第275号 H30/5/1

「E-夢 はっしん!」

しか 奈良県教育委員会メールマガジン しか
奈良県教育の日E-夢 はっしん!家族イラスト

平成30年5月1日(火曜日)
≪第275号≫

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発行:奈良県教育委員会事務局 企画管理室

国際化と高校生の意識


                                    奈良県教育委員会事務局
                                    教育振興大綱推進課長 大西 英人

 

 現代の社会は既に、流動性が高く変化の激しい状況にあります。科学技術や情報ネットワーク等の急速な発達により、何事においても世界標準が唱えられ、我が国でも価値のグローバル化が一層進んできています。日本はかつてGDPが世界第2位の経済大国で、いまは中国に抜かれて第3位になっていますが、それでも世界190余の国中での第3位です。それ以外にも、輸出額、製造業生産額などの世界ランキングで、日本は高い地位を占めています。しかし、「1人あたり」の数値で見直すと、日本は1人あたりGDPは先進国最下位(世界第25位 2017年)、世界第4位の輸出額は、1人あたりにすると40位台になるそうです。(国際連合貿易開発会議データ)日本は、全体で見ると高いランキングにいますが、「1人あたり」で見るとその順位が大きく下がる国なのです。これは、単純に日本の人口が多いからで、1人あたりで考えると、実は日本は、世界的には決して高い生産性を示してはいないのです。このことは、日本人の能力がまだまだ活かされていないとも言えますし、これから発展する可能性が残されているとも言えます。

       

 一方、日本人の意識はどうなのでしょうか。少し前になりますが、平成27年度に国立青少年教育振興機構が行った日米中韓の4ヶ国の高校生に行った意識調査の結果によると、日本の高校生は「自国で暮らすことに満足している」と回答した者の割合が9割を超え、4ヶ国の中で最も高かったそうです。自分が高校生の頃を考えると、ともかく家を出て一人暮らしをすることや、未知の世界である海外生活にあこがれていた記憶があるので、意外な気がしています。自国の生活に満足することは一概に悪いこととは言えませんが、日本の高校生は世界の舞台で生きることにそれほど魅力を感じていないように思えます。それとも、日本が世界の「一流国家」であると思いこみ、満足してしまっているのでしょうか。

 

 調査データでは、留学に躊躇する最大の要因は、「言語の壁」と報告されています。それが事実ならば、やはり「使える言語教育」が状況を打開する答えのひとつなのかもしれません。急速に進む少子高齢化、企業や働き手におしよせるグローバル化の波、そして、より複雑さを増す国際関係。日本人が未来に希望を見いだすためには、国際社会で他者と共存しながら切磋琢磨していくことが不可欠のように思えるのですが、どうでしょうか。
                                   

【 教育委員会の動き 】 目次に戻る

【1】「不登校『ほっ』とネット」を開催します   

     
<生徒指導支援室> 

 県教育委員会では、不登校に関して、県内の幼児児童生徒の保護者や教育関係者が集い、それぞれの経験や悩みを語る中で、今後の不登校幼児児童生徒への関わり方について考えるための「不登校『ほっ』とネット」を開催します。小・中・高等学校別の情報交換会や地域別交換会を予定しています。

日時:平成30年7月21日(土曜日)13時00分~16時30分

場所:県立教育研究所(磯城郡田原本町秦庄22-1) 

 参加をご希望の方は、7月17日(火曜日)までに、下記の電話またはFAXにてお申し込みください。(当日参加も可。)

       

※お問い合わせ先 生徒指導支援室教育相談係 TEL 0744-33-8904 FAX 0744-32-9506


 

【2】「ならの教育応援隊」の活用について   

 

<人権・地域教育課>   

  

 県教育委員会では、「地域と共にある学校づくり」の一環として、「ならの教育応援隊」事業を進めています。この事業は、団体や企業等が行っている出前授業や工場見学、職場体験等をHPや研修会等で紹介することで、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校等での活用を促進する取組です。現在、27の団体・企業をHPに掲載しており、昨年度は約200件の学校等における活用がありました。
 来る8月3日には、県産業会館において団体・企業がブース出展を行い、教職員等と直接相談できる「メニューフェア」も行います。多くの方のご参加をお待ちしています。
 なお、各団体・企業と連絡を取る際には、「ならの教育応援隊」と伝えていただくとスムーズに進めていただけます。今後より一層、積極的にご活用ください。
 「ならの教育応援隊」に関する詳しい情報は、下記Webページをご覧ください。

      

     【QRコード】

    

    【HPアドレス】                                                                               
     http://www.pref.nara.jp/dd.aspx?menuid=45621#itemid171373

 
※お問い合わせ先   人権・地域教育課地域教育係 TEL 0742-27-9837

 

【 スクープ 奈良TIME!郷土学習!】 目次に戻る    

 

   「奈良県教育振興大綱」の施策の方向性の一つである「地域への誇りと愛着を抱き、地域と協働し、地域・社会に貢献する人材の育成」を推進するための取組に「郷土教育の充実」があります。小・中学校で実施されている郷土学習や、県立高等学校で実施されている奈良TIME(郷土奈良の伝統、文化等に関する学習)の取組の様子を本コーナーで紹介します。

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奈良TIME 『ロミオとジュリエット@妹背山』の上演

県立高田高等学校

本校では1年次に「探究」という名称で総合的な学習の時間を実施。「環境」「海外事情」「福祉」「やまと学」「教育」「芸術文化」の各コースから希望選択し学級編成を行います。コミュニケーション・プレゼンテーション能力の育成が共通目標です。コースの特色に合わせて奈良 TIMEの学習を実施します。

       

      〈「ハムレット」をプロの演出で〉〈木ノ下歌舞伎直伝、古典の読解〉

  

「芸術文化」では、歌舞伎などの古典芸能に取り組みますが、「リスペクトはするが弟子入りはしない」というスタンスで、自分たちとの距離感を大切にしながら舞台芸術を楽しんでいます。『義経千本桜』など奈良を舞台にした作品を取り上げてきました。           
      

 「劇団☆新感線」のDVD鑑賞や、文楽その他、生の舞台にも触れます。更に本年は、古典作品を現代劇として上演することに定評のある二人の講師を招聘。杉原邦生氏(KUNIO主宰)の演出で「ハムレット」冒頭を演じたり、木ノ下裕一氏(木ノ下歌舞伎主宰)の指導で「万葉集」を読み解いたりと、贅沢な体験をしました。

 

 2学期後半から、『妹背山婦女庭訓―山の場』を素材にした作品の創作に取りかかります。

 「『日本のロミオとジュリエット』と称されるが、どこが似ていてどこが違う?」とか、「『ロミオ...』は知ってるのに自分の国の『妹背山』を知らないのはなぜ?」とか問いかけながら、しかし芝居の上演というのはそんな抽象論では一歩も前に進めません。身体と声で悪戦苦闘するのみ。「教育目的でやっていることだから舞台が面白くなくてもいい」では、観客に失礼。気合が入ります。

   

   〈なぜか狐が踊る仮面舞踏会〉     〈結婚式~神父は神主装束〉      〈ロミジュリを隔てる吉野川〉

  

2月3日、橿原文化会館で本番を迎えました。200名近くの来場。盛況です。役の大小はあれ、全員が舞台に上がるので、朝から緊迫した雰囲気の中、準備をこなします。「この活動の学びは…」と悠長なことを言っている暇はありません。そんな緊張の本番を終えた達成感は格別です。「面白かった。『妹背山』を今度読んでみたい」という声をたくさんいただき、上演は成功でした。                            
                                         

 

   生駒市立緑ヶ丘中学校の末次栞菜さんは、第3回「ビブリオバトル全国大会inいこま」で優勝されました。末次さんに、大会に出場しての思いを綴っていただきました。

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                                             「ビブリオバトル」との出会いから
           
                             生駒市立緑ヶ丘中学校  3年 末次 栞菜


 「ビブリオバトル」を知ったのは、私が小学6年生のころでした。たまたま地元の生駒市でおこなっていた全国大会を見に行きました。5分間という決められた短い時間内での圧巻のトークや生き生きとした身振りは、当時の私を引きつけ、魅了しました。

 それから数年が経ち中学2年生になった私は、学校で行われた「ビブリオバトル」をきっかけに、今度は「バトラー」という形で全国大会の場に参加することになったのです。

 今回の大会では、一般の大人の方々とも平等に渡り合うというめったにできない経験をさせていただき、人前で発表する緊張や人を惹きつけるための様々な工夫、そして何よりも大好きな本について語り合う楽しさを知ることができました。

 私が思うに、「ビブリオバトル」とは、一人で読書を楽しむだけではなく、他人と語らい、本への思いをぶつけ合い、その面白さを共有する……、そんな「新しい読書の楽しみ方」の形です。今まで読むだけであった本を、見て、聞いて、感じて、触れて、味わえる。まさに「五感を使った読書」だと私は思います。

 本を読む人がどんどん少なくなっていくのではと私は危惧しています。だからこそ、これからもこの「ビブリオバトル」という大会の発展を願ってやみません。そして、何より、「読書推進」のために、本の面白さをもっともっと発信していこうと思います。

              

    

【奈良県の先生になろう】  目次に戻る

 奈良県ディア・ティーチャー・プログラム第10期の第7回ワークショップが4月14日(土曜日)に、県立教育研究所で行われました。

 リクルーターの大淀桜ヶ丘小学校の貝塚綾夏先生が、ワークショップの活動を報告します。

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第7回ワークショップを振り返って

  

 全体会では、教職員課長から、イギリスの教育哲学者、ウイリアム・アーサー・ウォードの言葉、「普通の教師は、言って聞かせる。良い教師は、分かりやすいように説明する。優れた教師は、自らやってみせる。そして本当に偉大な教師は、子どもの心に火をつける。」を取り上げながらお話しいただきました。また、子どもの心に火をつけることができる偉大な教師になるためには、コミュニケーションが取れなければならないとも話されました。多くの情報を受信したり、発信したりすることは重要であり、そのためにも教師自らが学び続けることが大切です。このお話を聞き、私自身、子どもの心に火をつけることができているのだろうかと学校での日々を振り返ると同時に、いつまでも、子どもの心に火をつけることができるよう、努力し続けたいと思いました。

  

 次に、特別支援教育部特別支援教育係の北井美智代指導主事から、特別支援教育に関する講義「すべての子どもが輝くために」がありました。講義の中で、児童生徒が「学びたくなる」授業づくりについて、1年生の国語教材『くちばし』を例に教えていただきました。どこでつまずきそうなのか「予測を立てる」、どうすれば学級全員が分かるのか「工夫を考える」、今日の授業の山場はどこか「学びの焦点化を図る」。視覚教材を用いることで分かりやすく、文章構成の特徴を気づかせる工夫もされており、ユニバーサルデザイン化された授業についてのお話は大変勉強になりました。

  

 班別ワークショップでは、受講生が作成した学級通信の発表と交流をしました。学級通信を作成する中で、「学級通信でこんなことを伝えたい!」、「こんな思いで作ったけれど、どうしたらよいのか悩んだ。」との声が上がりました。実際にリクルーターが発行している学級通信を見てもらったり、アドバイザーの先生方が作成されていた学級通信の工夫を教えていただいたりすることができました。

 

 ワークショップも残り3回となり、いよいよまとめに差しかかろうとしています。次回は模擬授業があります。前回より長い時間、模擬授業ができるので、反省を生かした授業づくりをしようと受講生は意気込んでいました。今回までに学んだことを発揮してくれることを期待しています。

                           第10期リクルーター  大淀桜ヶ丘小学校  貝塚 綾夏             

 

      〈講義中のグループワークの様子〉               〈班別ワークショップ〉


【 すくすく給食!おすすめレシピ 】 目次に戻る

 
 今年度は、奈良県内の地域の産物や行事食、旬の食材を取り入れるなどの工夫をした学校給食の献立をご紹介します。献立画像をクリックしていただくと、分量や調理の方法を見ることができます。ご家庭でも、ぜひお試しください。 
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 ★今月の献立★
*アスパラガスごはん
*牛乳
*鰆の梅みそ焼き
*切り干し大根サラダ
*春キャベツのみそ汁  
*いちご    

 

 ★レシピ★
←画像をクリック

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〔献立紹介〕  

 彩りの鮮やかなアスパラガスを使った「アスパラガスごはん」、柔らかな食感の「春キャベツのみそ汁」、「いちご」など見た目にも春を感じられる献立です。「鰆の梅みそ焼き」は、梅干しと青しそ、白みそ、砂糖などを合わせたたれを塗って香ばしく焼き上げました。切干大根サラダは、切干大根やひじきといった乾物に、子供たちが好きなツナとマヨネーズを合わせて食べやすくしています。        
 

【 お知らせ 】 目次に戻る 

"教育セミナー2018"を開催します

     テーマ:学びをつなぐ
      ~「主体的・対話的で深い学び」の実現~

 

   県立教育研究所では、5月25日(金曜日)に“教育セミナー2018”を開催します。

 指導主事、指定研究員等が、本県の教育に関する課題の解決を目指して平成29年度に行った研究の成果を発表するとともに、教育関係者及び教育に関心のある方と本県教育について共に考えます。

【全体会(基調講演)】
 京都大学大学院准教授の石井英真氏を講師に迎え、「『深い学び』を実現する授業と評価」をテーマに講演していただきます。

【研究発表】 
 プロジェクト研究、個人研究をはじめ、大学院研修研究、教科等研究会など、主に平成29年度に取り組んだ成果を発表します。

【“未来の先生”のコーナー】
 教員になることを志望する学生が、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業づくりについて提案します。

【パネル等の展示】
 県教育委員会各課・室等の取組を紹介するパネル等を、館内各所に展示しています。

 よりよい教育の姿や日々の実践について、共に学び、考えていきましょう。

 下記ホームページから申込書をダウンロードし、5月15日(火曜日)までにFAXまたは郵送にてお申し込みください(参加費無料)。

 詳しくは、次のホームページを御覧ください。 

 http://www.nps.ed.jp/nara-c/gakushi/kyoukakyouikubu/semi30_osirase/semi30.html

 

                                                         
                            セミナーの案内リーフレットは こちら
                                                           
※お問い合わせ先 県立教育研究所 研究開発部 教科教育係 TEL 0744-33-8903 FAX 0744-33-8909 
                                           

                  

 【 報道発表資料 】 4月1日~4月30日  目次に戻る

2018年04月23日  平成30年度児童相談員の採用募集(追加)について

2018年04月18日  平成31年度奈良県・大和高田市公立学校教員採用候補者選考試験受験案内等配布及び説明会について

2018年04月18日  県立高等学校適正化推進方針の策定について

2018年04月17日  全国学力・学習状況調査実施状況 策定

2018年04月16日  平成30年度不登校『ほっ』とネットを開催します

2018年04月12日  高校生議会の実施及び参加校の募集について

2018年04月06日  「1日子ども知事」を募集します 

     

【 お願い 】 目次に戻る

 
 
取り上げてほしい記事や、紹介してほしい学校の取組等がありましたら、本メールマガジンの下部にあります発行先までご連絡ください。

 

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