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奈良の野菜をたくさん食べよう

七月二十六日、毎日新聞夕刊のドクター・アライの美食健康倶楽部の欄で「一昔前の人生五十年の時と比べ、現代人は若く見える人はざらにいます。その大きな原因は、肉や脂肪の多い欧米化した食生活ですが、その一方において肥満、糖尿、心臓病が増加しています。これは、野菜不足が大きな原因」との記事を読んで考えさせられました。
 私が農業試験場で、農家の野菜栽培を手助けする仕事柄、「もっと野菜を食べなさい」という記事は、我田引水ではありますが、野菜を考える記事として、使わせていただきました。
 私の周りを見回してみても、大人だけでなく、子供にも心臓病、糖尿病や痛風などで悩んでいる方がいます。このような方も、生活習慣病の予防には、汗を流すことと、多くの種類の野菜をたくさん食べることと、分かってはいると思いますが、仕事や塾に忙しいため、お手軽な食生活がやめられないでいます。
 奈良県には海はありませんが、近くに山・川があり、その気になれば汗を流す場所は探せると思いませんか。私の週一回、短時間ですが、母が入所している老人ホームの花作りに汗を流しています。
 また、野菜についてはどうでしょうか。なぜ、今、地場の野菜なのでしょうか。それは鮮度の良さはもちろん、奈良の風土から生み出されて、野菜に蓄えられたミネラルを、体が求めているからではないでしょうか。 
 幸い、奈良には野菜や伝統料理があります。それに学びながら、奈良の風土を盛り込んだ、わが家の自慢料理を創作し「汗を流し、野菜をおいしく食べて、家族の健康も安心」が、二十一世紀を生きる世代へ伝える知恵ではないでしょうか。
 
 では、奈良県でのおすすめ野菜はー
 ▽夏ばて防止には、あっさり漬け・サラダ・おしたしに。奈良県の中山間からはトマト、キュウリ、スイカ、ミョウガ、ホウレンソウ。奈良盆地のナス。 ▽秋から冬は、おひたし・煮物・なべ物に。奈良盆地からヤマトマナ、ホウレンソウ、ネギ、大阪シロナ、コマツナ、サトイモ。中山間地の宇陀ゴボウ。とろろめし、つきだしにヤマノイモ。ワケギのぬたあえ。
 ▽冬から春には、ハウス栽培のイチゴ、トマト、ナス、キュウリ。特にイチゴは奈良県が育成中のアスカルビー。濃いうまみで、おすすめの一品。

 これらの野菜は、各店舗の地場野菜コーナーや、産地のある地域の朝市、直売所において入手は可能。もしなければ、店舗の人に「こんな野菜があれば」と伝えてください。
 奈良の農家も、奈良の農産物に注目している、存在感のある消費者を求めています。このような、奈良の野菜との出会いを楽しみませんか。

1999年8月
奈良県農業技術センター 野菜専門技術員   安堂和夫