【レポート】美しい絵本原画たち!大人も子どもも楽しめる特別展「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」

芸術的でユニーク。BIBで出会う絵本原画の世界

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【ナラプラス現地リポート】

奈良県立美術館で、特別展「ブラティスラヴァ世界絵本原画展 BIBで出会う絵本のいま」が開催中です(2018年10月6日~12月2日)。

「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」(略称BIB = Biennial of Illustrations Bratislava)とは、スロヴァキア共和国の首都・ブラティスラヴァで2年ごとに開催される世界最大規模の絵本原画展です。出版された絵本の原画を審査対象とし、芸術性の高い作品、実験的でユニークな作品が集まることでも知られています。

日本からも多くの受賞者が生まれており、2017年秋に開催された BIB 2017 では、荒井真紀さん《たんぽぽ》が「金のりんご賞」を、ミロコマチコさん《けもののにおいがしてきたぞ》が「金牌」を受賞しました。

今回の特別展は、奈良では13年ぶりの開催となります。BIB 2017 の受賞作品と、日本からの参加作品などを中心に、約200点の原画が展示され、子どもも大人も楽しめる素晴らしい内容でした!

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特別展「ブラティスラヴァ世界絵本原画展 BIBで出会う絵本のいま」会場内の様子。BIB 2017 の受賞作家の作品、日本代表作家の作品、近年新たな展開を見せているというアジアや中東の絵本など、多様性に富んだ世界の絵本原画が見られます。

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世界49か国から2,657点の絵本原画が出品された BIB 2017 で、グランプリを受賞したのが、ルトウィヒ・フォルベーダさんの《鳥たち》です。細やかな筆づかいで、一見派手さはありませんが、まったく見飽きません。ぜひ間近でご覧いただきたい作品です!

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こちらは、第2席となる「金のりんご賞」を受賞した、キム ジミンさんの《ハイドと私》です。切り抜かれた隙間から別のページの絵が入り込むことで、平面ながら立体的な表現を可能にしています。角度を変えながら覗き込むごとに、違った印象を受けるのが面白いです。

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なお、会場ではその原画が使用された絵本も置いてあり、自由に読むことができます。どのようなストーリーの中で登場したものなのかが理解でき、原画と印刷との違いなども比較できます。


高い評価を受けた日本人作家さんの絵本原画も

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「金のりんご賞」に輝いた、荒井真紀さんの《たんぽぽ》。道端に咲くたんぽぽの一生を、一つの物語を紡ぐように、丁寧に描いた作品です。水彩で細密に描かれていて、とても情緒性豊か!

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また、《たんぽぽ》は原寸大のラフも全ページ分見られます。会場に掲載されていた作家さんのインタビューによると、見開きのものだと1つの場面を描くのに3~4週間もかかるのだとか!ものすごい労力です。

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第3席にあたる「金牌」を受賞した、ミロコマチコさんの作品《けもののにおいがしてきたぞ》。地面を這う虫たち、草むらから姿を現す獣など、生き物たちの営みを力強い筆づかいで描いています。アイディア帳とラフ、さらに完成した絵本まで比較するとより楽しめます。

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こしだミカさんの《でんきのビリビリ》。絹の布に描かれています。高さが150cmもあって現地の展示規格からはみ出してしまい、選考されたにもかかわらずBIBには送られなかったのだとか。こしださんの作品は会場内のフォトスポットにも登場するなど、今回の特別展でも大活躍でした。

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特別展のポスターなどのメインビジュアルに使用された、町田尚子さんの《ネコヅメのよる》の原画(と完成した絵本)。愛らしい猫がたくさん登場していて、会場でも大きな注目を集めていました。絵本の絵も印象的ですが、原画はさらにすごいです!瞳の虹彩や繊細な毛並みなど見事に描かれています。

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作品のラフとともに、モデルとなった猫「白木」の写真なども。作中ではたくさんの猫が描かれますが、モデルの猫の名前をずらりと書き出したメモなども見られます!猫好きな方はぜひ!


ユニークな絵本原画たち。見て触って楽しめます!

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この他にも、ユニークな作品が多数見られます。写真は、中野真典さんの《どもるどだっく》。料理家・高山なおみさんの幼少期をなぞった自伝的絵本に使用されたものです。作家さんのコメントに、「本当に僕が描いたのか?当時のことを覚えていない。」とあるのも驚きです。

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ファッションデザイナーの皆川明さんの作品《はいくないきもの》。透明なアクリルと絵の具を用い、不思議な生き物の姿は表に、背景は裏に描くことで、不思議な立体感が生まれています。絵本では、詩人・谷川俊太郎さんが五七五の不思議な俳句をつけています。

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村山純子さんの《さわるめいろ》シリーズは、透明の樹脂製インクで印刷された点線を指先でたどり、ゴールを目指すもの。会場には実物も置いてありますが、思わず夢中になります。日本の伝統的な文様を用いており、目にもあざやかですね。

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最後の展示室では「いま気になる絵本の国―中国・イラン・イスラエル・韓国」と題し、ユニークな組み合わせの4か国の作品が展示されています。それぞれお国柄が感じられながらも、独創的な作品が展示されています。

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個人的にもっとも気になったのが、パク ジォンチェさんの《ヒキガエルが いく》でした。産卵のために山から池を目指すヒキガエルの大群を描いたもので、作品ごとにアクリル絵の具や油性ペン、水彩、オイルパステルなど、用いる画材を使い分けています。表現の広がりに驚かされました!


「絵本のおはなし会」や「ギャラリートーク」も

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会場内では開館中いつでも絵本を楽しめる「絵本のひろば」が設けられています。会場で原画が展示されていた作品なども、ここでゆっくりと鑑賞できます。

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絵本のひろばを会場として、毎週土曜日に「絵本のおはなし会」も開催されています。お子さんたちは楽しそうに見入っていました。ちなみに、今回の特別展は小学生以下の方は無料で観覧できますので、ぜひお子さんと一緒にお楽しみください!

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また、土曜日を中心に担当学芸員さんによる「ギャラリートーク」も開催されます(11月10日、24日)。所要時間は1時間ほど。作品の見どころはもちろん、BIB についての情報や作家さんの制作の裏話なども聞けます。

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館内のミュージアムショップでは、今回の特別展の関連グッズも販売されています。《ネコヅメのよる》の猫たちが登場するクリアファイルやポストカード、シール、《はいくないきもの》のトートバックなど。ぜひチェックしてみてください。


特別展「ブラティスラヴァ世界絵本原画展 BIBで出会う絵本のいま」

●会期:2018年10月6日(土曜日)~12月2日(日曜日)
●時間:9時から17時まで(入館は16時30分まで)
●会場:奈良県立美術館
●休館日:月曜日(祝日の場合はその翌平日休)
●観覧料:一般 800円、大・高生 600円、中学生 400円
※小学生以下の方は無料でご入館いただけます。
※身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの方と介助の方1人は無料です(各手帳をご提示ください)。
※留学生・外国人の方は無料です(パスポートをご提示ください)。

関連するイベント(※今後の予定)

●ギャラリートーク
・日程:11月10日(土曜日)、24日(土曜日)
・時間:各日11時から(1時間程度)
・担当:奈良県立美術館 学芸員

●体験コーナー「絵本をつくってみよう! 」
・日程:11月11日(日曜日)、25日(日曜日)
・時間:各日10時30分から(随時)

●絵本セミナー「 BIB と絵本制作の舞台裏」
・日時:11月18日(日曜日) 13時から16時30分
・ゲスト:こしだミカ(絵本作家)、筒井大介(絵本編集者)ほか
・受講料:500円

●美術講座「絵本原画から見る世界の文化」
・日時:11月23日(金曜日・祝日)14時から15時30分
・講師:飯島礼子(奈良県立美術館 主任学芸員)

●絵本のおはなし会
・日時:毎週土曜日 13時30分から/15時から(1回30分程度)
・会場:絵本のひろば内
・協力:奈良子どもの本連絡会 ほか

※週末を中心に「ミュージアムコンサート」(観覧無料)も開催されています。
※ギャラリーでは、野迫川村による連携展示「天空の國 のせ川モノがたり」も開催中です(観覧無料)。


交通案内

「奈良県立美術館」(奈良市登大路町10-6)は、近鉄奈良駅(1番出口)から徒歩約5分です。または、JR奈良駅から奈良交通バス「県庁前」下車すぐです。


(リポート・写真 / ナラプラスライター N)


(記事投稿者)
奈良県庁広報広聴課 髙塚・金田
電話番号 0742-27-8325

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