注意 過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。

クライン・ガルテンについて

 ドイツ語で「小さな庭」という意味です。都市が膨張するにつれて都市内緑化の必要性が高まっており,公共物を始め,‘いかに緑を回復しようか’という取り組みが進んでいます。この動きは単に公共物だけでなく,景観にとって公共性の高いビルや個人住宅にも広がりつつあります.しかし,個人の花を含めて農作物を作る場所が減少するのは致しかたのないところです.          

 そこで郊外の農地を開放して貸し農園などのニーズが生まれることになりました。クライン・ガルテンはドイツでいち早く形ができた貸し農園で,規模がけっこう大きく、いわゆる一坪農園どころではありません。小屋もあり,簡易な宿泊程度なら可能で,週末を過ごしつつ生鮮野菜や果物を街に持って帰ることができます。孫を連れた老夫婦が二世帯用の野菜を作り,自らが楽しみ,かつ孫に自然を感じさせたり,お互いのコミュニケーションを高めるなどなど,注目されているシステムです。  

 わが国でもこれを見本にして,郊外の農地を活用しようとする動きが公共団体,農家団体,企業などにあります。いずれ陽のめをみることになるでしょう。
 ただし,わが国だけでなく,イギリスでもオランダでも,河川敷きや線路沿いなどの空き地に,無秩序に小さな耕作地が雨後のタケノコのように乱立しているのをみかけます。違法な場所もあるようですが,なにか人の営みの原点をみるようです。これを組織化したものがクライン・ガルテンということになるでしょうか。 


1998年3月

奈良農業技術センター 栽培技術担当 
統括主任研究員 長村智司