令和元年6月28日(金曜日)知事定例記者会見

司会:  遅くなりまして申しわけございません。それでは、これより知事定例記者会見を始めさせていただきます。

 本日の発表案件はございませんので、質疑のほうから早速始めさせていただきたいと思います。

 ご質問ある方、よろしくお願いいたします。


質疑応答

国体開催候補地への立候補について

奈良新聞:
 昨日の県議会一般質問の答弁の中でもありましたが、スポーツ施設の整備計画の話の中で、国体二巡目の開催について、10年後についての想定をされるという話がありました。具体的に時期、国体に県が名乗りを上げられるという計画予定について、ご説明いただければありがたいです。

知事:
 次の国体の時期ですが、10年後まで何か決まってるんですよね。だから11年後からあいてる、具体的に申し上げます、さっき資料いただいたから。

 去年福井でやりまして、今年が茨城、来年を1年後、2年後と言いますと、10年後まで決まっています。令和11年まで決まっているということです。11年後は島根県です。令和12年、13年、14年はまだ決まってないと。決めるとしたら、そのことから。ちなみに令和15年で鳥取県がされるということを了解されています。これで二巡目が終わってしまうということですので、令和12、13、14年に、二巡目に入ろうと思うと、二巡目もしませんということなら別にして、必ず二巡目しますということであれば、12、13、14年でしますということになります。

 残っていますのは奈良県、山梨県、沖縄県です。その奈良県、山梨県、沖縄県がどの順番でなるかということですが、奈良県は島根県の後で一応想定して準備を、令和12年の国体を申し込もうと思っています。時期については、そういうことです。

奈良新聞:
 具体的にその申し込みというのは、これをどこにされるのですか、文科省。

知事:
 文科省と、日本スポーツ協会。で、主催するのは県と。その三者ですので、日本スポーツ協会、文科省で主催する、県が主催することが前提ですので、逃げないで申し込むとすれば、県がスポーツ協会へ手続的には申し込んで、特に文科省、スポーツ協会で決めてもらう、県が主催するという段取りです。それはいつまでにしなければいけないということでもないのかな。

担当課:
 申込期限としては、6年前までにとなっています。

知事:
 6年前までにと、期限としてはということですが、残りやっていないのは3県の状況で、二巡目の終了が令和15年ということで、最後は決まっていますので、準備はしなければいけないと。6年後まででいいやと思っても、あと奈良、山梨、沖縄ですので、令和12年から14年の割り振りもあるでしょうから、いつ申し込むことになるんだろうね。

担当課:
 6年前までしか決まってないです。

知事:
 前までだけど、奈良県はまだ申し込む日は決めてないの。

担当課:
 今後ご相談させていただきます。

知事:
 まだ相談を受けてないという状態ですが、そのような状況ですので、申し込むタイミングは早いほうがいいかなと思っています。早いと悪いということでもないんだよね、令和11年まで決まっておりますので。

奈良新聞:
 関連して、昨日のその質問の答弁の内容として、主会場というのか開会式会場というのか、第1種陸上競技場を県営で整備するという方針を示されたのかなと思います。具体的には現状の県立橿原公苑では用地取得に場所が狭過ぎるというお話の中で、位置候補として、橿原市営の橿原運動公園との用地の交換という話をされたかと思うんですが、具体的に橿原市長との間で何か協議が始まっているということは。

知事:
 協議ということにもなるかもしれません。事務的な協議ということですか。私から市長に直接申し込みました。選挙が終わってからではありますが、申し込んだということはあります。そのときはいいねという感触でしたので、昨日お答え申し上げました言い方になるわけです。前向きな意向とお見受けしました。ただ、その大きな財産の交換ということになるので、申し込みなり意向から始まるわけですが、段取りについてはそれこそ協議の対象となりますし、これからの詰めということになりますので、その後、昨日亀田議員への答弁で申し上げましたので、これから協議が進むことを期待しています。

奈良新聞:
 あの中で、橿原市との協議がうまくいかなかった場合も含めて対応を考えていかなければならない。具体的に第2の選択肢として考えておられるものがあるんですか。

知事:
 第2で可能性があるのは鴻ノ池運動公園ですね。

奈良新聞:
 鴻ノ池を県営。

知事:
 いえいえ、それは市営のまま。わかくさ国体もそうだったのかな。

担当課:
 はい。

知事:
 奈良市営の運動公園でやったということですが、この際は、県営運動公園を、開会式ができる公園をつくってやることを、県の責任としてはそこまで考えなければいけないのかなということです。ほかの開催県では、過去30県のうちほとんど、25県が県営公園です。あと4県が政令指定都市です。その他の市とはどこだっけな。

担当課:
 岩手県北上市です。

知事:
 奈良市も中核市でありますので、北上市並みではありますけども、政令指定都市ではありませんが、奈良市と同じように、もう少しさかのぼると奈良市もその他の市ということに位置づけられることになりますが、このような大きな競技場は県がもし持つことができれば、その後の施設の利用も考えますと望ましいかなとも、あわせて思います。

 だから、橿原公苑は10ヘクタールで狭いということですので、開会式をすると20から30ヘクタールあればと思って、そのアイデアを森下市長に、4月の選挙の後だったと思いますけど、立ち話で申し込んだ。それはいいねというご感触でしたけども、詰めが要りますので、その後、事務的な協議が進んだわけでもありませんが、亀田議員のご質問がありましたので、その事実を開陳して、今後進める意欲を表明させていただいたという事情です。

奈良新聞:
 ありがとうございます。

司会:
 ほかにご質問よろしいでしょうか。

NHK:
 関連してなんですけれども、二巡目をやらなくてもいいという選択肢もあるのかもしれないんですが、二巡目に名乗りを挙げるに当たって、この大会をどういう機会にしたいのか、県民にとってどういう機会になればとか、県にとってどういう機会になればとか、その辺の思いを伺いたいんですが。

知事:
 今のところ二巡目を挙げないかもということも考えておりませんので、今申し上げましたように二巡目をいつしようかというふうに考えておりまして、大変遅い手挙げですけど、それは相変わらずという感じでもあるんだけれども、二巡目は必ずしたいなということを、可能性もあるかもしれないということは否定させていただいておきます。

 その上で国体の開催に、どのように開催を受け取るかということでありますけれども、国体の意義そのものが、各県での、各地域でのスポーツを振興しようということだと思います。ドイツのギムナジウム制度も頭にあったかと。あれは戦争のための制度でありましたけれども、その後、ドイツのギムナジウム制度はずっと続いておりますので、ある一時よくなってきたという、戦後ドイツのスポーツがよくなった面があるというような、特に東ドイツですね、というような経緯もあります。それは別の話ですが。

 日本でのスポーツ振興をどうするかという流れの中で国体をどのように受けとるかと考えますと、国体とか、あるいは保健体育ですね、学校スポーツだけではないですね。学校スポーツ中心でありましたけど、国体というのは文字どおり学校以外の人も参加しようということになりますと、学校対抗ではなしに実業団というような大きな種類があって、最近ではプロというのがあって、プロは国体には多分入れないですね、アマチュアのスポーツということでありますので。ところが、最近はいろんなとこでプロスポーツということが、オリンピックと国体というのはアマスポーツの祭典ということに位置付けられております。スポーツということであれば、プロスポーツというのが随分振興して、それとクラブスポーツですね。学校スポーツを外れて地域の総合スポーツセンターというのがはやってきました。それはいい方向だと私は思っています。学校一途のスポーツではなしに、全体に体を使うスポーツ振興、スポーツ振興の中身が変わってきたということでありますので、そのようなこともよく念頭に置きながらというのが第一点ですね。

 従来のスポーツ、国体という従来の振興方式だけではなしに、新しい動きも視野に入れて、このスポーツ振興を考えるということなれば、その施設整備も新しい勢力、それは総合型地域スポーツクラブであるとか、プロスポーツであるとかというものも視野に入れた施設整備をしないといけないということに結びつくように思います。だからどのように思ってということは、国体というパターンの振興だけではなしに、その他の新しい勢力の利活用も視野に入れてスポーツ施設の整備が図られたらというのが、最も大きなことかなと思っております。

NHK:
 国体だけをまず頑張って開催するというよりは、その後を見据えたスポーツ全体の発展にこれを位置付けていきたいなということですか。

知事:
 スポーツ全体の発展というのはちょっと曖昧な言い方だと思いますけれども、どのようなスポーツの発展の勢力があるかということを、今申し上げましたように、まだほかにもあるかもしれませんが、見た上で、多くのそういう勢力の利用に資するようにしていきたいというふうに思っております。スポーツ全体というと、ちょっと曖昧な表現のように思いますが。

NHK:
 ありがとうございます。

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参議院議員選挙について

毎日新聞:
 ようやく参院選の日程が正式に決まりましたけども、奈良県では今のところ3人の方が名乗り出ておられて、奈良も全国と同様に与野党対決になるのかなという感じなんですけども、ことしはご自身の選挙もありましたんで、選挙疲れでちょっと投票率が気になるところでありますけども、知事としては参院選でどのような政策論争あるいは盛り上がりといったものを期待されますでしょうか。

知事:
 今のご質問は政策論の内容への期待と盛り上がりへの期待と、2つの要素があるように感じましたが、そのようなことと受け取って所感を述べさせていただきます。

 参議院選のまず意味ということになります。政権交代というのは衆議院で行われるのが憲法上の制度になっておりますので、参議院はどのような意味を与えるか、ちょっと曖昧なところはあるように思います。政権の安定性に、票が減ると政権の安定性が下がってくる。場合によっては退陣ということも過去にあったというようなことでありますので、政権の交代ではなく、政権内の総理の交代ということにつながる経緯はあったという、そのような性格はあろうかと。

 今度の参議院の選挙については、私はそういうことはないんじゃないかなと思いますし、また、そのような政権の安定性が下がることは、この立場からは望んでいません。今、政権が安定していることで地方の経済とか伸びているように思いますし、ほかの国に比べても、政権が安定していることによって、外交面でも内政面でも経済面でも、あるいは社会保障の面でもいろいろ課題はありますけども、日本流儀で着実にやる素地ができているというふうに思います。

 その中で、地方の政治は、中央の政治が安定しているから多少将来のことも考えて、目先だけではなしにいろんなことができる雰囲気があるように思っております。それは一つは、21世紀に入って顕著なことですけれども、地方分権一括法で地方の役割が大きくなったということに意味があります。国政選挙の意味にも影響いたしますけども、地方の政治の意味が大きくなったというふうに、役割が拡大したと。余り言われない点ですけども、とても大きくなっております。そのように実感しております。

 したがって、地方のイニシアチブが大きくなったというのは、量が大きくなったというよりも、そのイニシアチブをとれる自由度がふえたという、政策の自由度がふえた。自由度というのと、自分で創意工夫をしてチャレンジしていいよと。地方創生という言葉が着実に、当時はなかなか地方創生というのが言葉だけだと言われてた面もありますけれども、全国知事会でも地方創生対策本部ができて、秋田県知事が、地方創生というものが、一年でなくならないように期待しますという発言を全国知事会議でされたのが印象的ですけれども、地方創生というのが着実に進んでいるように私は思います。また、地方創生も新しいことを地方がすべきというふうに国の方針がなっているように思いますので、そのような努力が中央の安定した政治構造の中でできるのは望ましいことだというふうに思っております。

 参議院の意味は、安定性を維持してほしいというふうに思います。今のレベルかどうかは別にして、個別の選挙、奈良県の選挙はどうかということを別にして、全体としては安定性を維持してほしいというように思います。その盛り上がるかどうかといつもおっしゃるんですけども、争点が変わる勢いといいますかね、安定性の観点からは違うことになるんだけども、今の政治を変えないかんとかどうかというのが大きな意味の政治の争点でありますが、安定性と変わるべき点があるという、いつでも変わるべき点はあると思いますけれども、安定性とトレードオフといいますか、安定性を保つのは何も変わらなくていいというわけでなしに、政権をかわって政策を変えるべきか、政権の中で政策を順次変えるべきかというような選択肢になると思います。地方にとっては同じ安定した政権の中で改革が順調に進むことを、そういうパターンを期待いたします。

 それと、政策、それは政権の方向でありますけども、政策の中身、政策上の争点で憲法改正というのは、どのようにその選挙の関心を呼ぶかどうかになります。憲法改正というのは与党が打ち出しておられますので、憲法改正が必要な改憲勢力と言われるのが達成できるかどうかが一つの争点だと思いますが、改憲勢力が達成しても、やはり改憲というのは、より大きな、ミニマムで達成したというよりも、大きな賛同を得て達成するというのが私は望ましいというふうに思います。そのような観点から、どのような憲法改正をまずすべきかという点が、私の観点からは政策の論争になるべきじゃないかというふうに思います。政策の内容という、その点で、勝手な所感でありますけども。

 そういたしますと、9条というよりも、もっとほかに憲法の地方自治の条文が少ないですから、地味なところから憲法改正という考え方もあるのかなと。これ全く憲法に権限的にはかかわりになってない立場でありますけど、地方の見方という意味で、そういう意味でもお問い合わせがあったというふうに勝手に理解いたしまして、地方の立場からいうと、いろんな改正のテーマはあるのではないかなというふうに思います。

 多分安全保障の憲法改正は、最近、石原信雄さんが「私の履歴書」というとこで書いておられますが、湾岸戦争のとき、私も航空部門のときにイラン・イラク戦争で、現場というほどではないんですけども、邦人救助の航空機派遣で担当しておりました。日本航空の乗員組合というのが、組合が断ったのでどうしようかという、邦人救出のチャーターを出す仕事をしておりましたが、そのときに航空局航空事業課長とエアラインの所管の課長だったのですけれども、小沢幹事長、西岡総務会長に、航空局長が呼ばれたときに同席したことがあります。アメリカ軍がイラク戦争に行くのに横田を使用するとか、ちょっと正確には忘れましたけども。そのときに貢献ですね、国際紛争への貢献、石原さんの論文でいえば、その前にクリントン政権のときに北朝鮮の核開発を阻止するために封鎖をしたら機雷掃海をしてくれるかどうかということで、石原さんが法制上できないということをお答えされ、その後法制が整備された。憲法上の疑義がまだ問題になっている中で、憲法上の疑義をクリアして法制整備されたという国会があったということでございます。やはり歴史は変わってきてるなというふうに思います。

  ちょっと話が外れたかもしれませんが、憲法改正にかかわる思い出という程度で、いろいろ変わってきてるという思いはありますけれども、今どう思うかというのにちょっと外れますので、失礼いたしましたというふうに申し上げたいと思います。

毎日新聞:
 地方の立場から、憲法改正のテーマはあるのかなと今おっしゃいましたが、もう少し具体的に、どういったテーマがあるとお考えですか。

知事:
 地方自治の条文が少ないというのが憲法改正のところでありましたね。憲法改正の地方のテーマというのは、積極的に検討したことはありません。参議院議員をしていたときに参議院の憲法調査会の事務局長か事務局次長か何かしまして、その記憶で申し上げている程度ですので、ちょっと時代がずれてるんじゃないかと思いますが、地方の立場で憲法改正について、このような点をすべきだと積極的に考えたことはございません。あるのではないかなという、昔の記憶で申し上げたというのが正直なところです。

毎日新聞:
 そうすると、今後勉強会を開くなどして何かテーマを絞った形で、例えば政府に提案するような、そんなこともお考えにあるんでしょうか。

知事:
 全国知事会の中では、飯泉徳島県知事がそのようなことをされました、飯泉レポート。まだあれ議論がなかなか大変ですからね、飯泉レポートとちょっと考え方が合わないなというままで終わってしまっておりますが、奈良県として憲法改正で何かするということは考えておりません。今まで考えておりませんでしたので、ほかのことも忙しいですから、また仕事をふやしてと言われるといけませんので、優先課題としては都づくりが、やはり奈良県政をどのようにするかというほうが私の立場としては大事かと思います。そのときに憲法絡みの論点が出てくればもちろん考えますが、地方自治に関する憲法上の条文が少ないと申しましたが、地方自治法が随分変わってきましたので、今のところそれで仕事では十分な役割になっているというのがまとめた印象です。

 憲法改正しないとできない仕事があるのかというと、そんなふうには思っていません。日本は憲法を割とゆったりとつくってあるように思います。憲法で細かく書く国と、ふわっと書いて法律でいろいろ書くという、法律の基本法的なのを改正するほうがなかなか大変な国柄ですので、法律を変えるのは国会の仕事ですが、そのテーマ、アジェンダ(=検討課題)ですね、国政のアジェンダ、地方も巻き込んだ国政のアジェンダをその都度その都度打ち出していただく方式がいいんじゃないかなと思っています。

 憲法改正という、安全保障なんかは当然そうなる可能性もありますが、今、必要かどうかというのがその改憲議論だと思いますけれども、安全保障法制が整備されましたし、あれは大変な法制だったと思いますが、法制で整備され得る国だったので、法制上曖昧にしておくと実動できませんので、とりわけ安全保障の体制が実動しないということは絵に描いた戦力ということになりますので、実動はそういうことだと。ほか厚生、民生については法律で相当十分ですので、今の時点で改正に向けて地方政治の立場から何か考えるかという考え方は持っておりません。

毎日新聞:
 最初の話に戻りますが、奈良選挙区でのご自身の立ち位置をお伺いします。全体として政権の安定性を維持してほしいとおっしゃっておられましたが、自民の堀井さんの応援演説等をされるようなお考えはありますか。現職という立場で。

知事:
 具体的な選挙応援。

毎日新聞:
 選挙を、はい。

知事:
 知事選について、西田さんがいた連合からの推薦をいただいた。自民党からも推薦いただいた。自公広くいただいたという、私のほうでは義理があるということを申し上げております。じゃあ義理はどのような形でやるのかというと、その都度考えることになりますが、例えば今週末にある国会議員の決起大会、堀井さんの応援とは銘打っておりませんが、決起大会あるいは国政報告会のようなところについては、ご招待がありましたので出かけたいと思います。そのようなマイクは持ちたいと思います。

 また、出陣式には両方とも行かないことでお許しを得ております。両陣営の出陣式や個人演説会には、両方に義理がありますのでというので、お許しを得ているようにしております。それから、出陣式以降のため書き(=激励文)、祝電のような類いについては、うちの事務局長が両陣営にはかりまして、義理がありますので、余り選挙では旗幟鮮明ということの立場からは変なところもありますが、両陣営にため書きを持っていかせていただくことでお許しを得ております。両陣営へ祝電も打たせていただくことでお許しを得ております。両陣営にそのように申し込んでお願いをしております。

毎日新聞:
 ある陣営のほうに、知事が特定の方にちょっと肩入れをされるような発言を真顔でなさったという話も聞いているんですが、その辺いかがですか。

知事:
 具体的にはどんなことですか。

毎日新聞:
 事実関係を含めて、いかがですか。

知事:
 ちょっと具体的に言ってもらえないと、そんな記憶もないから。

毎日新聞:
記憶ないんですか。

知事:
 うん、ないよ。

毎日新聞:
 しらふでおっしゃられたというような話ですが。お酒の席とかじゃなくて。

知事:
 いつもしらふだから。お酒飲むときほとんどないから。しらふで言ったって、いろいろ知っておられますね。あんまり記憶ないですね。

毎日新聞:
 ちょっと波紋を呼んでいる部分もあるようなんですけど。

知事:
 ああ、そう。何かそんなに選挙に政治力ないですけどね、私は。よくおわかりでしょう。

 ご関心おありなら、また教えてください、そういうことも含めて。ほとんど私の行動パターンは今申し上げたようなことでありますから。今週末はまた行きますけどね、堀井さんのほうに行きます、堀井さんじゃない、高市さんと小林さん。それから公明党にも行きます。その3つは今週、週末ありますので行きます。義理がありますのでという、立場は首長の立場です。首長もいらっしゃいというふうにお招きありますので。

毎日新聞:
 西田さんのほうには、そういった義理は。

知事:
 だから出陣式とか、そういうなのはありませんので、ため書きは両方出しますという点でお許しを得ております。両方陣営にお許しを得ております。

毎日新聞:
 西田さんの集会に行かれるみたいな話は特に。

知事:
 予定ないですね。

毎日新聞:
 はい、わかりました。

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奈良市庁舎耐震化に伴う移転について

朝日新聞:
 以前から知事がおっしゃっていた奈良市役所の耐震化の話ですけど、結果、議会のほうでは、市庁舎を耐震化する案については否決されたというような形になりましたけど、それについてどう受けとめていますか。

知事:
 まだ議会の中で進んでる話ですので、今の時点の耐震原案否決ということについて、それはいいとか悪いとかもよくわからないんですけれども、私が提起しました問題は、現地での耐震というのと、移転新築というのと、どちらが将来に得か、現在の負担がどの程度緩和されるのかということを、よく実証的に吟味してくださいよというのがお願いであります。それは市の市長と市議会のご任務でありますので、私が言う立場にはないと。私が言う立場にはないわけですけども、繰り返しになりますが、年末に朝日新聞でこういう課題があるというふうに報道されましたので、これについてはちょっと意見あるなと思って自分で調べた資料を、市議会の有志の人のお招きがあったので申し述べたということが経緯であります。

 その後、この記者会見でもお問い合わせもありましたので、その後の考え方も継続して申し上げたということでございます。市議会で議論が深まること自身は歓迎でございます。原案を否決されたことについてどうこうということは、もちろん市議会の話ですのでありませんが、もし市議会で議論を深めるということであればありがたい、あれは大きなマターでありますので、県民が納得するという方向で議論が深まればというふうに思っております。

 否決された後、7月23日ぐらいから特別委員会をされるということを聞いております。市議会でこの耐震化問題の特別委員会をされるということを聞いておりますので、私は市議会の特別委員会に参考人として招致してもらえないかということを申し込んでおります。

朝日新聞:
 それ知事のほうから言って、アピールしてるんですか。

知事:
 アピールしてるんです。ここで改めてそう申し上げたいと思います。参考人招致をしていただいて、特別委員会でその意見を述べよと言っていただくとうれしいなというふうに改めて思っております。それはこの際、大事なことですから、比較のための資料ということでありますので、そのようなことをお許ししていただくとありがたいなというふうに思っております。

 それは仲川市長にちょっと立ち話することがあったので申し上げたんですが、冗談かと思っておられるかもしれませんので、その他のルートでもそういう意欲といいますか、期待がありますよということを伝えております。どこに伝えればいいのかちょっとわからないんですけど、議会の特別委員会だから、議会がじゃあ来いよと言っていただかないといけないというふうに思いますけれども。

 それともう一つ関係するのは、これも報道でありますけれども、市議会のほうで市長と知事がトップ会談したらというのがアイデアとして出ているように聞いております。私、トップ会談は密室でするのは嫌いですので、するならばオープンでしたいというふうに思っておるところでありますので、もしそんなトップ会談ということよりも、特別委員会がせっかくつくられるならば、参考人として招致するから意見を述べろと言っていただくほうがうれしいなというふうに思って、一応申し入れたところでございます。実現できたらうれしいなということを、改めて申し述べたいと思います。

朝日新聞:
 それはもう知事として特別委員会の場に行くという。

知事:
 参考人ですから。

朝日新聞:
 知事の立場で参考人として。

知事:
 知事の立場というか、どこかで知事は指示する権限ないんじゃないかとどっかの立派な新聞の記事に書かれたとこありますが、指示の権限なんかあるわけないじゃないですかね。指示もしておりませんし、参考人ですので、知事としてというよりも、知事をやってる荒井という男が何か物言ってるから、有識者といいますか、関心人として意見を聞こうということです。かなうかどうかわかりませんが、指示をしに来いと言われるわけはないわけでありますし、言われたこともないし言ったこともありませんので、そのような、捏造と言いませんが、もし見方があれば否定しておきたいと思います。指示をする立場には全くございませんので、よろしくお願いいたします。

産経新聞:
 産経新聞です。関連なんですけど、参考人として招致してほしいということを申し入れたのは、どこに申し入れたんですか。

知事:
 申し入れたという形になるかわかりませんが、仲川市長には立ち話で、招致してくださいよと、こういうふうに言ったという経緯があります。それと、これルートはあんまり正式じゃないので、議会筋にたどるように、そういう意向があるということを、申し入れという形式はとっておりませんが、お伝えしたという経緯はございます。

産経新聞:
 仲川市長に言ったというのは、もう大分前の話ですか。大分前というか、何カ月も前。

知事:
 二十四、五日かな、この。

産経新聞:
 今月ですか。

知事:
 何か立ち話だったか、電話の何かの雑談のついでだったか忘れましたけども、近々だけど忘れるの得意だから。

産経新聞:
 今月の奈良市議会が終わってからですか。

知事:
 あれいつ終わったんですかね。

産経新聞:
 否決されてからですか。

知事:
 今週ですよ。今週のいつか、ちょっと接触というか、電話だったか忘れたけど。北國新聞と違って余り取材が綿密じゃないから、行動が知られてないので曖昧にしときますけれども。

時事通信:
 市議会に修正可決されたのが25日。

知事:
 ああ、25日か。それを受けて、報道があって、何かでちょっと連絡することがあったのか。間接だったか直接だったか、ちょっとそれも曖昧だから、ちょっと先ほど直接会って言ったとかというのは修正しておきます。ちょっと曖昧で、いつどこでとか言われても記憶の中の話だけだから。

時事通信:
 24でした、修正可決。月曜日。24日でした。

知事:
 月曜日に言ったのかな。私は今週のような気がするんですけどね。一般的に言ってるようなことでもありますので。それと別に、議会筋に到達するように、お願いした経緯はあります。到達しているかどうかわからないですけどね。ここで申し上げるのが一番到達する、たまたま記者会見が今日あったから。で、また幹事社さんが質問されるから、言わせていただいたんですけどね。質問がなければ言ってなかったかな。

時事通信:
 私も幹事社でして、知事が直接市議会特別委員会に行かれるということですけれども、もう既に1月の勉強会で、正式ではありませんけれども、知事としてのお考え、アイデアというのは、一旦は奈良市議会に示されたわけですね。その上でもう一回特別委員会に行かれて話すということは、その1月の段階からさらに進んだような案というのか。

知事:
 できれば進んだというか、その後、また議会のご審議に資するように編集し直して持っていけたらと。私の意見を比較していただきたいという気持ちが強いわけですから、比較のポイントは、そうですね、考えているのは長期的な視点の話、長期的な市の財政、資産の保有の話、もう一つは当面のその資金繰りの話、当面の財政運営の話、それと大宮通りの話ですから、大宮通り中心としたまちづくりに将来的にどのように資するかという観点の話。それと、これは私で精査しているわけではありませんが、議会の話を見てみますと、一般論として現地建て替えは工事の騒音や安全性など必ず問題が出るというように思っておりますので、その点の注意喚起などがあるのかなと。今の時点でポイントとしては、思いつくのはそのような点があります。それは比較という意味で、ポイントをうまく言えたらいいなと。もし、まだ招かれてもいませんのでわかりませんが、その後、関心を持ち続けておりますので、そのようなことを承知していただくと、申し述べたいなと思っています。

 現地建て替えの困難性は、経験したわけではありませんが、県立病院の建て替えで現地建て替えの検討を割と綿密にしたことがあるんですよね。現地建て替えは大変だなという感じがあります。それと、県立病院の建て替えと、県立医大の建て替えですね、教育部門の建て替え。それは移転場所がないかということを探して、県立医大の教育部門については、農業試験場を。それを移してそこに移そうというファシリティマネジメントへつなげましたし、県立病院も県有施設の六条山の住宅公社が持っておりました土地を利用して移そうと。それは立地としても、新規立地の場所もいいし、現施設、特に病院は神経を使いますので、現地の補強建て替えの中でぐるぐる回すというのを随分研究したんですが、大変だな、これはというのが印象でありますので、市役所でも同じことが起こるのではないかというように心配をしております。必ず不満が出る可能性があるというように心配をしております。それは精査した結果ではありませんけれども、市役所の建て替えの工程まで精査したことはありませんけれども、病院の建て替えを随分精査いたしまして、これは大変だ、できれば避けたいというので移転をして、病院としては建て替えは成功したなと思います。

 それは病院ばかりですけど、五條病院を県立病院の主軸病院にしろという意見も五條市議会からありましたけども、立地からして、南和全体の主軸病院としては別のところを探そうというので、大淀の福神に新しい立地ができたという経緯もありますので、あったからそこと決めたわけではないですけども、どこかにないかと探すと出てきたというのが、3つともそうでありますので、普通ならそのようなところには、移転建て替えの経験された人は、移転建て替えがはるかに容易だと思われるのになという思いはありますので、そのようなことも現地建て替えをされる場合は、くれぐれもお気をつけて、というようなことは申し上げないといけないかもしれません。まだ考えておりません。そのポイントはありますと。

 市議会でも、現地建て替えの論点が議論されているようですので、その点は私も同様か、またさらにちょっと違う角度の懸念を持っておりますという点でございます。今、4つほど思いつくまま挙げた次第であります。

時事通信:
 知事がもちろん懸念というところも加えながら、1月時のものを、さらには精度を上げたものを持ってくるかと理解しましたが。

知事:
 そうですね、1月から精度を上げたもので、できればいいなと。しかし、どうしますかね、これも招致されることを想定して勉強するか。一応勉強しておきますかね。

時事通信:
 極めて事務的で、細かい数字も出していなければいけないと思うのですが、恐らく知事さん、お忙しい中、ご自身ではやれないと思うのですが、県の部局としてはどこがそれを担ってくれるのですか。

知事:
 取材の観点ですか。

時事通信:
 そういう意図もあって聞いていますが。

知事:
 どこになるかな。前はどこにしたのかな。また、前の人が、前は去年の暮れからこうやって助けてくれた職員はもちろんいるんですけれども、彼まだいるのかな、同じポストにいるのか、誰が手伝ってくれるのか、また副知事と相談したいと思います。

時事通信:
 それからもう1点同じ関係で、奈良市議会の本会議終了後の仲川市長の囲み取材では、時期的な問題もあり、現行の耐震化案からがらっと変わるようなものというのは、今からでは難しいというご認識を示されていたんですけれども、それでもあえて建て替え等とどちらがいいかということを問いに行かれるということですか。

知事:
 実現可能性がないといけませんので、今のままでは、これしかその実現可能性がないかというところが大きなポイントですよね。移転建て替えは間に合わないと、こう言っておられるけど、間に合うかどうか。もちろん間に合わないことを言ってもしようがないので、間に合わすには移転建て替えを間に合わせて地方債を起こすには、このようにすればということになりますので、そのようなことも入ってないと、間に合わないとおっしゃってるけど間に合いますよと言わないと、移転建て替えはだめだなということで。そのことを、移転建て替えは、市のほうは検証されていないわけですから、それは第三者で間に合いますよということを言いに行くのも余計なお世話かご親切かわかりませんけども、この案を出された、それについて吟味されると、その違う代替案との比較というのは、比較してここに決めますという手法ではないと思いますので、その点をちょっと心配してるわけですね。

 代替案の時期的な切迫性ということになりますけども、現地の、緊防債の切迫性ということもありますし、一番念頭だと思いますけども、移転建て替えのほうの、緊防債がないですけれども、22%ぐらい交付税が出る別の地方債があるんですけれども、これは2年度中に実施設計に着手したら出るということが去年の12月に新しく出てきた情報ですので、それも余り報道されないけれども、移転建て替えがアジェンダに載ってないからだと思いますけどね、それを私は注目しております。率は低いかもしれませんが、2年度中に移転建て替えの向こうでの実施設計着手という、2年度中の実施設計着手というのは間に合うのではないかと思ったりするものでありますので、実施設計完成ではなしに着手という条件に寄りつかないかなというように、その段取りで間に合わないという点に対しては、間に合わないかどうかというようなものは検証されてないように思いますので、このようにすれば間に合うのではないですかというようなことは参考意見として、全くの参考意見でありますけれども、申し上げられたら、参考になるかもしれないというように思うところであります。

時事通信:
 そのスケジュール的な面も含めた精緻なものを、この29日以降の……。

知事:
 段取りが大事だというように、当然役所ですからそう思っておられるに違いないと。長期的な財政の、それと財政の支出面でこれだけ比較があって、それは当然工事が少ないほうが支出が少ない。収益とのバランスということを1月のことも言ったんですけど、収益はリスクかどうか。リスクを軽減するにはこのようにすればいいのではないかということも、もう少し精緻なことも申し上げられたらというようには思っております。

時事通信:
 最後に1点だけ、今、お金の面の話が出ましたけれども、恐らく仲川市長の念頭にあられるのは、やっぱり財政の話……。

知事:
 財政、そうですね。

時事通信:
 なのですね。どう考えても、今、現地での補強よりも移転建て替え、現地建て替え、どちらもお金がかかるわけですから、一つの説得材料にもなるかもしれませんが、県側として何かそのあたり、お金を持つといったことはあるのでしょうか。口だけ出して、お金のことは。

知事:
 お金は、1つは長期的には帳尻合って、60億も得しますよと、こう言っているわけで。それはリスクはあるよ、先の話だから当面大変だよという反論が当然あるわけですけれども、それの当面の大変さをどのように克服するかという点で、県として、用地取得をしてというお金が要りますねと、もし移転すると。そのときには県が、あの地は、県が朱雀大路を南まで延ばすという県有地取得の意思も一部分ですがありますので、それを全面的に県土地公社が取得して、県が市に財政の段取りがつくまで貸し続けるという案は、一応伝えてるところですけどね。

時事通信:
 前回の知事定例でもおっしゃったことですね。

知事:
 そのようなものも大きな財政支援になると思います。財政が悪いから支援するというスキームはなかなかつくりにくいです。俺も悪いから金くれとは、普通は言えませんが、そうおっしゃるところもございます。そのようなスキームがあると、悪いと助けてくれます。空調で設置していない小学校を助けるというのも、そんなところがありましたが、緊急性ということでやりました。また、上牧と御所に無利子貸し付けをしたのも、緊急性と、もう倒れそうというので財政支援をしました。しかし、今、奈良モデルをやってるのは、いろいろ事業をやるときに、奈良モデルの支援を通じて財政を助ける結果になりますよといろいろ喧伝しているわけであります。

 だから事業をやらないと、奈良モデルの財政支援も受けられません。これも県と市のまちづくり協定の中で協定を結んで、現地の売却のほうを開発、あるいは移転についての移転地は市も県も構想がありますので、いい絵を描くという場合に、市が絵をやるだけではなしに、県が一緒に、ソフトのほうは2分の1、まちづくりの中では2分の1ということに支援のスキーム決めておりますので、事業費の支援ということも当然あります。そのようなことも奈良モデルのまちづくり対象になれば支援のスキームも発令されると思います。

時事通信:
 奈良モデルの連携協定という枠組みになれば、そういったスキームも発令されるということですね。

知事:
 連携協定になれば、そうですね。今の現地の開発、移転地の開発、両方連携協定の対象になれば財政支援の対象になると思います。どのような財政支援かは、多少新しい話ですので、少なくともソフトについて、今の現地をどのように開発するのか絵を描けということになれば、調査費なんかは2分の1を県が負担するのは確立しておりますので、多分その対象になると思います。しかし、今は移転する気はないから、そんなの要らないよというのが今の立場かと思います。移転するとなれば、そのような財政支援の対象にもなろうかと思っております。

時事通信:
 移転建て替えないし現地建て替え等々するんであれば、そういった奈良モデルのスキームの上に乗っかっていけます、財政支援もありますよと。

知事:
 当然ですね、そうですね。現地の中での建て替えだけじゃ、支援の措置はなかなかないですよね。

時事通信:
 じゃ、あとは移転建て替えの場合であれば、奈良モデルスキームの対象となりますか。

知事:
 十分ありますよということは念頭にあります。

時事通信:
 わかりました。

産経新聞:
 過去に話されてたかもしれませんが、そもそも的な話で、朱雀門の目の前を開放的にするってすごくいい、あの積水の場所は、観光的に物すごく重要な場所ですよね。あそこに行政の事務を担う役所を持っていくことのメリットというか、そもそもどうしてあっちのほうが場所としていいと考えられたかということをお聞かせください。

知事:
 普通の考え方だと思います。朱雀門がありますが、大極殿と平城宮はもともと行政府でした。今で言う霞が関、永田町でしたので、そこに奈良市の役所が行くというのは本来に適したとてもいい話だということです。また、それは観光面でもいい話だと思います。それは平城京の南、積水化学工業の敷地は大きいですから、県が、市が行ってもまだまだ余ってしまいます。それを南のほうへ、例えば三条通りのほうへつくるということであっても、朱雀大路をずっと南へ延ばしたいという、これは県の構想であります。

 すると、朱雀門の前に市役所ということになる。朱雀大路の前が市役所というので、朱雀大路に面しているのにふさわしい意匠で、どのような意匠になるか。昔の朱雀大路の往時を、朱雀大路の意匠を多少しのばせるような意匠でつくると、それ自身も観光名所になる可能性があると私は思います。意匠まで言うことはないんですけれども、相性が悪いというわけではありません。県庁も屋上とか、いろんなところは観光名所になって、入り口からどんどん人が入ってきていただいておりますので、そういう観光名所としても十分使える。しかも行政機能がかつて中心地があったところに移るのは、とても縁起がいいと私自身は思っております。

 また、朱雀大路のように南に面しているところで、ワシントンにスミソニアン広場というのがあります。いつも大統領の宣誓式を何万人も埋める広場です。この広場のように、朱雀大路が三条通りまで大きく展開することになれば、奈良の観光の名所になって、そこに役場が風格よく昔のたたずまいでつくられるというのも一つの観光名所になると思います。北のほうの整備もそのように思います。

 なお、不便になるという意見があるように報道で聞いておりますが、今もそこそこ不便なんだけれども、今度ぐるっとバスが直通運転し始めました。ぐるっとバスの通路になると、しかもこの建物が建つぐらいになると、西大寺の南口が開発されますので、ぐるっとバスの直通バスは西大寺南口からこの平城宮跡通って朱雀門前通って、大仏殿前まで行くというルートを今、想定しております。そのため今の市役所よりもバスだけでも西大寺、近鉄奈良からのアクセスが、はるかに便利になると私は思います。

 それと、近鉄の移設ということも視野に入れますと、あそこに駅ができる可能性もありますのでという、これは将来の話で、不確定ではありますが、できるとますます便利になると思います。そのようなまちづくりの構想の中での一環が、便利さあるいは観光と市役所ということです。

 私の観点からすれば、役場も大きな観光要素です。そのように意匠から市役所を一部観光案内所とか観光の名所に形づくるのは、今の役所でされるよりも、現地でされるほうが、よっぽど役場としてはいい展開になるかと思います。そのようなことを、もし機会があれば申し述べたいと思っています。

産経新聞:
 奈良市役所は、震度6強ぐらいの地震で何か壊れてしまうというような心配もあって、もし移転建て替えの場合には、今の現状のまま残しておく期間が長くなると言われています。何年か、4年、5年かわからないですが、そうすると心配だという声もあるように聞いております。そのことについてはいかがでしょうか。

知事:
 移転建て替えの完成時期との関係ですね。多分応急耐震でも工事期間がかかりますし、移転建て替えもかかると思います。移転建て替えのときは、敷地が、今、工場を撤去して手に入るという、このタイミングというのはとても大きなことであります。これから用地を探すというのはとても間に合わないと思いますが、そのような目の前に用地があるということで、その移転建て替えと現地建て替えの耐震補強が完成する時期という比較も大きなことだと思います。段取りが大きなことだと思います。それが現実にどのくらいおくれるんだということは、比較して市民の方の納得を得られないと、想像の懸念だけじゃもったいないと私は思います。

産経新聞:
 わかりました。

知事:
 それと、現地は耐震補強しても震度はIs値が1.0にいかないんですよね。0.7幾つだから、耐震補強32億使ってもそこまでどまりですので、耐震補強というのは。これについて市議会あるいは関係者の方はどう思っておられるのかということが心配です。やはり、ここもそうですけども、地震が起こったときの一番の頼りはヘッドクオーターの市役所です。その市役所も潰れてしまっても、目の前のホテルは残ってるとなると、ヘッドクオーターをホテルに移すんかということになる、きっとそうなりますよね。1でもしだめだったら、補強した後倒れるという、これはちょっと悪いシナリオですけども、Is値0.7というのはどの程度、どこが倒れてどこが弱いのかということになりますので、それに対して、そこどまりだということも多少議論があるようですけども、それはまた、あとの話だというのも、多少無責任なような気はいたします。ヘッドクオーターの耐震性ということは大事な話だと思います。

 市民の方が来られるという意味でも大事ですが、役場とかは夜は人がいなくなるんですよね。夜は人がいないから、昼間の耐震、昼間は多少逃げやすいということはありますね。多少皆あったときに全部人がいますから、それ逃げろというと救われやすい。昼間働いてるところで全滅したという例はむしろ少なくて、夜家に帰って、夜に地震が起こったときは大変だと思います。神戸市役所がそうでした。阪神の復旧のときに大きな動きがすぐに出なかったのは、神戸市役所が傾いて使えなかったからです。できないというのは大きなことだったと思いますので、そのようなことも念頭にあります。

 そのようなこともよく、やっぱり政治は、その検討するときは賢く念入りに検討せないかんというふうにはつくづく思うところです。この際、余計なことを言っている面もあるかもしれませんが、指示ということは全くありません。情報をとって広く判断していただければと思います。情報は、おか目八目かもしれませんが、ほかの移転とかいろんなことを、耐震も含めて経験してますので、まちづくり、先ほど言った観点からの意見、参考人の意見ということで、やっぱりお聞きいただくことができればありがたいなと思います。

司会:
 よろしいでしょうか。ほかにご質問はございませんでしょうか。よろしいですか。

 幹事社さんはよろしいですか。

 それでは、これで知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

知事:
 ありがとうございました。

(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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