たい肥施用の主な効果


「たい肥施用」は、「土壌に有機物を供給して、土づくりをする」ことを目的とします。
 土壌に有機物を供給すると、土の粒子が結びついた団粒構造が発達し、作物の根が伸びやすい、軟らかな土になります。また様々な成分を保持する力が向上し、肥料の効果等が緩やかになりますので、作物の根を守る機能も発揮します。また、有機物の分解により窒素等の成分が植物に肥料として供給されます。

利用目的に合った「たい肥」選びを!


牛ふんたい肥

 牛ふんたい肥の窒素含有率は、1%前後と低くその分解が遅いことから、肥料成分の供給はあまり期 
 待できませんが、土づくり(物理性改善)の効果に優れています。肥料成分としてはカリが比較的多いの
 が特徴です。

豚ぷんたい肥
 豚ぷんたい肥は、窒素成分を比較的多く含有しています(窒素含有率2~3%)。土壌中での分解は比較的速いので、有機質肥料に近い肥効が期待できます。リン酸が多いのが特徴です。木質系の副資材の混合が少ないものは、急速に分解されます。急速な分解は発熱や有害ガスの発生を伴うことが多く、作物に障害を与えますので、施用量に注意しましょう。

鶏ふんたい肥
鶏ふんたい肥は、肥料成分量が高く(窒素含有率3%前後)、土壌中での分解が早いため、そのまま有機質肥料として扱えます。リン酸が多いのが特徴ですが、採卵鶏のものは石灰が多いのも特徴です。木質系の副資材の混合が少ないものは、非常に急速に分解されます。急速な分解は発熱や有害ガスの発生を伴うことが多く、作物に障害を与えますので、施用量に注意しましょう。


乾燥ふん

乾燥ふんは、家畜ふんを乾燥させ、取り扱いやすくした物で、乾燥鶏ふんや乾燥牛ふんと称して販売されています。養分含量も高く(窒素含有率4~6%)、分解も速いので有機肥料として利用できます。急速な分解は発熱や有害ガスの発生を伴うことが多く、作物に障害を与えますので、施用量に注意して下さい。

たい肥施用量のめやす (t/10a)

施肥めやす



たい肥が含む窒素・リン酸・カリ量の試算について


 施用1年目に分解するたい肥中の窒素は、牛ふん・豚ぷんたい肥で10~40%、鶏ふん堆肥で20~60%と考えられています(同じ畜種のたい肥でも窒素含有率が高いほど窒素分解率は高い)。すなわち窒素1%の牛ふん堆肥1トンが含む窒素は10kgですが、1年目に植物が利用できる窒素は1~4kg程度ということになります。リン酸とカリは、どの畜種のたい肥も80~90%が1年目に利用でき、肥効は速効性です。
 よって連年施用する場合は、2年目以降は2~3割減らしましょう。
 また、リン酸・カリの過剰供給に注意が必要です。土壌分析をして、施用量を調節しましょう。
 

良質たい肥の見極め方


 色は完熟になるほど黒っぽくなっていきます。
 未熟なたい肥は、アンモニア臭や悪臭がするものがありますので、このようなたい肥は更に熟成させてから使いましょう。
 オガクズや稲わらのような副資材が入ったたい肥は、副資材が指で簡単につぶれる場合を完熟と判断します。
 また、たい肥を混ぜた土(2~3g/土100g)をポットに入れコマツナなど生育の早い植物を実際に植えてみて生育を確認するのもよいでしょう。
 

たい肥利用の際に注意すること

・未熟なたい肥は、残っている有害な成分や、有害ガスの発生等で作物の根を傷めます。
・木質系の副資材を多く含むたい肥を施用すると、窒素が土壌微生物の増殖に奪われて、窒素不足を引き起こす場合があります。
・たい肥の過剰施用は、環境負荷の原因になります