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ミズナを作って食べよう

 ようやく8月も終わり、少しずつ秋の気配を感じる頃となりました。
 
 野外での作業も快適になるので、秋まきの葉もの野菜を作ってみてはいかがでしょうか。これからの旬の野菜は比較的簡単に栽培することができ、味も良いものができます。今回は冬の鍋物に欠かせないミズナを取り上げます。

 ミズナは京都市南部で江戸時代初期から作られ、畦の間に水を引き込んで栽培したのでミズナの名があるそうです。かつては鯨と煮た、はりはり鍋という料理がありましたが、近年は肝心の鯨にお目にかかれません。ミズナには鯨などくせの強い肉の臭みを消す効果があるそうです。そのほか塩もみ、ぬか漬けや、ゆでてカラシ味噌で和えても美味しく、鍋だけではもったいないでしょう。
 
 作り方は、まず畝を幅1m、高さ10cm程度に平たく作ります。1平方メートルあたり化成肥料と苦土石灰を軽く一握り混ぜておきます。種は9月中下旬ごろ、15cm間隔にすじまきにします。2~3cmに1粒ずつまき、約5mmの厚さに土をかぶせて水をたっぷりかけます。

 葉が2~30枚になるまで、徐々に間引きながら収穫します。この程度の小株なら硬くなく、おいしく食べられます。最終的に株の間隔を30cmとし、大株にしてから霜にあて柔らかくなったものを食べます。畑や庭がなくても市販のプランター(60cm幅)に1すじ播いて間引いていけば、冬には結構大きな株になります。

 ミズナのようにアブラナ科の野菜はガの仲間に好まれ、穴だらけにされることがあります。園芸用の不織布や寒冷紗でトンネル状に被覆すれば、害虫の被害を避けることができるとともに、保温の効果もあり生育が早まります。
 
 農業試験場ではミズナの品種選抜を行ない、軸が細く白く、草丈が伸びすぎずに株張りがよい系統を育成しました。現在、1年中栽培するための性質を調べています。

1997年9月
奈良県農業試験場 高原分場 主任研究員 中野智彦