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挿し木について

ジメジメして嫌な梅雨も「挿し木」には良い時期です。いろいろな植物を挿し木してみませんか?

「挿し木」は、親植物の一部を切り取り、土に挿して根を出させて増やしていく方法で、親植物と全く同じ特性を持った子供を多く増やす事ができます。
植物をよく観察してみてください。たとえば、観葉植物の「ポトス」は、葉の下にすでに「小さな根」があります。このような「小さな根」は、親の植物から切り離して土に挿すとすぐに伸びてくるので簡単に挿し木で増やす事ができます。

しかし、このような「小さな根」を持った植物は少なく、普通は挿し木をした後で新しく根が作られます。だから「挿し木のしやすさ」は、「根のできやすさ」と言っても過言ではありません。「根のできやすさ」は、植物の遺伝的なものですが、さまざまな物質が関係していると考えられています。その中でも植物ホルモンの「オーキシン」の影響が最も大きいと考えられています。

オーキシンは、植物ホルモンの中で最初に発見された物質で、植物の成長に深く関わっている物質です。例えば、芽を出した植物が重力や光を感じて、根は地面の中に、葉や芽は太陽に向かって間違わずに伸びていくのは、この「オーキシン」の働きです。オーキシンには、「発根促進効果」つまり「根をつくる」作用もあり、挿し木をした時に、切り口に塗って根を出しやすくする「発根促進剤」として販売され利用されています。

さて、実際に挿し木をする時に最も大切な事は、出来るだけしおれさせない事です。挿した植物から根が出て、自分で水を吸えるようになるまでは、霧吹きなどで葉や茎に霧をかけて、湿った状態にしておきましょう。せっかく挿した植物が干からびてしまったのではどうしようもありません。さらに、日陰に置いて、薄い寒冷紗(しゃ)などをかけて強い日差しは避けましょう。

また、根を作るために、切り口では活発に活動しているので、十分な酸素が供給出来るように通気性・排水性のよい土に挿すようにしましょう。梅雨は、このような挿し木に必要な条件が作りやすい時期です。ぜひ、「挿し木」にチャレンジして、いろいろな植物を増やしてみてください。
2002.6
奈良県農業技術センター 情報・相談センター
主任研究員 東井君枝