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家庭でできるカキの渋抜き法

みなさんは、カキの「渋」を体験したことはあるでしょうか。そうです、舌がくっつくようなあの感じです。この「渋」は、果実中のタンニン細胞に含まれる可溶性タンニンが影響して感じます。渋を抜くとは、この可溶性タンニンを溶けないようにすることです。(不溶化)

 一般に、カキは甘柿と渋柿に分けられますが、甘柿は収穫までに樹の上で不溶化が起こり渋が抜けますが、渋柿は渋が残ったまま収穫期を迎えます。そこで、渋抜きを行う訳です。ス-パ-・小売店で出回っている渋柿は、炭酸ガスやアルコ-ルで渋抜きをされて、甘くてまったりした果実になっています。

 この渋柿を家庭でも簡単に渋抜きする方法を以下に紹介します。

渋抜きするカキを準備します。できれば、手に入れにくいですが、平核無(ひらたねなし)や刀根早生(とねわせ)が良いですが、名前のわからないような渋柿でも可能です。
35%の焼酎を果実のヘタの部分に漬け(器に焼酎を入れヘタを2~3回つけると便利)、皮に付いた焼酎はティッシュなど軟らかいものでそっと拭き、ビニ-ル袋に入れ密封します。その時に、古着などの吸湿性の良いものをいっしょに入れておくと、皮が黒くならなくてすみます。
また、ブランデ-やウィスキ-を使っても可能で、違った風味が楽しめます。ただし、日本酒やビ-ルでは渋が少し残ります。(35%以上あればOK)
そのまま、日光が直接袋に当たらないように、20℃前後の室内に置きます。7~14日で、渋の抜けた美味しいカキができあがります。温度や種類により、渋抜けの日数が変わりますので7日前後で一度確認してみるといいでしょう。

 ス-パ-などに出回っているのは渋抜きしたカキばかりですが、もし渋抜きしていない渋柿があれば、自分流にチャレンジしてみませんか。「マイ・グラス」ならぬ「マイ・カキ」を手に入れるために。

1998年9月
奈良県農業試験場 果樹振興センター 総括研究員 今川順一