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奈良県における野菜流通

 最近、地場産の農産物の消費を推進しようという地産地消運動が盛んであり、奈良県でもその観点から事業が行われています。中央市場の取扱額や小売店での状況などから野菜の流通について紹介したいと思います。
 消費量の多い指定野菜品目において、奈良県産野菜が京阪神市場で占めるシェアは、一.六%(重量ベース)しかなく、十%以上のシェアがあるのはナスとホウレンソウだけです。

 奈良県中央市場においても奈良県産野菜が占める割合は、重量で十二%、金額で二十%です。また輸入野菜は五~六%を占めています。
 図のように、小売店へのアンケート調査(十%の小売店を抽出し、約五%回収)結果では、老舗の小売店では大阪の中央市場から直接仕入れていますし、大規模スーパーでは大阪などに物流センターがあり、中央市場や仲卸などから仕入れています。この場合、奈良県野菜として知名度が高く、そこそこの生産量があるイチゴやナス、ホウレンソウなど限られた品目しか扱われません。また、奈良県から出荷されたものが大阪を経由して奈良県に送られてくることも起こります。

 これに対し、小規模の小売店は主に奈良県中央市場から仕入れており、奈良県で生産された野菜を比較的多く販売している傾向にあります。これらの小売店では、購入量が少ないため、出荷ロットの小さい奈良県産野菜を中心に仕入れる傾向があります。地元資本の中規模スーパーも奈良県中央市場より仕入れていますが、仕入れ量が大きいため、出荷ロットの大きい県外産を仕入れる割合が高くなります。一部の地域では和歌山や京都の地方卸売市場より仕入れている小売店もあります。また、県中南部では地元の地方卸売市場からの仕入れが比較的多く残っています。
2002.5
奈良県農業技術センター 普及技術課 専門技術員 渡辺寛之