NHK『やまと尼寺 精進日記』後藤住職をお迎えして
【ナラプラス現地リポート】(令和2年11月)
高齢化社会となった現代、みな健康寿命を伸ばし、誰もが住み慣れた地域で生き生きと生活できることが求められています。
「奈良県介護実習・普及センター」では、高齢者尊厳の保持と自立生活支援をめざし、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、食べる喜びを通して、人生を楽しく生きるための健康法と知恵を学ぶことを目的として公開講座を開催しています。
この日は「Afternoon tea & 心の癒やし」と題し、NHK Eテレの番組『やまと尼寺 精進日記』で知られる、奈良県桜井市の音羽山観音寺・後藤密榮住職をお迎えして、田原本町味間産の里芋を材料にした「芋ぼた」の調理を行いました。
番組では、桜井市の山中にある尼寺の日々の生活と訪問者との交流、そこで作られる精進料理などが紹介されます。その一端に触れられる、とても和やかで楽しい会となりました。
会は後藤密榮住職のご挨拶でスタートしました。お隣は、アシスタント役として参加された堂上潤子さんです。標高600メートルの山中にある音羽山観音寺の麓にお住まいの、番組でもお馴染みの方です。

会場は「奈良県介護実習・普及センター」介護実習室&調理実習室です。
コロナ禍ということで、全員がマスクを着用しています。受付では氏名と連絡先が確認され、検温・手指消毒を行うなど、感染防止策を徹底しての開催となりました。
喉越しがよく、素朴な味わいの「芋ぼた」
この日は、奈良県在来のサトイモの品種「味間(あじま)いも」を使用して「芋ぼた」を作ります。炊飯器でご飯と一緒に炊く際には、梅干しを入れるのがコツ。塩を入れるよりもまったりした塩味が出るそうです。

炊きあがったご飯と味間いもは、お芋の食感を少し残る程度まですりこぎですり潰します(※梅干しは取り除いておきます)。お芋の穏やかな香りがふわっと漂ってきます。

それを俵形に優しくまとめていきます。まずは御住職がお手本を見せてくれました。いつもテレビ番組でお料理の様子を拝見していますが、手際の良さはさすがです。

たっぷりとあんこを乗せたら完成です!あんこは堂上さんのお手製で、おはぎ用のあんこよりも柔らかく、そして甘さ控えめに炊き上げてあるそうです。

御住職がよく飲まれているという「ドクダミ茶」も振る舞われました。音羽山で摘んだドクダミをミキサーにかけ、茶こしで濾していただきます。さっぱりとしていますが苦味も強く、野趣あふれるお味でした。

美味しそうな「芋ぼた」が完成しました。おはぎとはまた違った風味と食感で、里芋が入った分だけ喉越しが良く、お芋らしい風味が感じられます。素朴で味わい深い一品でした。
また、色鮮やかな「しそジュース」は音羽山で作ったもの。お寺では5倍酢で作っており、1年間は美味しくいただけるのだそうです。

お料理が完成したら、着席してみなで味わいます。
美味しくできたようで、御住職も笑顔でした。
この後、質問コーナーも設けられ、「炊くときには少しお水を多めにする」「混ぜて里芋ご飯にするのも美味しい」などのコツを伺うことができました。楽しい会をありがとうございました!
■「Afternoon tea & 心の癒やし」~秋のスイーツと後藤住職とのコラボ!~ (※終了しました)
●日時:2020年10月13日(火曜日)13:00~15:00
●場所:福祉住宅体験館 奈良県介護実習・普及センター 1階 介護実習室&調理実習室(田原本町大字多722)
●講師:後藤密榮さん(音羽山観音寺 住職)
●対象者:県民 15名
●材料費:1,000円
関連│やまと尼寺 精進日記/献立帳 - NHK
(リポート・写真 / ナラプラスライター N)
(記事投稿者)
奈良県庁広報広聴課 中路・林野
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