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カンパニュラの話

キキョウ科カンパニュラ属の植物は世界に約300種類あるとされていますが、ほとんどすべてが北半球の原産で、特にヨーロッパや地中海地方に多く分布しています。ヨーロッパでは栽培も盛んで品種改良なども進んでいます。

 カンパニュラ属の植物は花の形が釣り鐘状になっているものが多く、「カンパニュラ」の名は「小さい鐘」という意味のラテン語に由来しています。しかし、実際の花の形は狭い鐘型から広い鐘型あるいは星形のものまであり、いずれも先は5片に分かれています。
 開花時期は品種により少し異なっていますが、おおむね4月~6月に青色や紫色の花を咲かせます。また、品種によってはピンクや白の花を咲かせるものもあります。

 カンパニュラの園芸上の分類は耐寒性または半耐寒性の1年草および多年草とされていますが、園芸店などでよく見られる「カンパニュラ・メディウム」はフウリンソウとも呼ばれ、完全な2年草でロゼットを形成し、前年の夏までに播種しないと翌年開花することはありません。カンパニュラの草丈は50-100cmの高性種、30cm前後の中性種、10cm程度の矮性種に大きく分けることができ、草姿は直立性、匍匐性、垂下性のものがあります。 比較的よく栽培される品種には、前述したメディウム(フウリンソウ)以外にグロメラータ(リンドウ咲きカンパニュラ)、パーシキフォリア(モモバギキョウ)、ポルテンシュラギアーナ(オトメギキョウ)、ガルガニカ(ホシギキョウ)、ラプンクローイデス、ラクチフローラ、ロツンディフォリア、カルパティカ、コックレアリフォリアなどがあります。

カンパニュラの多くは冷涼な気候を好み、日本でも夏の比較的涼しい地域ではよく育ちますが、湿度の高い暑い地域では「立枯れ病」や「白絹病」が発生しやすく、育苗や栽培が難しいとされています。しかし、グロメラータやラプンクローイデスは丈夫でどこでもよく育つため、栽培時にあまり神経質になる必要はありません。
 カンパニュラの発芽適温は20℃前後で、小さい種ですがよく発芽し、日照と排水性の良い土地を好みます。また、土壌の酸度が低いと生育が悪くなるものが多いため、pHは少なくとも6以上にする必要があり、品種によっては弱アルカリ性を好むものもあります。
 鉢植えや地植えする際は、前もって苦土石灰などの石灰質を土壌に混合するのが良いでしょう。

2001年5月
奈良県農業技術センター 生産技術担当 
花き栽培チーム 総括研究員 前田茂一