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野菜の話

 子供の時には好んでは食べなかった野菜でも、年をとるにつれ積極的に食べるようになる人が多いようです。味覚の変化もあるでしょうが、「人の健康維持の手助けをする」という野菜の機能に無意識のうちに頼るようになるからではないでしょうか。

 野菜に含まれる代表的な栄養素といえば、「糖質」・「脂質」・「タンパク質」です。これらに「ビタミン類」・「ミネラル類」といった微量栄養素を加え、「健康維持に必須だ」という意味を込めて5大栄養素と呼んでいます。整腸作用があることで知られている「植物繊維」は、健康を維持する上での重要性が近年認められた栄養素です。最近まではこれら6つの栄養素以外の成分は「非栄養素」と呼ばれていました。ところが最近になって、非栄養素の中にも重要な働きをする成分が含まれていることが判ってきました。

 例えば、ウコンに多く含まれるポリフェノール類は身体に極めて有害な活性酸素を打ち消してくれます。活性酸素とは、私たちが生命を維持するために取り込んだ酸素が、生体内で姿を変えた攻撃的な物質のことです。この活性酸素は遺伝子のDNAに傷害を与えたり、脂肪を酸化して体に悪影響を与える過酸化脂質を作ったりします。このことが、癌・高血圧・アレルギー性疾患などの疾病や老化を引き起こす原因となると言われています。

 また、ニンニク・ネギのにおい成分やブロッコリー・ダイコンの辛み成分が、発癌性物質の無毒化を促進してくれるという報告もあります。

 野菜はまだまだ未知の能力を秘めています。にもかかわらず、我が国の国民一人あたりの野菜の摂取量は、食の欧米化が進んだことにより、年間一10kg余りにまで落ち込んでいます。

 「いろいろ」な野菜を「楽しみ」ながら「たくさん」食べることで、野菜に「健康維持」の手助けをしてもらおうではありませんか。
2003.7
奈良県農業技術センター  主任研究員 西本登志