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お米の種もみの話

 お米の種もみはどこで手に入るのでしょうか。種もみは普通の園芸店では売っていないと思います。

 水稲・麦類・大豆の種子は注文生産のシステムになっており、農家の方は種をまく前々年の一二月頃に農協等へ、必要な種子の申込をすることになっています。

 その申込を受けて、種子生産計画をたて、品種ごとに必要な種子量を採種農家や採種組合で生産します。その種子を生産する圃場を採種圃といいます。そこで生産された種子が農家の方の播く種もみとなります。そこではよい種もみをとるため、周到な管理の元に栽培されています。

 この採種圃で種もみを生産するにはその元の種もみも純正なものでなければなりません。その採種圃に播く種子を原種といい、その原種を作るための元の種子を原々種といいます。原種・原々種は主に農業技術センターにおいて生産しています。原々種を生産するときには原種の真ん中に栽培しています。なぜそうするのかというと稲は品種によっても異なりますが、自然交雑が〇.五~四.〇パーセント程度あり、近くに他の品種があると交雑して雑種ができ、その品種の特性が失われてしまうからです。

 次に、原々種を作るための種子はどこから来るのでしょうか。県が品種を奨励品種(県内に普及すべき優良な品種)にしたとき、育成地から原々種の元の種を分けてもらい、それによって原々種の採種を行います。その際、系統別に栽培し、変異系統を淘汰し、残った集団から純正系統を選抜します。さらに選抜系統から個体選抜して次代の系統とし、その残余種子を原々種とします。このようにして原々種用種子を維持しながら、原々種の採種をしていきます。普通では水稲は一年に一回しか栽培しませんから、育成地産の種子から、農家に種子が届くまでに四年かかります。
2002.12
奈良県農業技術センター生産技術担当 
総括研究員 西尾和明