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タイムの楽しみ方

 葉に芳香が強くハーブとしてよく知られるタイム。シソ科の常緑低木に属し、大変種類が多く、ヨーロッパを中心に育成された園芸種を含めると300種類を越えるといわれています。

 このタイムの仲間をおおまかに分類すると、立ち性のものと、マット状に横に拡がる匍匐(ほふく)性のものに分けることができます。立ち性のタイムは枝が上に向かって伸びる性質があるもので、通常30cmほどの高さになります。芳香が特に強く香辛料として一般に使われているコモンタイム、葉に銀色の斑が入るシルバータイム、レモンの香りがするレモンタイム、レモンタイムの黄斑種であるゴールデンレモンタイムなどが代表的なものです。匍匐性タイムは高さ5~15cm程度にしかなりません。一般にワイルドタイムと呼ばれる仲間がこの中に入り、日本に自生するイブキジャコウソウや紫桃色の花が美しい「コッキネウス」などの園芸種があります。また、桃色の花が美しいロンギコウリスタイムやレモンの香りがするクリーピングレモンタイムなどの種類も匍匐性タイムに含まれます。

 タイムの多くは香りがよいため、香辛料として煮込み料理や肉料理に入れたり、ハーブティーとして利用が可能で、ポプリや浴湯への利用も考えられます。香りのもとは精油の一種であるチモールが含まれているからですが、香りの表現は、「森林浴の香り」(消費者への聞き取り調査)がピッタリ当てはまるようです。

 タイムの仲間には香りだけでなく、花や葉が美しい種類も多く、花壇植えとして楽しむこともできます。特に、ロンギコウリスタイムのように匍匐性タイムの多くは短期間で地面を覆ってくれるので庭の草抑えにも有効で、開花期にはカーペット状に花が咲くので大変美しく、庭に植えてみたいものの一つでしょう。

1999年3月

奈良県農業技術センター 花き栽培チーム
総括研究員 佐々木茂