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秋植え球根のミニ知識

そろそろ秋植え球根の植え付け時期が近づいて来ました。今回は秋植え球根の庭先や室内での植え付けについて話をしてみます。

1)球根植え付けの方向は
 球根の植え付け時に、球根を横に向けたり逆さにして植え付けるとどうなるんだろうと興味のある方もいらっしゃると思います。球根類には、植え付け後母球にある芽が肥大し、数個の新しい球根を更新するもの(母球更新型)、母球そのものが年々大きくなったり分球していくもの(母球残存型)に分けることができます。

・母球更新型の球根  チューリップ、クロッカス、ダッチアイリスなど
・母球残存型の球根  スイセン、ヒアシンス、ユリ類など

 母球更新型の球根は方向を丁寧に植え付けなくても、ほとんど開花に影響を与えません。そこで大量の球根を植え付ける場合などでは、植え溝にばらまきしたりすることも可能です。一方、母球残存型の球根は方向を正しく植え付けましょう。

2)室内で花を咲かせるには
 室内で秋植え球根を楽しむには、植え付け時に球根内で花芽ができている種類が適しています。秋咲きのコルチカム、サフラン、春咲きのチューリップ、ヒアシンス、スイセン、クロッカス、ムスカリなどがこれに属します。

 秋咲き性の種類は室内で比較的簡単に花を咲かせられますが、春咲き性の種類に立派な花を咲かせるにはいくつかのポイントがあります。(その1)十分に発根させてから発芽させます。発根適温は種類によっても多少の違いがありますが、一般的には15℃前後のものが多いので、植え付け適期を逃さないことが大切です。(その2)春咲き球根の大部分は、発芽後暖房のきいた部屋で開花時まで管理しておくと正常に伸びず、短い状態で開花してしまいます。花芽完成後の球根では一旦低温を受けないと花茎が伸長しない性質があるので、1月中旬頃まで寒害を受けない程度の屋外で管理し、その後室内に入れます。なお、クロッカスやチューリップではこの性質を利用し、あらかめ球根を冷蔵庫で貯蔵し、早く開花させることもできます。(その3)室内に入れたクロッカスや房咲きスイセンでは、高温過ぎると花が咲かないので注意しましょう。昼間は十分に光にあてることも大切です。

1999年9月

奈良県農業試験場 高原分場 総括研究員 佐々木茂