特集

県民だより奈良 2019年10月号

特集
すべての子どもを
大切に守り育てる地域づくり

つどいの広場(桜井市)
 核家族や共働き世帯の増加など、生活スタイルの変化にともない、子育ての環境も変化しています。多様な生き方を尊重しつつ、それぞれの家庭に合った子育て支援を行うことが必要です。
 県では、妊娠から子育てまでを切れ目なくサポートし、子育ての不安や負担を軽減するため、市町村や企業とも連携してさまざまな取り組みを進めています。今回の特集では、「すべての子どもを大切に守り育てる地域づくり」を紹介します。
核家族世帯数の推移(奈良県)

出典 国勢調査
子育てに不安を感じる人の割合は増加傾向にあり、
その内容は家庭によりさまざまです。
子育ての心理的・精神的な不安・負担感
妻の「子育てがしんどい」と感じた要因
夜泣きで寝不足だった 46.0%
子育てについて分からないことが多い 41.6%
子どもの発達や健康のこと 35.2%
訳もなくイライラした 29.4%
母乳の悩み 28.8%
赤ちゃんがなぜ泣くのか分からない 21.8%
産後体調がすぐれなかった 19.9%
夫との関係 18.9%
家族との関係 12.5%
誰も助けてくれない 10.1%
子どもがかわいいと思えなかった 4.0%
その他 7.9%
(複数回答)
出典 平成30年奈良県結婚・子育て実態調査
 子育ての早期に不安を抱えるお母さんの姿が、データから見えています。
 県内には気軽に相談できる子育ての支援拠点が整備されていますが、さらに妊娠期から相談できる体制を充実させることが必要です。
児童虐待の未然防止のために
 児童虐待の相談対応件数は、県・市町村ともに過去最高で、その中には子育て不安の相談も含まれています。
 児童虐待を未然に防止するためにも、身近な市町村でのサポート体制の充実や、県と市町村との連携が必要です。
児童虐待相談対応件数の推移
児童虐待相談対応件数の推移
出典 厚生労働省「福祉行政報告例」
妊娠期からの切れ目ない支援のために
 妊娠期からの子育てを切れ目なくサポートするため、「県と市町村」、「市町村の各機関」がさまざまな形で連携して、一体的なサポート体制をとっています。
市町村の各機関が連携
妊娠・出産・子育てに関する相談や支援 市町村
保健センター
妊娠届出の受理や健診等を行います。
子育て世代包括支援センター(県内28市町村に設置
地域の妊産婦・乳幼児等の状況を把握し、必要に応じて支援プランを作成します。
児童虐待を含む専門的な対応 市町村
子ども家庭総合支援拠点(県内6市町村に設置
子育て世代包括支援センターや児童相談所等と情報共有し、相談対応や実態の把握をします。
要保護児童対策地域協議会(県内全市町村に設置
保護を必要とする児童の状況に応じて関係機関で構成され、支援の進行状況を確認・管理します。
県と市町村が連携
県こども家庭相談センター(児童相談所)
緊急性・重症度が高いケースを対象に、児童の一時保護、専門的相談などの個別対応を行います。
※平成31年4月現在の設置状況
県と市町村の連携を強化し、サポート体制を充実させるために
 県では、県内市町村との連携を強化するため、市町村の子育て支援・母子保健・児童虐待対策の担当者を対象に研修会を実施しています。また「奈良県・市町村長サミット」では、知事と市町村長が子育て支援についても意見交換を行いました。情報を共有し、課題の解決策を探ることで、子育てサポート体制の充実を目指します。
市町村子ども・子育て支援担当者研修会
市町村子ども・子育て支援担当者研修会
奈良県・市町村長サミット
奈良県・市町村長サミット
地域の特徴に合わせた子育て支援の取り組みについて、
市町村の担当者にインタビューしました!
気軽に相談できる関係を明日香村
辻本 成実さん
明日香村 健康づくり課
辻本 成実さん
 妊娠期からの訪問を村の職員や子育て経験のある地域のボランティアが定期的に行うことで、困りごとがあった時にも気軽に相談してもらえるよう心掛けています。また、子育て支援から高齢者福祉までを健康づくり課が担っており、幅広い年代が出入りし、立ち寄りやすい雰囲気の中でさまざまな相談ができます。
 いただいた意見も積極的に取り入れ、子育て支援アプリ「あすかっこ!」も導入しました。アプリでは、受けられる支援やイベントの情報などを通知で受け取ることができます。
 子育てを地域に支えてもらった人が、サポートする側へまわってくれることもあります。これからも地域のみなさんと一緒に、子育てがしやすい地域づくりを進めていきたいです。

子育てイベントのようす
子育てイベントのようす
つながるきっかけづくり桜井市
河村 佳子さん
桜井市 こども未来課
(保健師)河村 佳子さん
 平成28年に、子育て支援や児童虐待対応の担当課を一カ所に集めた保健福祉センター「陽だまり」がオープンしました。全ての家庭が安心して子育てできることを目指して、多くの専門職が同じフロアで効果的に連携し、さまざまなニーズに対応しています。親子で気軽に遊ぶことができる「つどいの広場」もあり、利用者同士の交流やスタッフとの交流も増えました。
 男性の育児参加が増える一方で、子育ての孤立化による不安感や負担感に悩む保護者も増えています。地域のコミュニティが薄れる中、保護者が地域とつながるきっかけになる取り組みを進めています。
 児童虐待対応だけでなく、子どもに関するさまざまな相談に対応する支援拠点として、必要に応じて関係機関と連携しながら保護者の子育てをサポートしていきます。

つどいの広場
つどいの広場
企業と連携した取り組みも進めています
 県と協定を締結している「市民生活協同組合ならコープ」では、「つながる箱」プレゼント事業を行い、子育て家庭が地域とつながることを後押ししています。この事業では、子育て経験のある女性スタッフが、1歳未満の子どもがいる県内家庭を訪問して、育児用品をつめあわせた「つながる箱」をプレゼントし、子育ての相談窓口を案内します。
 県では、スタッフへの研修などを行っており、今後も企業と連携した子育て世帯のサポートを進めていきます。
「つながる箱プレゼント事業」

QRコード(「市民生活協同組合ならコープ」へリンクしています)

 www.mail-member.com/tunagaruhako/

市民生活協同組合ならコープ
コールセンター
電話 0120-577-039
県女性活躍推進課
電話 0742-27-8729
※「県民だより奈良」は県内の各家庭にお届けしています。
 市町村窓口、県の施設などにも配置しています。
※点字と声による「県民だより奈良」も発行していますので、必要な方は県広報広聴課へご連絡ください。
 県では、経費削減のために、「県民だより奈良」の裏表紙に有料広告を掲載しています。
 広告の申込・お問い合わせは、株式会社キョウエイアドインターナショナル大阪支社(TEL:06-4797-8251)まで

お問い合わせ

広報広聴課
〒 630-8501 奈良市登大路町30
報道係 TEL : 0742-27-8325
広報紙係 TEL : 0742-27-8326 / 
FAX : 0742-22-6904
デジタル広報制作係 TEL : 0742-27-8056
県民相談広聴係 TEL : 0742-27-8327
相談ならダイヤル TEL : 0742-27-1100

ナラプラスバナー
   ↑
スマホアプリ「ナラプラス」でも電子書籍版がご覧になれます。
詳しくはこちら

マチイロロゴ画像
   ↑
スマホアプリ「マチイロ」でも電子書籍版がご覧になれます。
詳しくはこちら