障害のある方への手助け・配慮を学びます
【ナラプラス現地リポート】(令和3年2月)
奈良県では、平成25年8月から「あいサポート運動」に取り組んでいます。
この運動は、障害のある方が困っているときなどに、ちょっとした手助けや配慮を実践できる「あいサポーター」を養成し、これを拡げていくことにより、誰もが暮らしやすい共生社会の実現を目指すものです。
その一環として「体験型あいサポーター研修」が開催されました。まずは「あいサポート運動」について知り、さらに視覚障害のある講師の方へのサポート体験を通じて、より実践的に学びました。

研修の前半では、テキストやDVDを使ってさまざまな障害の特性などを学びました。奈良県民の15人に1人が障害者手帳を所持していることなども説明され、決して他人ごとではないことなどを理解していきました。
続いて、DVDで「視覚障害」「肢体不自由」「依存症」「補助犬」などについて視聴しました。研修に使用したDVD「シルコトカラ」の内容は、動画配信サイト「YouTube」にアップされています。ぜひご覧ください。
シルコトカラー奈良県障害理解チャンネルー - YouTube
視覚障害者の方へのサポートを体験しました

この日の講師は、辰巳寿啓さん(一般社団法人奈良県視覚障害者福祉協会 会長)です。辰巳さんは全盲でヘルパーの支援なども受けながら、白杖を使って生活されています。
視覚障害には全盲や弱視などがあり、その程度や種類は様々。日本全体で31万人が視覚障害のため障害者手帳を所持しているそうです。障害の特性によってサポートの仕方も違ってきますが、この日は白杖使用者への声の掛け方、誘導の仕方を体験しました。

上記は、参加者に配付された3つ折りの印刷物「いっしょに歩こう」の内容です。白杖や盲導犬の説明、誘導する際の注意点などが解説されています。

椅子に誘導する際の手順、テーブル上の物の位置を説明するクロックポジションの解説などがあります。視覚に不自由がない者には気づきにくいポイントも多く、とても実践的です。

会場では、参加者全員が視覚障害者さんへのサポートを体験しました。
まずは「どうしましたか?」「お手伝いしましょうか?」と声をかけます。くれぐれも急に手を掴んだり衣服を引っ張ったりしないように心がけます。

誘導する際には、ひじの上を軽く持ってもらいます。「テーブルとテーブルの間を歩いています」「あと何メートルで着きます」など、周りの状況を説明をしながら誘導すると、よりベターです。

椅子に座ってもらう際には、まずは座面に物が置かれていないかを確認し、片手で背もたれを、もう片手で机に触れてもらうように誘導します。
机と机の間の狭い場所を通るシミュレーションも。「ここから狭くなります」などのように状況を説明しながら、腕を背中側に回して一列で通ります。
サポートに慣れないうちは、思わず手を引っ張ってしまったり、「こちら」とか「あちら」という指示語を使いがちです。自分で体験をしてみて初めて気づくことも多く、皆さん新たな発見があったようでした。。
緊急時には、迷わず大きな声で呼びかけたりしましょう。「ワンピースの女性の方!」など、具体的に自分のことを呼んでいることがわかるように声をかけるのがポイントです。
「あいサポーター研修」に参加してみませんか?
「あいサポーター」は、意欲があれば特別な資格は必要ありません。研修を受講すれば、あいサポーターとして活躍できます。
地域や職場などで行われる研修会等に講師を派遣して「あいサポーター研修」を実施することもできます。「あいサポート運動の話を聞きたい」「地域や職場の研修であいサポート運動をとりあげてみよう」と思われた方は、県障害福祉課あてにお申し込みください。
「まほろばあいサポート運動」について
■令和2年度 体験型あいサポーター研修(※終了しました)
●日程:2021年2月6日(土曜日)14時~15時30分
●会場:奈良県文化会館 第2会議室(奈良市登大路町6-2)
●定員:20人(先着順)
●受講料:無料
●受講対象:奈良県に在住、通勤、通学されている、あいサポート運動に興味のある個人の方
※詳しくはこちらをご覧ください
(リポート・写真 / ナラプラスライター N)
(記事投稿者)
奈良県庁広報広聴課 中路・林野
電話番号 0742-27-8325