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ネギの仲間チャイブ

 皆さんはフランス料理を食べに行ったときに、料理の中にアサツキに似た細いネギの仲間が使われているのを見たことがありますか。この細いネギはユリ科アリウム属の多年草で「チャイブ」といいます。学名はアサツキと同じなのですが、チャイブは夏季にも休眠せずに生長を続け、また、りん茎を形成しないなど、アサツキとはちがった生態的特性をもっています。
 チャイブはハーブとして知られており、フランス語ではシブレットと呼ばれ、西洋料理の食材としてよく使われます。他のネギ類に比べてヌメリが少なく、香りも穏やかなので、いろいろな料理に使うことができます。特に、その葉をみじん切りにしたものは、スープやサラダに散らしたり、オムレツやジャガイモ料理に使ったり、また、ハーブバターの中に混ぜたりすることもできます。和食にも向いていて、葉をきざんでみそ汁、納豆、冷奴、あるいはそうめんやうどんの薬味として利用するなど、ネギの代わりとして重宝します。花にも穏やかなネギの風味がありますので、エディブルフラワーとして、ほぐしてサラダの彩りに使うことができます。
 チャイブの栽培方法ですが、春に種まきをするか、春か秋に株分けをして増やします。苗を入手できるのであれば、そのまま定植するのが最も簡単な方法ですが、極端な酸性土を嫌うので、その場合は石灰で中和しておきます。種まきをする場合は、市販の土をプランターなどの栽培容器に入れて播種し、軽く土をかぶせておきます。発芽するまでは土が乾かないよう注意して下さい。発芽後はそのままでもいいですし、数本をひとまとめにして20~30cm間隔に定植するのも良いでしょう。最初の年は株を大きくするのに専念して、本格的に収穫するのは2年目以降にします。冬季には地上部は枯れて休眠状態になりますが、春先には再び芽を出し、草丈は30cm程度に成長します。葉は刈り取っても次々と伸びてきます。初夏にはネギ坊主と同じように抽苔し、先端にピンク色の花を咲かせます。花が咲くと、葉が硬くなりますので、柔らかい葉として利用したい場合には花が咲かないよう、蕾を摘み取っておきます。たくさん収穫できる時期に、生のままきざんでタッパーやポリ袋などに入れて冷凍庫に保存しておくと、いつでも解凍して使用することができます。室内で容器植えにして日当たりのよい窓辺に置いておくと、冬でも生の葉を利用することができます。
 庭の片隅やベランダなどで身近な食卓のハーブとして、チャイブの栽培を楽しんでみてはいかがでしょうか。

春に新芽を出したチャイブ(3月中旬撮影)
2006年4月
奈良県農業総合センター
環境保全担当 土壌・水質保全チーム 主任研究員 山下浩一