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大根のお話あれこれ

 本格的な冬の到来を迎え、温かい料理がおいしい季節となりました。冬の煮物料理に最もなじみの深い野菜の一つに大根があげられます。
 大根は奈良時代以前に中国から伝わり、室町時代から大衆化し、現在では年間生産量が日本一の野菜となっています。
 大根の根にはビタミンCや食物繊維が豊富に含まれており、また、でんぷんを分解するアミラーゼという酵素を含んでいるので消化吸収を良くしてくれます。「大根役者」いう言葉は、どんな料理にしても食あたりしない、すなわち、どんな芸をしても当たらないという語呂合わせからきています。
 他にも、大根の葉にはカロチン、ビタミンC、カルシウムなどが含まれていますが、店頭では葉が切り取られていることが多く、少しもったいない気がします。
 大根をおいしく食べるには部位をうまく使い分けるのがポイントです。葉に近い部分は辛みが弱く、固いので、サラダや甘めのおろしに最適です。また、中央部は甘みがあるので煮物に適しています。先端部は辛みが強いので薬味としておろしなどにピッタリです。
 大根には全国各地で色々な特徴をもったものが栽培されています。中でも愛知県が発祥地の「宮重系」の大根は、生長すると根部が地上に出て青くなるので、青首大根と呼ばれています。円筒形で太さ、形が整い、肉質はやわらかく、甘みも強いので、現在の代表的な大根です。
 近畿では、京都で育成された聖護院があります。根が短く、球形で蕪に似ています。煮ても繊維が残らず煮物に適しています。奈良県の東部中山間地域では最近、大根と蕪の特性を持った「ミディ大根」が栽培されています。この大根は肉質が緻密で甘みが強く、サラダや煮物でおいしくいただけます。また、大きさも手頃で、葉付きで販売されています。店頭で見かけられたらぜひ味わってください。
写真:青首大根(左)とミディ大根(右)
2005年12月
奈良県農業技術センター 
高原農業振興センター
営農技術チーム 主任研究員 木矢博之