ではなく、少し懇親したことがあるんですけれども、日本に伝わった仏教は大乗仏教ですが、大衆を救済するというところまで変化した仏教ですけれども、個人を救済するというお釈迦様本来の仏教に注目するという動き、世の中で教団として大衆を救済するという動きが、こんな人口の変動が激しくて人口減少の時代になると、あるいはヨーロッパでキリスト教の個人救済の洗礼を受けた者にとっては、個人の救済をどのように仏教は考えているのかということ、それはお釈迦様のもとの教えにたどり着かないといけないということを佐々木閑さんは書いておられるんですけれども、インドの宗教観というのは、個人の救済というのもあるようにも思いますが、ヨーロッパでキリスト教の人が仏教の個人救済の要素にとても関心を持っているように思います。日本の仏教界の内容とは全く違うように思いますが、日本の仏教界でも、佐々木閑さん、花園大学の先生ですが、個人の救済というものに注目した動きが出ていることに私は注目しております。

 インドの人がそういう宗教観の話ができるのかどうか少しよくわかりませんが、駐日インド大使も来られるように聞いておりますが、前の駐日インド大使は女性でしたが、とても親しくさせていただいて、千鳥ヶ淵のインド大使館にいろんなイベントで何度も行きました。奈良の東大寺も来られましたけれども、インドの方はとてもインテリなので、レベルを上げるのに少し大変でしたが、なるべくレベルを上げて宗教談義もできるようににわか勉強でもしようかと思っております。政治的な話よりも、そういう人の心の話が出る、また話題は普遍的ですので、ずばっと聞かれたら、日本の仏教界はなかなか答えられないのでと私は思うところがあるんだけれども、かわりには答えられないけれども、宗教の日本の受け取り方というのは関心持って勉強してますぐらいのことは言えたらなと思います。これは奈良の仏像をパリのギメと大英博物観に持っていく時の、これはどういうものですかと聞かれた時にちゃんと答えられるかどうかということと脈を通じているところでありますが、今、日本あるいは奈良にある仏教あるいは仏像というのはどういう気持ちで皆さん接しておられますかということをうまく答えられるかどうかというのと、少し裏腹なものでありますので、多少そんな勉強もやっているという次第であります。そういう面の宗教談義に刺激を受けられたらと思いますが、そのようなお話になるのかどうか分かりません。地方の政治についてお話が出れば、あるいは国の政治についてお話が出れば関心はあります。海上保安庁長官時代、参議院時代、個人的にインドとコネクションが深かったです。だからとても関心が深い国であります。

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佐賀県神埼市長選について

奈良新聞:
 4月に佐賀県の神埼市長選があって、市長選挙ですけど、大仁田厚さんが出馬されるようです。先ほどちらっと出た参議院時代のお友達かと思うんですけれど、お耳に届いていますか。

知事:
 ああ、知りませんでした。

 ちょっと調べます。大仁田さんは参議院、20人自民党で通ったときの同期の1人で、同じ派閥で4人いたんですよね。同じ派閥でその同期が4人いて、1人は大仁田さん、1人は松山さんって今、大臣になっていますよね、もう一人は藤井さんっていう方で、比例から出られて、一度落ちられたけど、またされている。大仁田さんと僕はスピンアウトして、大仁田さん、知事選に一度出るって出たのかな、うまくいかなかったけれど。何か政治に関心がおありなんですね。とても仲よくしてました。そうですか。

奈良新聞:
 今はそういう何かおつき合いとかは。

知事:
 あんまり連絡ないですね。時々ぼさっと出てこられる面もあるんだけど、あまり連絡ないですね。

奈良新聞:
 知事の選挙にも応援に来られてました。

知事:
 そうですね、兄貴、兄貴って言ってくれるんだけど、別に兄貴でもないが兄貴、兄貴って。後楽園で、大仁田さん50歳になってもプロレスするんだよね。見に行ったことありますよ。すごい、50歳になってプロレスでばしばしやるから、すごい。

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奈良県情報公開審査会第202号答申について

NHK:
 情報公開について、先日、審査会で月ヶ瀬の違法掘削の経緯をまとめた文書を開示すべきだというような内容で、これまで県はその文書は私文書だというようなお立場で、今回は行政文書でしょうという判断だったわけですが、これについての受けとめをまず伺えますか。

知事:
 結論を言うと、開示します。

 その経緯ですが、なぜ開示しなかったのかということにもなるのですが、行政文書の、開示のカテゴリーとかステータスとよく呼んでいるのですが、文書のステータスは、個人文書と行政文書に分かれていると。個人文書は自分が保管している個人文書だから開示する必要はありませんということです。行政文書になると開示の対象になるけれど、その中で例えば個人情報が入ったり、公安情報が入ったり、法令のマル秘情報が入ったり、意思形成過程情報が入ったり、議会議員に関する情報が入ったりすると開示しなくていい、こういう扱いになっているということですので、行政文書になった上でこのような不開示情報にあたらない部分は全て開示するというのが原則だと聞いています。それは今後とも徹底したいと考えています。今度の文書を開示しなかった理由は、個人文書だと当時認定したということです。個人のファイルに綴じられ、個人の書架に保管されていたと。保管のあり方で個人文書だと、こういったわけなんですが、これは保管のあり方で、行政文書だってそのように保管することはあり得るということであれば、保管の仕方だけで判断するのは誤りであったのではないかと今、私は思います。

 行政文書の要件の一つは、組織的に用いられているものかどうかという質的な判断を経なければいけない。そして、今度の文書は、組織的に用いられて個人が保管していた文書と認定されているように思います。その中で内容的に個人の情報、法人情報、秘匿すべき情報が入っていないとも判断されますので、二段の審査を経て、また、その情報公開審査会の意見もそれを吟味されるとそういうことがよくわかったということですので、遅まきながら恐縮ですが、開示します。開示はもう間もなく判断期限が来ますので、22日だったかな、それまでに開示をしますということを、報告します。

NHK:
 今回の一連の経緯を踏まえて、何かその検証するだとか、取り扱いについてのルールを新たに決めるとか、そういう対応はいかがですか。

知事:
 こういうことがあって、いつも言っているのは、行政文書のステータスというのは曖昧じゃないかということをいつも職員に言っています。そのステータスをどう判断するか。標準化しなければ、個別の現場で判断されていることにならないかということで、一つには、官房機能の強化ということになるのですが、文書取扱いの司令塔というのは総務課長に改めて任命しました。総務課長が文書開示の行政上の最終責任者として、私に報告すべきことは報告しなさいと。

 今みたいな仕組みは明瞭になってきていますので、情報公開は個人文書か行政文書かを仕分け、行政文書で秘匿すべき情報が入っていると、そこは黒塗りにしていいよと、こういうことになっていますので、その判断を総務課長がして、私に上げて、最終判断するという仕組みをつくるようにと言ってきましたので、それは形になると思います。今後その扱いは、文書管理規則のようなものができればいいなと思っていますが、それをつくって、それに従って行政もそういう仕分けをして、報道機関への対応、また一般市民への対応をしていきたいと思います。そういう仕組みがあまりなかったように思います。現場に任されていて、今の行政文書か個人文書かという判断を委ねていたみたいなので、これはちょっといかんよと、ちゃんと標準的な扱いを確立するようにとずっと言ってきて、やっとそのようになりそうな気配になると思います。

NHK:
 そうすると、その対策の一連の対応というのが、現場としてはちょっと大分強目に対応しちゃったのかなということですか。

知事:
 よく言われる秘匿、隠匿、隠蔽とか、それほどのセンスはないようには思うんですが、言いわけは常にありますのでね。ですが、自然と隠蔽の結果に陥る可能性があるというふうにも我々からは見れますので、扱い方をはっきりしないと現場も困るだろうということです。私の立場としては、扱い方を明瞭にして、それに従って文書のステータスを分類して決めていくということを徹底できたらと思います。

NHK:
 今回のは隠蔽ととられかねないなと知事も何となく感じられたことはあるんですか。

知事:
 今度の一連のケースでありますけどね、隠蔽の意図は正直あまり感じないのですが、自然と物議を醸すようなものは出さないでおこうという程度の話だから、幼稚な隠蔽体質ともとられかねないようにも見れると思います。文書の開示というのが基本になっているのだから、どのように開示すべきかという認識も低かったような、隠蔽よりも、文書の扱いの認識が低かったように思います。それはちゃんと官房機能で司令塔がこのように扱いなさいということを明確にしないと、なかなかできないのが普通です。

 隠蔽体質はありませんと言っても、それは気持ちとしてはそのとおりだと思いますが、世の中から見れば隠蔽したととられかねないものを、どのように分かっていくのかということが大事ですので、それには文書の扱いはこのように考えて、このようにしますということを事務で徹底しないといけないというのが今の感じで、その文書管理規則というのは中央官庁でもずっとあるのですが、県庁はそういうことをあまり知られてなかったのかなという印象がありますので、一連のケースを踏まえて、仕組みをちゃんとするようにということを指示して、ちゃんとしたいと思います。

NHK:
 では、その管理規則を改めて見直したいということなんですか。

知事:
 そうですね、それを徹底するということですね。現場に徹底して、疑問があれば総務課長に上げるようにということを僕からは言っています。

時事通信:
 今の話にちょっと補足して、文書管理の規則をしっかりするということですが、その形態とスケジュールを伺いたいということで。条例とかになってくるのか、庁内的なルール、規則になってくるのか。また、現在あるものをさらに改めるのか、全く新規につくるのかいったところのスケジュールはどういうふうな形ですか。

担当課:
 現在でも、規程なしでも文書の範囲には、紙ベースの文書と、電子データというふうに位置づけられていますが、電子データというのはどうしても見えないので、扱いがなれてないところがございます。その辺、国でも今、ガイドラインとか見直しをしていますので、それを参考にしながらより適正な管理をもうちょっと勉強していきたいと思っています。特にそれを規程の中にどこまで書くか、別に書くかというのは、そこまでは国のほうでも議論を行っていませんし、今の書き方の中でもうちょっと明確にしていくだけでいいのではないかとは思っています。

知事:
 私から言いますと、今は規制の管理の対象になる電磁情報か文書情報かを答えたということですが、その質問は入ってなかったので、条例でするのか規則の新設をするのか、改正をするのかというご質問と、いつまでにするのかということですので、それは改めてお答えしますということにいたします。答えるものがあれば答えていいけど。なければ、改めてというふうに答えるのがいいかと思います。

担当課:
 基本的には、もう既に情報公開条例、個人情報保護条例において開示すべき行政文書の範囲とか定義とか、そういうのは書かれておりますので、これまでどおり、これからもきちっと対応していきたいと思います。

知事:
 私の感じはね、規則はあるのですが徹底してないという感じ。司令塔が規則があるよと言っても情報が入ってないというのが現実であったというのが先ほど言ったことなので、規則があるならばそれを徹底するようにと。例えば、パーソネルマネジメントは、総務部長が徹底しており、随分進んできたと。今度は文書管理という、文書マネジメントの観点で総務課長が徹底するようにということを指示してますので、私の受け取り方では、規則の改正が必要かどうかもその中ではっきりしてくると思います。

 それは示達するのに、このように扱うのを知っていますかといって各部長にペーパーを書いておろしていく。規則があるから大丈夫ですよというのは、答弁にならないと思いますので、そう言っています。それを徹底する役目が総務課長にあるということを明確にしてあえて言ったのだから、このように文書管理をすべきで、してますかということを問いかけしないといけない。規則はこのようになってますが知っていますかということを言いなさいよということを具体的に指示しています。だからスケジュールは、まず来週からでも資料が出てくることから始まると思います。意識の徹底ということです。

時事通信:
 今の知事のお話では、現在あるものをさらに徹底していくということですか。

知事:
 だから内容は、今どんなものがあるのかということはまだ吟味してないんですが、規則があるならそれを徹底、意識が徹底してないからああいう各部署で違う扱いが起こるんだと、情報公開をすべきところをすべきでないと扱ったというケース、実際の分類で結果、齟齬があったということがあるので、そういうことのないようまず徹底しなければいけないということは当然であります。官房としては、皆の意識がそうなっていますかということを聞かないといけないですね。それを総務課長に委ねた、委ねているというか、もとからそうなっているはずなのですが。

時事通信:
 それは現在あるものを徹底していただくのはもちろんそういうことなんですけれども、知事先ほどのご発言では、文書管理規則のようなものができればいいなと思っているが等々おっしゃった、これは伺っていると新しい、さらに一歩進めて新しいそういうものをつくっていくのか。

知事:
 私は、ないからつくるというところまで明瞭に情報を持っておりません。なければつくるべきということなので、まずあると言っているからには徹底すべきと。徹底しても、これじゃもっと要るんじゃないかといったときに、規則がありませんというなら規則をつくると、そういう段取りになると思います。私の先ほどの言葉足らずな面もあろうかと思いますが、なければつくるべきということですので、今のを改正するとか、今ないからつくるべきというところまで情報がありませんでした。

時事通信:
 今あるものを徹底するようにということを課長に。

知事:
 だから、まず第一に、それは確実に指示しました。それで規則の不備とか司令塔の不備ということになれば、それは追加するなり改正する必要がありますねということは言ってありますが、それはまだ吟味を。それを2番目にしたのは、規則がありますよとまず返事してくるから、それはだめだよと、まず徹底が第一だよ。徹底しても規則の不備があれば改正すると、これは第二だと思っていますので、規則がありますという返事は、別にそれはそれでいいと思うんですが、まず徹底の不足があると私は思いますので、その意識を徹底するということを、その徹底する役目は総務課長ということを確認しているところです。

時事通信:
 では、徹底していく中で、今後分析し、不備や、もっとこうしたらいいのではということがあれば変えていくということは、今回言われることですか。

知事:
 そういうことですね。使いやすいマニュアル化するということはいろんなところでしてます。規則が書いてあるというのは言いわけみたいになってはいかんよと。使い勝手のいいマニュアルにしないとだめだよということをパーソネルマネジメントでも、財産マネジメントでも、会計マネジメントでも、文書管理マネジメントでも、その職員の現場が使いやすいようにマニュアルをつくらなきゃいけないよと、ありますだけじゃだめで、使い勝手がいいか悪いか、それが徹底しているかどうかと裏腹じゃないかということを、あらゆる部分で今言っています。

時事通信:
 そういったマニュアルは現在あるんでしょうか、使いやすいマニュアルは。

担当課:
 ございます。情報公開については、情報公開事務の手引、個人情報保護については個人情報保護の手引、文書管理事務については文書事務の手引というのは既にございます。

時事通信:
 それは、またそれを見ていって、もし不備があれば。

知事:
 手引が置いてあるだけかということが、私の関心なんで、皆の意識の、頭の中に入っているか、現場がそういうときに手引がすぐにあるかどうかというのが僕の関心。それは使い勝手のいいように置いてあるかというのが関心だから、往々にして置いてあるだけという言いわけ文書になってはいけない。マニュアル化ということはそういうことなんですね。使い勝手のいい仕立てにしないといけないよということをあらゆる分野で言っています。その仕立てをするのは官房機能じゃないか、総務部の機能じゃないかということを言っています。

時事通信:
 ありがとうございます。

司会:
 よろしいでしょうか。
 幹事社さんもよろしいでしょうか。
 それでは、これで定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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