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エダマメの話

 ダイズとエダマメは同じ作物で、豆腐や納豆に加工される前者(以下実取りダイズと称す)は完熟種子、後者は未熟な種子を利用したものです。実取りダイズは開花後60日あまりで収穫しますが、エダマメは30~40日で収穫します。エダマメの味は、甘み成分のショ糖と旨み味成分となるアミノ酸(グルタミン酸など)によるもので、収穫時期には含量が最大となり、ショ糖では種子重量の2.5~4%が含まれています。ショ糖とアミノ酸は種子が成熟するにつれ、脂肪やタンパク質の合成に使われて減るために、収穫時期が遅れると食味が低下します。収穫適期幅は約10日とされていますが、暑い時期では、3日程度の間に収穫しないといけないほどです。

 ところで、エダマメと実取りダイズは、同じ作物とはいっても品種は分かれています。実取り大豆では、ショ糖やアミノ酸の含量が開花後20日頃に最大となりますが、相対的に少なく、その後急減しますので、エダマメと同じ時期に収穫すると、食味はかなり劣ります。                     
 
 また、両者は、水稲におけるうるち米ともち米のようには明確な品種分化はしておらず、栽培地域により、アミノ酸やショ糖含量が異なることがあります。元来、実取り用であったものが農家の間での長い選抜を経てエダマメに利用されるようになったものもあります。そのため山形・庄内地方の「だだ茶豆」に代表されるように地域固有の品種が多く形成されているのが特徴です。

 エダマメは、収穫後の鮮度が落ちやすい野菜の一つです。室温では、収穫後24時間で、ショ糖とアミノ酸は半減します。農家の間では、「鍋で湯を沸かしてから、収穫に行け!」と伝えられている程です。そのため、収穫後、出来るだけ早いうちに予冷されて出荷されます。農家でのエダマメ収穫は、まさに時間との戦いで、早朝から収穫し、調整袋詰めをおこなって、朝8時頃には出荷します。 そこで、エダマメを購入された方は、出来るだけその日のうちに早く茹でて、食べていただくことをおすすめします。      

 エダマメは播種後収穫までの日数が70~80日程度(早生系)と短く、場所もさほど取らないので、家庭菜園で、もぎたての味を楽しむのもいかがなものでしょうか。             
2002.10
奈良県農業技術センター 高原農業振興センター
主任研究員 滝 憲治