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雑穀の話


最近、健康志向の高まりや食物アレルギーなどの問題から雑穀が見直されています。

 雑穀には、アワ、キビ、ヒエ、ハトムギなどのイネ科の穀類のほか、アマランサス、ソバなどがあります。国内で栽培されている雑穀のうちの大部分(約98%)がソバです。今回は、ソバ以外の雑穀について紹介します。

 アワ、キビ、ヒエは、わが国で古くから栽培されてきましたが、時代とともに栽培面積が減少し、現在では300ha前後となっています。アワは中国、キビは中国・ベトナムから輸入もされています。近年、中山間地域での特産物としても注目されています。これらの雑穀は、ビタミン含量がほぼ米と同じで、タンパク質・食物繊維・ミネラル(カルシウム、鉄)が米より多く含まれています。米に少し混ぜて炊飯したり、雑穀入りうどんなど麺類に混ぜたり、菓子の原料として利用されています。

 ハトムギは、国内で400ha程度栽培されており、主にタイ・中国から輸入されています。ハトムギ茶の原料のほか、漢方薬の原料としてもよく知られています。殻を除いた子実を「ヨクイニン」といい、利尿、消炎、鎮痛などの効能があり、いぼ取りの薬としても利用されてきました。ハトムギ粉として麺類や菓子の原料にも利用されています。

 アマランサスは、南米のアンデス山脈でインディオによって古代から栽培されていた雑穀です。日本で新しい品種が育成され、国内で約15ha栽培されています。他の穀類に比べ、カルシウム、鉄などのミネラルが豊富で健康食として期待されています。非常に小さな粒で食感もプチっとして数の子のような感じです。米に少し混ぜて炊飯したり、子実を粉にしたものは、小麦粉と混ぜてパンやうどんにしたり、菓子にも使えます。

 アワ、キビは、吉野郡などで少しではありますが栽培されており、行事食に利用されたり、一部直売所で販売されています。また、最近スーパーなどでも小袋入りで販売されているものをよく見かけます。

 日本人の食文化に深く関わってきた雑穀を、一度味わってみてはどうでしょうか。
アワの穂
2003.7
奈良県農業技術センター 専門技術員 土井正彦