注意 過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。

今、話題の米粉パン

 最近、「米粉パン」という聞き慣れないパンが増えているのをご存じですか?パンの原料といえば小麦、なのに米のパンって何?と思われた方が、多いのではないでしょうか。パンだけでなく、クッキーやシュークリームなどの洋菓子、ラーメンやうどん、お好み焼きやたこ焼きなどに米の粉を使った商品開発が進んでいます。

 折しも2004年は国際コメ年。そこで、米をめぐる問題から期待される米粉パンについて紹介したいと思います。

1.日本人一人当たりの米消費量は40年前に比べて半減
 一人平均の消費量を全国平均で見ると、1962年度の118.3精米kgをピークに年々減少が続き、2002年度は62.7精米kgとなっています。

2.食糧自給率は先進国のなかで最低
 我が国の食糧自給率(カロリーベース)は、1964年度の73%から2002年度の40%と大きく低下し、主要先進国の中では最低の水準にあります。(フランス121%、アメリカ122%、ドイツ99%、イギリス61%(2001年))

3.米粉パンの特徴
 米粉で作ったパンは、もっちりとした食感やトーストしたときの香ばしさがあります。また、ごはんと小麦粉パンとの中間の水分を含んでいることから、しっとり食べやすいといった特徴もあります。和・洋・中どんな料理にも合いやすく、栄養的にもバランスのとれた食事を摂ることができます。小麦粉パンでは使いにくかった素材を利用しての調理パンや、水分を吸いにくいと言う特徴を活かして、中にはさむ素材とパンを美味しく食べられるサンドイッチなど新しいパンの世界が広がる可能性を感じます。

4.米粉パンの現状
 米の消費を拡大するため、パンに米粉を使う研究開発が各地で行われています。たとえば、新潟県では、県農業総合研究所食品研究センターが10年ほど前に、パンづくりに適した製粉技術を開発し、県内の学校給食などに広がっています。ただ、問題点として特許の縛りや製粉に新たな設備が必要なことなどがあります。
 また、製パン技術の開発としては、近畿農政局の依頼を受けた民間のパン研究所が開発した上新粉のパンがあります。この技術にも製法と専用粉の特許が絡みますが、国産米による地産地消の取り組みに対しては積極的にノウハウを公開するということで、行政と連携し普及推進に取り組まれています。

5.地産地消の推進
 1970年から続いている減反政策による米の生産調整とあわせ、奈良県においても小麦栽培も推進していますが、国産小麦はグルテンが少なくパンには向かないため、パン用小麦は輸入に頼っています。しかし、米なら地域で生産したものを地域で加工し、その地域の消費者が食べることが可能になります。

 食の安全に関心が高まっている今、安心で自給率ほぼ100%の国産米から作った米粉の消費の取り組みが増えることで、備蓄米の解消、食糧自給率のアップ、地産地消の推進など国内・県内の農業を活性化するきっかけとなる可能性に大きな期待が寄せられています。

2004.2
奈良県農業技術センター  普及技術課 専門技術員 角山美穂