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クリスマスローズの話

 クリスマスローズはキンポウゲ科ヘレボルス属の常緑多年性草本植物で、原産地はヨーロッパ、地中海沿岸、西アジア地域であり、約20種が分布しています。花の少ない冬に開花する数少ない植物のひとつで、現在では数多くの園芸品種が作り出されています.
「クリスマスローズ」の名の由来は、クリスマスの頃にバラのような花が咲きはじめる植物というところからきています。しかし、実際の開花期は12~4月、「クリスマスのバラ」の名のようにはいかない品種もあるようです。
 花色には白、ピンク、緑、(赤)褐色系などがあり、一見すると渋めの地味な印象の花ですが、愛好家は多くいます。花径は6センチ程度で、花弁に見えるのはがく片です。その内側に小さな花弁と多数の雄ずいがあり、中央に雌ずいが見られます。花の香りはほとんどなく、がく片は緑色になり長く残ります。そのため、花が咲き終わっても長期間鑑賞することができます。また、葉は大きくきれいな光沢があります。ほとんどの品種は庭植えに適していますが、生育適温は0~15℃であるため夏の暑さには弱く、秋から春にかけて良く生長します。庭植え以外には鉢植えや花壇での利用も可能で、切花としても長く楽しむことができ、生け花などに利用することもできます。
 庭などへの植付けは秋に行い、4年くらいの間隔で植替えますが、本来は株をあちこちへ植え替えないほうが良いとされています。
 また、増殖方法には株分けや種子の採り蒔きがありますが、株分けをすると、生育が少し悪くなるようです。
 夏の暑い地域では、水はけと風通しがよく、直射日光が当たらないやや半日陰となる涼しい場所に植えるのが良いでしょう。夏越しさえうまくいけば栽培は比較的容易です。
 クリスマスローズの花言葉には「私の心を慰めて」といった意味が含まれています。しかし、古来よりクリスマスローズの花は有毒であることが知られており、誤って口に入れたりしないような注意が必要です。「自分の心を慰める」には、じっくりと味わい深い花姿を目で楽しむだけのほうが良いようです。
クリスマスローズ
2004年12月
奈良県農業技術センター 花き栽培チーム
総括研究員 前田茂一