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豆苗(トウミョウ)の話

 冬の寒さにじっと耐え、少しずつ空へ向かうように伸びていくエンドウ。この季節どこの家庭菜園を見渡しても必ずと言っていいほどラインナップされているメジャーな野菜ですね。さて、皆さんはどんなエンドウを育てておられるのでしょうか。エンドウには若い莢を食べるサヤエンドウ(大莢、絹莢)、未成熟の種子を食べる実エンドウ(グリーンピースなど)、種子が大きくなっても莢が硬くならず莢ごと食べられるスナップエンドウがあります。このように普段エンドウは莢やその中の豆を利用するのですが、それ以外に最近は緑化した幼苗の豆苗(トウミョウ)としての利用も増えてきています。
 豆苗とはエンドウの若い芽のことです。エンドウを発芽させ、ある程度まで育った若芽をつみ取り、その葉やつる、茎を食べます。若芽をつみ取るので収穫期間・量が少なく手間もかかり、中国では高価な食材となっています。中国では豆苗収穫用の品種も作られているようです。本来の豆苗とはここに書いたようにエンドウの若芽のことですが、日本では一般的にサヤエンドウの種を発芽させモヤシ状に育てたもの、いわゆるスプラウト野菜として流通しています。
 元々エンドウは栄養価の高い野菜であり、ミネラル、ビタミン、食物繊維を豊富に含んでいます。豆苗も栄養価が非常に高く、サヤエンドウ、グリーンピース以上にビタミンCやカロチンを含んでいます。豆苗はエンドウ特有のほのかに甘い香りとシャキシャキとした歯ごたえが特徴で、サラダや炒め物、スープの具材などに使えます。あまり火を通しすぎない方が風味が損なわれません。
 本来の豆苗は育て方も簡単です。エンドウと同様に種子を一晩水につけて発芽しやすくしてからプランターなどに種をまきます。発芽したら間引きせずに密集状態で育て、若い芽をつみ取ります。収穫した後に2000倍ほどの薄い液肥を与えてやれば、数回にわたって収穫することができます。
 豌豆豆(エンドウマメ)と言われるように豆のイメージが強いエンドウですが、若芽・幼苗も栄養満点の食材です。サヤエンドウ、グリーンピース、スナップエンドウと一緒に家で育てて食卓を彩ってみてはいかがでしょうか。豆苗の播種時期は10~11月、2~4月(真冬でも室内なら栽培することができます)で、旬の時期は3~5月です。

豆苗と実エンドウ(左)、サヤエンドウ(中央)、スナップエンドウ(右)
2005年3月
農業技術センター
生産技術担当 野菜栽培チーム 技師 米田祥二