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耐えて育つ「大和マナ(真菜)」

寒さきびしい2月 奈良の食卓の菜だった 「大和マナ」
 暖地のハウス野菜や輸入野菜のなかった昭和40年代頃、ダイコンやハクサイの味が落ちてくる2月、緑の野菜がほとんどない季節には、大和マナは寒さに耐えて冬の青菜として、奈良県の農家や町の人たちの食卓に加わる、新鮮な緑色野菜でした。
外見は株が小さい頃は、ダイコンの葉のようにきれこみがあり、ダイコン葉と似ていますが、株が成長するに従い、葉脈が大きくなり、葉幅も大きくなってきます。味は、ダイコン葉の様な青臭さがほとんどなく、柔らかさとさわやかな甘味が特徴で、料理では味付けのしやすい菜といえます。

他府県では、なじみの少ない野菜 「大和マナ」
 奈良の先輩たちが選び育ててくれた大和マナの生産がのびなかった理由は、収穫後の日持ちが悪く(下葉が黄化しやすい)量販店での品質管理が難しいこと、外見がダイコン葉に似ていることと収穫時期が12月から2月と限られているためと考えられます。他府県から奈良県にきた方にも、なじみが少ない野菜でした
 県内でも和食から洋風化への影響を受け、町では厚揚げと大和マナを煮付けていく料理も少なくなりつつあり、これまで農家で小規模に栽培されていた大和マナの栽培も少なくなってきたと想像されます。一部の量販店・直売所では他の野菜にまじり販売されています。

日当たりを求め、寒さに耐えて育つ、冬の菜 「大和マナ(真菜)」
 昨年の11月初めに、ここ高原農業振興センターの畑の一角で、大和マナを露地栽培で育てました。本葉の二葉期に株間10cm程度に間引きをして、間引きをしない状態の株と生育を比較しました。前作はどちらもナスを栽培したほ場で、化学肥料は使用せず、たい肥の表面施用でスタートし、追肥も施さずに栽培しました。
 2月25日、収穫をむかえる頃、それまでに何度も雪や霜を受けながらも、枯れずにまた花も出さずに草丈20cm程度に育ってくれました。歯ざわりは、肥料分が少なかったので、少し堅めでした。寒さのため、生育の停滞が1月中旬~2月中旬までありますので、露地栽培であれば、10月末までに播種するのが無難でしょう。
 また間引きをしないで、株間1cm程度の密に育った日当たりの悪い株は、本葉3枚頃から大きくならず、12月の頃の姿のまま、草丈8cm程度の生育になりました。

食してみませんか「大和マナ」
 奈良県の中高年の皆さん、「百読(聞)は一見にしかず」です。おひたしや厚揚げと一緒に煮付けるなどの昔なじみ料理で、また料理の能力や才能のある方は洋風・中華料理に一度使ってくださいませんか。寒さに耐えて育つ「大和マナ」のほんとうの味をご賞味下さい。
2004.3
奈良県農業技術センター  専門技術員 安堂和夫