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バラの種をまいてみませんか


 緑の美しい季節となってきました。この時期、皆さんの家の庭にもいろいろな花が咲いていることでしょう。その中にバラの花はありませんか?あるなら種を採ってまいてみてはいかがでしょうか。もしかしたらオリジナル品種ができるかもしれません。

 一般的に栽培されているバラは、全て挿し木による栄養繁殖で生産されます。ですから子供は親木の完全なクローンです。新品種を作り出すためには「枝変わり」といわれる突然変異を見つけ出して増殖するか、または人工交配、つまり受粉させて種を採る方法があります。

 人工交配は開花前に雄しべを取り除いたり、勝手に交配しないように袋をかけたりしなければなりません。このような面倒な作業を省きたいときには、交配は自然に任せ、勝手に稔った実をまくのがよいでしょう。たとえそれが自花交配であっても、親木とは違ったバラになる可能性は大いにあります。また、庭に何種類もバラを植えている方なら、種から育てた花を見ながら、花粉親はどの品種なのか想像するのも楽しいですね。

 さて、まき方ですが、花が咲いてから4ヶ月ほどで実が赤っぽく熟しますので、その頃実を採ります。種子は1つの実に10粒前後入っています。実から取り出した種子を水洗いし、浮いた種子は捨てます。沈んだ充実した種子をまくのですが、バラの種子は低温にあわないと発芽しません。その低温要求量は5℃で2ヶ月程度です。冷蔵庫に入れてもいいのですが、簡単なのは自然の低温にあてることです。11~12月頃に種をまいた育苗箱を外に置いておくだけで自然の低温にあい、春になると発芽してきます。発芽はばらつきが大きいので、発芽してこないものがあっても5月頃まで辛抱強く待つのがよいでしょう。鉢上げは本葉が2~3枚展開したときに行います。

 お待ちかねの花ですが、四季咲きの品種ならその年のうちに咲きます。原種に近いものなら数年かかるので、これも気長に待つ必要があります。根気強く待って素敵な花が咲いたら、好きな名前をつけて自慢したいですね。
バラの種をまいてみませんか
2004年5月
奈良県農業技術センター
生産技術担当 花き栽培チーム 技師 角川 由加