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野菜の健康パワー

近年、ガン、心臓病、糖尿病、肥満などの生活習慣病が健康問題として大きな課題になっています。また、私たちの日常生活の中で、公害物質、紫外線、喫煙などはガンの原因とされています。これらに対し、適切な食事でガン、脳卒中、心臓病を予防しようとする考え方があります。とりわけ野菜の持つ機能性成分が見直されています。

 ダイコンなどのアブラナ科野菜やタマネギなどに含まれる硫化物や硫黄含有アミノ酸、トマト・スイカに含まれるカロテン、リコペンなどのカロチノイド、ソバなどに含まれるルチン、お茶や赤ワインに含まれるポリフェノール類などは発ガン性物質の形成を阻害したり、解毒作用や抗ガン酵素の活性化作用、また、活性酸素に対する抗酸化作用が認められています。

 一方、野菜や果物に多く含まれる食物繊維は、便秘をはじめ肥満や糖尿病、高血圧の予防・回復に関係しているとして重要性が見直されています。特にゴボウ、タケノコ、タマネギ、ピーマンの食物繊維が発ガン性物質の活性を抑制するようです。

 また喫煙すると活性酸素が増え、そのためビタミンCなどの抗酸化成分が活性酸素を消すために消費されます。そのため喫煙者は抗酸化作用のあるビタミンCやEやβ-カロテンがタバコを吸わない人より多く必要になります。ビタミンCはピーマンやブロッコリーに多く、ビタミンEはカボチャ、モロヘイヤなどに、β-カロテンはシュンギクやモロヘイヤに多く含まれています。

 このように価値の高い野菜・果物ですが、日本の家庭における野菜の購入量は過去15年間で約7%減少しているのに対し、アメリカでは20%近くも増加しています。日本では従来の煮物、漬物が減少し、生食、洋食向きの野菜が増え、鮮度・美味しさ・色彩などが重視され多品目少量指向になっているのに対し、アメリカでは日本食ブームとともに健康と健全な食生活に対する消費者の関心が高くなっているためだと云われています。

 中国には古くから「医食同源」という言葉があります。これは「医」と「食」には境目が無いという意味です。機能性の高い野菜や果物を採ることで、少しでも健康な暮らしが送れるのではないでしょうか。
図 野菜の1人当たり消費量の比較
(農林水産省:食料需給表、アメリカ:FAO調査資料)
2003.4

奈良県農業技術センター 総括研究員 小野良允