注意 過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。

お米の作柄の話

 今年は冷夏で全国でとれる米の量が平年より少ないと予想されています。それではお米の作柄はどのように決まるのでしょうか。お米の出来は作り方にも影響されますが、気象条件によっても大きく左右されます。そこで、農業技術センターでは気象の影響を調べるため、ヒノヒカリという品種を用いて毎年同じ時期(六月十三日)に同じ作り方で試験をしています。

 お米の収量が決まるのは四つの要素です。イネの穂の着く茎の数を穂数と言い、これが最初に決まる要素です。田植えをしてから穂の元が出来るまでに決まります。この時期の今年の気象は6月中は気温が平年並でしたが、日照時間が少なく、7月に入ってからは気温が低く、日照時間も少ないままで、茎の数は増えるのが遅く、穂数は平年よりかなり少なくなりました。

 二番目の要素は一穂に着く籾の数です。これは穂数が少なかったので、一穂当たりの籾数は多くなりましたが、穂の元が出来る時期の七月二十日頃から籾の数がおよそ決まる八月十日頃まで気温が低く、日照時間が少なく経過したので、面積当たりの籾の数は平年より少なくなりました。

 次に、籾の数が出来ても中の玄米が太らないと収量は望めません。籾のうちの充実した玄米になる割合を登熟歩合といい三番目の要素です。また、玄米一粒の重さが四番目の要素です。これらが決まるのは穂が出てからの日照時間と気温です。穂が四十から五十パーセント出た時期を出穂期と言い、今年は八月二十八日でした。その少し前から気温が高く、日照時間が長く、玄米が登熟するには良い条件となりました。ただ、最低気温が高く、イネの消耗が大きいので、充実には不利な面も少しあります。これら四つの要素によって収量が決まります。実際には十月中旬に稲刈りをして収量調査を行います。

2003.10
奈良県農業技術センター 生産技術担当 総括研究員 西尾和明