「奈良大立山まつり」がさらに進化!SNSでも話題に
【ナラプラス現地リポート】

1月26日・27日の両日、平城宮跡を会場として『大立山まつり2019 奈良ちとせ祝ぐ寿ぐまつり』が開催されました。
2016年から開催されてきた「奈良大立山まつり」が、古代を体験できるワークショップやお坊さんの講話、奈良時代の儀式の紹介、奈良県39市町村のあったか献立と特産品が味わえる企画など、奈良の魅力がたっぷりと感じられるイベントへと、さらなる進化を遂げました。
来場者の方たちの満足度を示すように、SNSでは「 #奈良ちとせ祝ぐ寿ぐまつり 」のハッシュタグが全国ランキングの上位に登場するなど、会場は熱気に包まれました!

平城宮跡歴史公園 朱雀門ひろばで開催された『大立山まつり2019 奈良ちとせ祝ぐ寿ぐまつり』。四天王像の大立山が、朱雀門の両脇で平城宮を守護するように立ち並びます。

今回のイベントでは、かつて平城京で行われていた儀式「御斎会」の再現にも取り組まれました。オープニングでは女帝・称徳天皇役の方が、宮廷行事で着用した正装を再現した「礼服礼冠」を身に着けて登場。奈良時代の厳かな雰囲気が蘇りました!

復元された「朱雀大路」の両脇には店舗が立ち並び、かつての賑わいを思わせるよう。

ご当地グルメ屋台では、奈良県39市町村のあったかもんと特産品が味わえました。地域のお野菜や特産品を活かした一品など、イベント限定ではなく、すべてその土地で食べられるものばかりなので、奈良県内を食べ歩くきっかけになるでしょう。

奈良県内各地で行われている「立山」の展示も。こちらは広陵町大垣内の立山まつりのもの。カーリング女子日本代表がモチーフで、実際の競技のように動きます!すごい!

各市町村のゆるキャラたちも登場し、地元をPR。会場を盛り上げました。

朱雀大路のステージでは、奈良県各地の伝統芸能とまつりが披露されました(2日間で20団体)。写真は桜井市・大和すくね相撲甚句の皆さん。朱雀門ひろばに美しい声が朗々と響き渡りました。

こちらは、天理市・紅しで踊りの皆さん。大和神社へ雨乞い成就の感謝を踊りにして奉納したことから始まった伝統芸能です。とても華やかで、現地でも見てみたくなりました!
平城宮跡からも「若草山焼き」が見られました

初日1月26日(土曜日)の夜、朱雀門はライトアップされ、四天王像の大立山にも灯りがともります。

古都奈良に早春を告げる伝統行事「若草山焼き」も行われました。18:15からは、大花火の打ち上げです。平城宮跡から若草山までは距離がありますが、とても綺麗に見えました。

18:30になると、若草山に一斉に火が放たれ、空が赤く染まります。たくさんの方が寒さも忘れて見入っていました。
奈良の文化・歴史が楽しく学べる講座なども

また、2日間にわたってさまざまなワークショップや講話も開催されました。こちらは毎回早々に満席になる人気講座「銅鏡チョコレート作りワークショップ」の様子です。三角縁神獣鏡・海獣葡萄鏡・八陵鏡の3種類から好きなものを選べる豪華版でした!

「南都の寺のお坊さん講話」は、奈良の6箇寺のお坊さんの講話が連続で行われるという贅沢な内容でした。写真は元興寺・辻村泰道師の「元興寺創建千三百年を振り返って」の模様です。

平城京式部省大学寮を舞台とした歴史小説『孤鷹の天』作者の澤田瞳子氏と、同寮の発掘調査に携わった杉山洋氏による対談「奈良時代に生きた若者たち ─平城京式部省大学寮を識る─」には、貴重な裏話なども飛び出しました。

ワークショップ「遣唐使からの贈り物 天平茶体験」は、奈良時代の部屋のしつらえの中で、遣唐使が日本にもたらしたというお茶について学び、実際に喫するという内容でした。

講師は煎茶道美風流の家元・中谷美風氏。当時のお茶は「餅茶(へいちゃ)」と呼ばれる茶の葉を蒸して固めた固形茶だったと推測されているとか。軽妙な語り口で、お茶の歴史を楽しく学べました。

「むつきの饗(あえ)」は、復元衣装をまとい、メイクと髪型を本格的に整え(1時間半かかったとか!)、奈良時代の部屋のしつらえの中で「天平の宴」のフルコースをいただく企画です。

お料理は、長屋王家出土木簡を元にした 奈良パークホテルの「天平の宴」のフルコースです。奈良文化財研究所・杉山洋氏が付きっきりで解説してくれるのですから贅沢!「当時はご飯を食べる前に手を合わせていましたか?」といった質問にも答えてもらえます。

クロージングでは、称徳天皇役の方をお守りするように、南都の大寺のお坊さんたちがずらりと並びます。オリジナルの散華が舞い、イベントが厳かに幕を閉じました。ここでは紹介しきれないほど、奈良の魅力が詰まった企画が多数開催された2日間でした。
■大立山まつり2019 奈良ちとせ祝ぐ寿ぐまつり(※終了しました)
●場所:平城宮跡歴史公園 朱雀門ひろば
●日程:2019年1月26日(土曜日)・27日(日曜日)
●時間:11:00~19:00(※27日は18:00まで)
●入場料:無料
※近鉄「大和西大寺駅」、JR「奈良駅」から無料シャトルバスあり(15~20分間隔で運行)
※イベント来場者の駐車場はありません。会場へは公共交通機関をご利用ください。
※近鉄「大和西大寺駅」から会場までは、徒歩でも約20分ほどです。
(リポート・写真 / ナラプラスライター N)
(記事投稿者)
奈良県庁広報広聴課 髙塚・山田
電話番号 0742-27-8325