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新しい特性を持ったお米の品種

 お米は日本の主食ですが、一人当たりの年間消費量はどれくらいでしょうか?調査資料によると、現在、一人当たりの年間消費量は約60kgとなっています。これは、最も消費量が多かった昭和37年の約118kgと比べ、半量にしかすぎず、年々減少傾向にあります。そこで、国では、最近の消費者の多様なニーズに対応したお米の新しい利用方法を創り出すことによって消費拡大を図ろうと、様々な特性を持った新形質米と呼ばれる品種の開発が行われています。今までのお米の品種改良は、主に普段ごはんとして食べている粳(うるち)米やお餅の原料の糯(もち)米の収量性、耐病虫性、品質、食味などの改善を目的として行われてきました。しかし、新形質米はお米の成分、形態、色などを変異させることによって、通常のお米品種とはちがった特性を持っています。
新形質米と呼ばれるものには、次のようなものがあります。

1.高アミロース米・低アミロース米
お米の主要成分であるでん粉はアミロースとアミロペクチンに分けられます。高アミロース米はパサパサして粘りが弱く、低アミロース米は粘りが強い特徴があり、調理・加工法に応じて使い分けができます。

2.低グルテリン米
易消化性タンパク質であるグルテリンの含量が通常品種の約半分以下で、腎臓病疾患の病態食としての利用が期待されています。

3.巨大胚米
胚芽が普通品種の3、4倍ある品種。玄米を水に数時間浸すと胚芽内に大量のギャバ(γ-アミノ酪酸)が蓄積されます。このギャバには血圧を下げたり精神を安定させる働きがあり、健康食品の素材として期待されています。

4.有色素米
赤米、紫黒米などの有色米はポリフェノール、ビタミン類を含んでおり、健康食品素材として期待されています。

5.香り米
炊くとポップコーンのような香りがします。古米に混ぜると、古米臭が無くなり風味が良くなります。

6.観賞用稲 など
全国的にも栽培・定着しているものはまだわずかですが、通常品種とあわせてお米の需要拡大を図ることは、その生産の場である水田を維持していくためにも大切なことです
2002.8
奈良県農業技術センター 研究開発部生産技術担当 
作物栽培チーム 主任研究員 杉山高世