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お米の話 ~お米をたくさん食べよう~

お米の収穫も終わり、皆さんの食卓も、古米から新米に変わってきていることと思います。今年の米の作柄は天候にも恵まれ、豊作となっています。日本人の主食であるお米がたくさんとれたのですから、喜ぶべきことです。しかし残念なことにお米が余っており、平成十二年十月末の持越在庫見込が二百八十万トンにもなっています。日本人の一年間のお米の消費量は九百三十万トンと見込まれていますから、いかに多くのお米が余っているかおわかりと思います(平成十三年産米穀の生産及び出荷の指針農林水産省より)。お米が余らないように、生産者はお米を作る面積を制限し、麦や大豆、野菜等を作り、お米の計画的な生産に努力をしています。

 しかし、それ以上にお米の消費量自体が減ってきていることが、米余りの大きな原因になっています。昭和四十年に百十二kgであった国民一人一年当たり消費量が、平成十年には六十五kgまでに減少しています。 お米の消費量の減少は米余りを助長するだけでなく、私たちの健康にも大きく影響しています。日本人の食生活が大きく変化し、摂取エネルギーに占める脂質エネルギー比が増加し、脂質の過剰摂取により生活習慣病(成人病)が増えています。お米(ごはん)を中心とした日本型食生活は栄養バランスに優れ、生活習慣病(成人病)の予防に効果があると言われています。平成十二年三月に出された「食生活指針」(文部省、厚生省、農林水産省)においても、『ごはんなどの穀類をしっかりと。』,「穀類を毎食とって、糖質からのエネルギー摂取を適正に保ちましょう。日本の気候・風土に適している米などの穀類を利用しましょう。」,と示されています。

 ところで、皆さんは、どのような品種のお米を食べているでしょうか?現在、全国で一番たくさん作られているお米の品種は、”コシヒカリ”です。次いで”ひとめぼれ”、”ヒノヒカリ”、”あきたこまち”の順となっています。これら四品種で、全体の五十%以上を占めています。これらは皆、味の良い品種です。同じ品種でも、栽培地の土壌・気象条件、栽培方法等によって味が違います。また、食べる人の味覚も様々で、個人差があると思います。同じ品種ばかり食べるのではなく、色々な産地の品種を食べ比べてみるのもおもしろいでしょう。

 さて、奈良県では、どのような品種のお米が作られているか、ご存知ですか。県全体の約五十五%が”ヒノヒカリ”です。”ヒノヒカリ”は、平成四年から奈良県で作り始められ、年々その面積が増えています。”ヒノヒカリ”は、”黄金晴”に”コシヒカリ”を交配してできた品種で、”コシヒカリ”のおいしい味を引き継いでいます。奈良県では、JA奈良県が、「万葉ふるさと米」ヒノヒカリとして販売しています。また、”ひとめぼれ”、”あきたこまち”も、最近、面積が増えてきています。

 このように、地元奈良にも、おいしいお米がたくさん作られていますので、ぜひ、食べてみてください。そして、おいしい奈良県産のお米をたくさん食べて、お米を中心とした栄養バランスの優れた”日本型食生活”を実践してください。

2000年12月
奈良県農業技術センター 専門技術員 土井正彦