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                お米の品種「ヒノヒカリ」の話

 みなさんはどんなお米を食べていらっしゃるのでしょうか。お米には色々な品種があり、コシヒカリ、ササニシキ、あきたこまちなどはご存じのことと思います。
 県内で最も多く作付けされているのはヒノヒカリです。この品種は宮崎県総合農業試験場で育成されたもので、愛知四〇号とコシヒカリの組合せからできました。このヒノヒカリの育成ではおいしい品種を目指し、ビーカーで炊いてその光沢がコシヒカリと同じように良い系統を二代にわたる選抜を加え、良食味系統が誕生しました。

 そこで本県では県農業試験場において水稲の奨励品種を決めるための試験を昭和六十三年から行い、その中で品種の特性を調べ、奈良県での栽培や消費者ニーズに適するかどうかを検討しました。この試験の中で実際にご飯を炊いて試食し、基準の品種と比べて良いか悪いかを判定する食味試験で、ヒノヒカリは他の品種に比べ明らかに良い評価が得られました。

 栽培適性についてはいもち病と倒伏に弱い点が問題と思われましたが、いもち病については本県平坦部では発生が少なく、大きな被害にならないと思われます。倒伏についてはそれまでの品種のアスカミノリに比べ、穂が傾くまでは弱いがその後はだんだんと強くなり成熟期前頃からは逆に強くなる傾向が見られ、十分水準を満たす品種であると判断されました。そのため、平成四年に奨励品種として種子の確保を行いながら普及を図ってきました。その結果、アスカミノリに替わり作付面積は急激に増加し、現在では県全体の六割以上作付けされるようになりました。
 ぜひ、奈良県産のヒノヒカリを食べて、おいしさを確認してください。

2001年8月
奈良県農業技術センター 生産技術担当 
作物栽培チーム 総括研究員 西尾和明