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トウガラシ果実内の辛味成分について

トウガラシの辛味成分と言えばカプサイシンが有名です。カプサイシンを用いた健康食品も数多く市販されています。カプサイシンは発汗作用、抗酸化・抗菌作用、脂肪燃焼など人体に対して有用な生理活性を持っています。辛味成分には様々な種類があることやカプサイシンが果実内でいつ・どこで作られるかご存知でしょうか?

1.辛味成分はどこで作られるのか
 一般にトウガラシの辛味は種で作られると言われますが、実際にはカプサイシンは種がついている胎座(図参照)と呼ばれる部分で作られます。種に近いので種が辛いとされているのです。果実全体が辛いのは胎座で作られたカプサイシンが分散され付着してしまうからです。

2.果実内で辛味が最大になるのはいつか
 果実が真っ赤に熟したときに辛味が最大となるイメージがありますが、カプサイシンは受粉後14日目くらいから作られ始め20日目あたりか ら急激に増加します。30日目ほどでピークを迎え、その後は徐々に減 少していきます。一方、果実が完熟するには受粉後40日ほどかかるので、赤くなる直前に含量が最大となっているのです。

3.果実に含まれている辛味成分の種類
 トウガラシは品種によって辛さに大きな差があり、辛さの質にも差があります。これは果実内に含まれる辛味成分に様々な種類があるからです。主な辛味成分は20種類ほどあり、これらの辛味成分を総称してカプサイシノイドと言います。トウガラシに含まれるカプサイシノイドのう60~70%はカプサイシンですが、30~40%はジヒドロカプサイシンといいます。カプサイシンが多いとシャープな辛味となり、ジヒドロカプサイシンが多いと口の中で後まで残る辛味となります。
 カプサイシノイドの中には辛味の弱いものもあります。また、カプサイシノイドによく似たカプシノイドという辛味のない成分も近年発見されています。これらの成分は少量しか含まれていませんが、辛いカプサイシンと同様の生理活性があります。
 
現在、農業技術センターでは、ヒモトウガラシや紫トウガラシの選抜を行っています。果実の形や収量だけでなく果実に含まれる成分に注目しています。


2005年8月
農業技術センター
野菜栽培チーム  主任研究員 米田祥二