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機能性食品の代表ブルーベリー

最近の農産物のキャッチフレーズは、「健康によい」です。ひところのような「甘い」とか「栄養豊富」などと言うことでは、この栄養過多の時代の消費者の関心を引かなくなってしまいました。

 「健康によい」イメージを持つ農産物として最近、話題を集めているのがブルーベリーです。以前からブルーベリージャムやブルーベリーソースなど、家庭向き加工原料として利用されてきましたが、最近、ブルーベリーに含まれるアントシアンが視力を回復させる効果があるとして注目されているのです。実際には一時的に視力を回復するだけで、持続的な効果は期待できないようなのですが、それでもブルーベリーのファンは確実に増えているようです。

 ブルーベリーは大きく二つの仲間に別れます。一つは暑さに比較的強く、土性をあまり選ばないラビットアイと呼ばれるグループで、もう一つは寒さに強く(つまり暑さには強くない)、酸性の土を好む、ハイブッシュと呼ばれるグループです。標高350mの高原分場は、夏の暑さは盆地部よりはしのぎやすいのですが、それでもハイブッシュ系の品種は作りにくいです。そのかわり、ラビットアイ系の品種はよく育ちます。家庭で栽培するとしたら、このラビットアイ系のブルーベリーがおすすめです。

 次々に新しい品種が出てくるハイブッシュ系のブルーベリーに対して、ラビットアイ系の品種は「ティフブルー」「ホームベル」「ウッタード」の三品種に固定されています。なかでも、ティフブルーは粒も大きく、糖度も高いので生食、加工のどちらの用途にも対応できます。これに対し、ハームベルは小粒で糖度も低いので、どちらかといえば加工向き品種といえるでしょう。ブルーベリージャムは、洗ったブルーベリーに適量の砂糖を加えて煮詰め、最後にレモン果汁を加えるだけで簡単にできあがるので、これほど加工向き作物はないといえます。

 ブルーベリーは、一つの品種だけでは結実しにくいので二つ以上の品種を植えるのがコツです。一度、わが家のブルーベリージャムづくりにチャレンジされてはいかがでしょうか。


1999年5月

奈良県農業試験場 
高原分場 総括研究員 杉本好弘