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ガーデニングと花木

 卯の花が垣根に匂うころには、もう夏がやってくると歌にもあるように、梅雨の長雨が始まり、気温が摂氏25度を超えるようになると、いよいよ夏のはじまりです。卯の花はまたの名をウツギと呼ばれ、身近な山野に普遍的にみられる庶民的な花木で、万葉時代から親しまれています。我々の身近にある花木の多くは、夏の温度が高く、降水量が多く、冬の気温は低く比較的乾燥する地帯に適応し、我国をはじめ中国東部、韓国、アメリカ東部、南アフリカ東部、オーストラリア東南部、ブラジル東南部にみられ大陸東岸型(夏湿冬乾型)と言われています。

 また最近、香りを楽しむ植物として、ラベンダー、サントリナ、ローズマリー等のハーブ類があります。これらの植物は、葉が硬化し、葉色も灰色をおびた特徴あるものが多く、これらの植物の原生地は、地中海沿岸、南アフリカ西部、オーストラリア西南部、チリー中部、北米カリフォルニアなど、いわゆる地中海気候型といわれる地域に分布し、夏季の降水量はほとんどなく、冬季はやや多いが全体的に少なく、夏季は乾燥し、それに適応するため、このような特徴のある草姿になっています。海外からこのように生育環境の違う花木が多く導入されています。それぞれ花木の特性にあった栽培環境が望ましいのですが、栽培土壌の過湿、夏の暑さ、冬の極度の寒さに注意してやれば、たいていの植物は、私たちの身近で栽培を楽しむことができるようです。

 ユキノシタ科 バイカウツギ属
開花期は5~6月、花色は白色、まれに基部付近は紫色で、芳香があります。栽植場所は排水が良く、極度に乾燥しない肥沃な土壌、日当たりのよい所が適し庭園だけでなく、切花、鉢栽培も利用できます。

 ウツギという呼び名は「ウツロギ」すなわち空木からきており、幹や枝の木質部の中心部がうつろになっているものを、総称的にウツギの名で呼ばれ、何ら類縁関係のない植物にもウツギという名がみられます。

 卯の花はユキノシタ科ウツギ属に分類されています。


1997年4月

奈良県農業試験場 生産技術担当 主任研究員 藤沢一博