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花壇で楽しむ『はい性タイム』の育て方


 ハーブ植物としてよく知られるタイムは葉に芳香が強く肉料理などの香辛料として欧米では古くから使われています。このタイム、シソ科の常緑かん木に属し、ヨーロッパを中心に育成された園芸種を含めると300種類を越えるといわれています。

 タイムの仲間では芳香が特に強く香辛料やハーブティーとして使われているコモンタイムやレモンタイムが一般的ですが、これ以外にも花のきれいなもの、葉に白や黄色の斑の入ったものなど鑑賞性の高いものが多くあります。特に、枝が上に伸びずに、地面をはうようにマット状に広がる「這い(はい)性タイム」の仲間はグラウンドカバープランツとしても利用できます。ロンギコウリスタイムやクリーピングレモンタイム、キャラウェイタイム、黄斑クリーピングタイム、我が国に自生しているイブキジャコウソウもこのはい性タイムの仲間に含まれます。

 これらのタイム類はさし木で比較的簡単に殖やすことができます。さし木時期は春から秋にかけて可能ですが、家庭で行う場合は6月、9月ごろが無難です。用土はパーライトとバーミキュライトを等量に混合したものが良好で、酸性の強いピートモスは控えたほうが良いでしょう。さし穂は茎を3~4cmに切り、育苗箱、鉢などに挿します。さし木後は発根するまで1日数回葉をぬらす程度の灌水を行い、直射日光が強く当たらない所で管理します。さし木後約1か月でポット上げできる苗となります。

 苗は一度9cmポットなどに植えて根を十分に張らせ、秋または春に水はけのよい花壇に植え付けます。             

 ロンギコウリスなどのはい性タイムは春に20cm間隔で植え付けても開花期には100%地面を覆ってくれます。開花はロンギコウリスで4月下旬から、イブキジャコウソウで6月からとなり、ピンクの可愛い花が咲きます。開花期間は3週間程度ですが、花壇に花のカーペットをひいたようで大変美しいものです。花のない時期にもグリーンのカーペットが楽しめます。 
 一度挑戦してみてはいかがでしょう。


1999年3月

奈良県農業試験場 高原分場  総括研究員 佐々木 茂