注意 過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。

ブロッコリーの話

 野菜は主に食用にする部分によって、果菜類、葉茎菜類、根菜類に分けられます。さて、ブロッコリーはどこに入るのでしょう?皆さんご存じのようにつぼみの部分、正確には小さなつぼみが集まったもので花蕾球(からいきゅう)と呼ばれるところと茎の部分を食用としています。果菜類では花が咲いて結実した果実を食べるのに対して、ブロッコリーは花が咲く前に収穫されたものを食用としているので葉茎菜類に分類されています。ブロッコリーはキャベツの仲間で、地中海東岸に野生しているキャベツの小さな花蕾塊と若茎を食用としたのがブロッコリー利用の最初であるとも言われています。

 スーパーマーケットなどの野菜売り場ではほぼ1年中並べられていますが、国内産は10月下旬から2月と5、6月に多く出回ります。秋から冬にかけて4ヶ月以上にわたって流通するのは、気候にあった品種をうまく組み合わせて収穫時期をずらしているからです。ブロッコリーの花芽分化(花がつくられ始めること)は、一定の大きさ(葉数)になった植物体が低温にあうことによって始まります。表のように、早生種では22℃以下の温度に遭遇すると花芽分化が始まりますが、晩生種では3~5℃以下の低温にさらされなければつぼみはできません。このように品種によって花芽分化の条件が異なるため、花蕾球ができる時期をずらすことができるのです。

 続いて栄養価についてお話しましょう。免疫力を高めると言われているカロチンや風邪予防にも効果があるとされるビタミンC、さらには鉄分やカリウムなどを豊富に含むブロッコリーはまさに健康野菜そのものです。100gの花蕾にはカロチンが810μg、ビタミンCが120mgでそれぞれキャベツの約16倍、約3倍も含まれています(五訂食品成分表より)。茎の部分にはこれらの成分が花蕾よりさらに豊富に含まれていますので、花蕾だけでなく大いに利用して下さい。しかし、収穫が遅れて茎の部分がのびたものや、収穫してから気温が高い状態で長時間経過して、つぼみがふくらみ、花蕾球が黄緑色になったものでは栄養成分はかなり減少しています。そこで良いブロッコリーの見分け方のポイントは、花蕾がドーム状に丸みを帯びていること、つぼみは小さく、固くしまっていることの2点です。

 寒い日には栄養豊富なブロッコリーのたっぷり入ったシチューなどはいかがでしょうか。
ブロッコリーの花芽分化の条件
  気温 葉数 茎の太さ
早生種 22℃以下 12枚 3mm以上
中生種 17~18℃以下 19枚 6mm以上
晩生種 3~5℃以下 19枚 6mm以上
2003.11
奈良県農業技術センター 野菜栽培チーム 技師 矢奥 泰章