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ウリ類の花の話

 まず、植物の花とは一般的にどんなものかを考えるのに、たとえば桜の花を思い浮かべてください。桜の花では、外側にがくがあり、その内側に花びら(花弁)、さらにその中には雄しべに囲まれるように雌しべがあります。このように一つの花の中に雄しべと雌しべがあるものは両性花と呼ばれ、普段目にする花の多くはこのタイプです。

 これに対して、一つの花の中に雄しべ、もしくは雌しべのいずれか一方しか存在しないものがあります。このようなタイプは単性花と呼ばれ、雄しべのみを持ったものは雄花、雌しべのみのものは雌花と呼ばれています。これらは花ができる過程で雌しべ、雄しべのいずれかの発育が停止したものです。雄しべと雌しべは簡単に見分けることができます。なぜなら、雌しべでは花の下に子房(受粉した後に果実になる部分)と呼ばれるものがあり、少しふくれているからです。
 
 ウリ類でも花のつき方は作物、品種によって様々ですが、ある節では雄花を、またある節では雌花をつけるというように混ざって咲くのが特徴です。ここでいくつかのウリ科の野菜について紹介することにしましょう。

まずは、スイカについてみることにしましょう。親づる、子づる、孫づるのいずれにも5~7節ごとに雌花をつけます。カボチャも同様に4、5節おきに雌花がつき、他の節は雄花がつきます。これに対しメロンは少し異なり、親づるの各節には雄花が、子づる、孫づるには両性花がつきます。これらのウリ類は雄しべと雌しべが別々にあるので虫によって受粉がおこなわれています。しかし、花は早朝に咲き、受粉できる時間は短く、虫の活動が鈍いときには自然条件下で十分に受粉できません。ハウス内での栽培ではさらに難しくなります。そこで確実に実をつけるために、人工交配をおこないます。人工交配は雄花の花びらを取り除いて雄しべを雌しべに軽くつけるようにします。
 
 これらとちょっと異なるのがキュウリです。最初に雄花がつき、その後、とびとびに雌花がつくタイプ(混性型)、上の節では連続して雌花をつけるタイプ(混性雌性型)、ほとんど全ての節に雌花をつけるタイプ(雌性型)があります。このようにキュウリは雌花が圧倒的に多いですが、受粉しなくても果実が肥大する性質(単為結果性)が強いので、雄花がなくても問題にはならないのです。
2002.6
奈良県農業技術センター 
野菜栽培チーム 研究員 矢奥泰章