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カキの花のはなし

 3月も半ばになり、これから春本番という季節になりました。露地の果樹も芽が萌えはじめ、樹々の緑が美しい時期を迎えます。カキも同様に新芽が伸びはじめ、蕾が大きくなるとまもなく花の咲く季節を迎えます。

さて、これから咲く花はいったいいつからできているのでしょうか?実は、雌花の基は前年の6月下旬~7月頃にできはじめます。その後7月の下旬頃まで分化し、いったんお休みして越冬します。そして、3月上旬以降芽が動き出す時期に花びらなどができはじめます。そして4月下旬頃に花全体がほぼ完成して、5月の開花準備ができるわけです。つまり、花が咲いてからすぐに準備にとりかかり、なんと!1年近くかけて作っているのです。

 ところで、カキには雌花と雄花があるのはご存じでしょうか?一般的に花というと、雄しべと雌しべがある花を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、カキには種類によってはまれに雄しべと雌しべを持った花もあるのですが、基本的には雌花だけか雄花と雌花の両方を咲かせるものがほとんどで、中には雄花だけのものもあります。主な品種別では「刀根早生」、「平核無」、「富有」、「次郎」等は前者であり、「西村早生」、「筆柿」等は後者に属します。

 また、カキは確実に実を成らせ、果実の太りと形などを良くするために、受精させて種子を必要とするものと、そうでないものに分けられます。皆さんがよく食べている甘柿の「富有」は雌花の咲く時期の合う花粉量の多い品種を混植するか、雄花から花粉を採ってそれを人工授粉しなければなりません。一方、受精しなくても実の着く「刀根早生」、「平核無」等は授粉の必要がないのです。このように、カキの品種によっても栽培管理が違うわけです。5月中~下旬頃写真のようにかわいい白い花が咲きますので、ちょっと見られてみるのもいかがでしょうか?
カキの花(品種「刀根早生」)
2003.3
奈良県農業技術センター 果樹振興センタ-
主任研究員 脇坂 勝